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気分は寄せては返す波のよう(ふりかえり卵巣がん日記 #78)

いろいろありつつも抗がん剤3回目投与までこぎつけ、いよいよ後半戦。残り3回に突入する前の、この中間地点で主治医のA先生の診察が予定されていました。

3ヶ月ぶりの診察なのに

ここまで、毎回の点滴当日診察&10日後検診は研修医(で、毎回違うドクター)の担当でした。A先生に会うのは1回目投与の入院時以来だから、3ヶ月ぶり。A先生、お久しぶりです!ってなわけで、「いろいろ質問しなきゃ」と手ぐすね引いて待っていました。

白血球減少のために点滴の間が何回も空いてしまったこと、薬の量が減ったこと...予定通りじゃないことへの軽い心配って、気にしないようにはしていてもゼロにはならない。ここまでの間、研修医に聞いたり看護師さんに相談したりしてきましたが、念押し的にA先生にも「わたし、ダイジョーブですよね?ね?」と確認したかったのでした。信頼する主治医のドクターの顔見て直接話すことは、やはり大きな安心につながるよなぁと思うのです。

ところがこのA先生診察、なんと台風でとんじゃいました(台風だけに)。
2019年の9月と10月に続けざまに大型台風が関東に上陸しましたね(スーパーの棚から養生テープやカセットコンロが消え、千葉のゴルフ練習場の鉄柱が倒れるなど大きな被害が出ました)。この台風が東京に上陸した日がちょうど診察日だったのです。

当日、どうしたものかと迷いましたが、病院ホームページには「10時以降の予約は変更してください」の指示がアップされたこともあり「やっぱ変更したほうがいいか…」と病院に電話をすると「あ、うずらさん。ちょっと待ってくださいね」と受付からA先生につながり、そのまま電話診察のような形になりました。

A先生曰く「(間が空いたりもしたけど)検査結果も問題無いので、このまま後半も進めていきましょう」と。で「次の点滴(3日後)を予定通り進めることを優先したいので、改めての対面の診察は必要ないです(この電話が診察代わり)」の旨を伝えられました。

そっか、点滴のスケジュールは崩さないほうがいいのか。「今までも間は空いてるし。診察も点滴も、セットで1週間後ろ倒しすればOKよね〜」と思い込んでいましたが….白血球減少でやむなく間が空くのは、それはそれ。それとこれは一緒の話じゃないんですね。

思いがけない展開に、電話を切った後はちょっと放り出されたように感じ、グッと不安になり「こんなことなら台風でもとりあえず病院に行っちゃえばよかった」と思いました。いや、今日がダメだったとしても、A先生に「診察ないと不安です!」と伝えれば何か方法はあったかも...。そうクヨクヨしつつ「また病気スタート以来の私の課題、『伝える』ができなかった…」と落ち込みました。
やりとりがごちゃごちゃしても自分勝手でもいいから、こちらの要望を伝えるというコミュニケーションを取ることを、また避けてしまった。だめねぇ...

治療中に楽しみを見つけて「よしよし、いいぞ私!」と調子に乗りかけた矢先に、今度はしょんぼり。なかなかすんなりとはいかないな...でもまぁ、そりゃそうです。性格というかしみついたクセっていうか、そういうのは一朝一夕には変らないから...と当時の私に言ってあげたいですが、この時はかなり落ち込み、このガックリは尾を引きました。

プロのカウンセラーに会ってみよう

といっても、いつも通り仕事したり人に会ったりと普通に過ごしてたんですが、クヨクヨの通奏低音は鳴り止まず、最終的にはカウンセリングを受けるに至りました...って、こう書くと唐突ですね(笑)

診察がとんじゃったことそのものへの落胆ではなく、この一件が引き金となり「あぁ、どうしてワタシっていつもこうなんだろう...」から始まり「あの問題も根っこは同じでは?」と、それまで蓋をしてきた長年の悩み(病気と関係ないこと)が噴出してきました。詳細は省きますが、このモヤモヤをこの先ずっと自分一人でキープし続けるのは辛い...と、けっこう思いつめてしまい「この機会にプロに頼ってみようかな」と。

「アメリカのドラマじゃあるまいし、カウンセラーに会いにいくなんて!」と、病気前の私なら二の足を踏むでしょうが、すでに「がん相談支援センター」のソーシャルワーカーさんに相談した経験がある身としては、そのハードルは高いものではありませんでした。治療を進める上で、気持ちの大きな部分をソーシャルワーカーさんに支えてもらった実感から、プロの力の素晴らしさは身にしみて分っており「借りられる力はどんどん借りよう」と思ったのです。 (つづく)


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