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OUIGOでリヨンへ【ドイツ・フランス鉄道旅行2024】

 5月26日、長時間フライトの疲れは残っているが、時差ボケもあり、5時前に目が覚めてしまう。8時にホテルを出発、親切なホテルのスタッフの運転で、マルセイユ空港まで送ってもらう。
 空港からは市内へのバスに乗車する。マルセイユの中心駅であるサン・シャルル駅までは高速道路を経由して25分の旅、8時半過ぎにサン・シャルル駅に到着する。

 駅前に出ると美しい街並みが広がる。南仏らしい快晴、市内を見て回りたいところであるが、今回はこのまま列車でリヨンに向かう。

 日本でも時々利用しているパン屋のチェーン "Paul"でツナサンドを購入して朝食を済ませ、あとは発着する列車を眺めて過ごす。フランスの鉄道はホームの入口に改札があり、発着時間が近づくと改札が始まるシステムである。鉄道ファンとしては。自由にホームに立ち入れないので、写真を撮りにくいのは残念である。

 私が乗車するのは10時02分発、高速列車TGVの廉価サービス、OUIGO 7842のリール・フランドル駅行である。OUIGOは売店などのサービスが廃止され、モノクラスとなって定員を増加させた一方、料金が抑えられている点が特徴である。大きな荷物を持ち込むには追加料金が必要で、鉄道版LCCといったところである。乗り入れ費用を浮かすためか、敢えて主要都市のターミナル駅に乗り入れないことも多く、この列車もリヨン・サン=テグジュペリTGV駅やパリ・シャルル・ドゴール空港駅は経由するが、リヨンやパリ市内には乗り入れない。
 事前の案内では、プラットホームには発車30分前から入ることができ、遅延防止のため発車5分前には改札を締め切るとのことであった。構内の案内表示には、発車ホームは改札が開くまで発表されないので、コンコースには列車を待つ乗客が溢れている。
 9時半過ぎになり、ようやくプラットホームが案内され、改札が始まった。早速、ホームに入る。

 OUIGO 7842は2階建のTGV-Duplexを2本併結した編成で、編成表によると私の乗る11号車は最後尾であった。しかし、9時52分に入線してきた列車は編成が逆になっており、11号車は編成の中程にあった。ホームでは降車客に加え、乗車する車両へと移動する乗客で大混雑となった。

 OUIGOの車内は収容力が重視され、モノクラスで基本的に2+2列の座席配置となっているが、1階席の一部は1+3列で、この一人席を予約してある。追加料金を払えば、専用の荷物置きスペースを利用でき、ここにスーツケースを置く。

 座席は広いとは言えず、造りも簡素であるが、2時間くらい乗るには十分である。ただ、窓配置と座席配置が合っておらず、窓がない席に当たってしまったのは残念であった。

 駅の案内では10分遅れとのことであったが、実際には5分遅れの10時07分に発車する。しばらく市内を走った後、高速新線に入って、一気にスピードが上がる。最高速の320km/hに近づくと、細かい振動が多いように感じるが、それを除けば静かで、なかなか快適である。

 エクス・アン・プロヴァンスTGV駅、アヴィニョンTGV駅と市街地から離れた高速新線上の駅に停車する度に乗客が増え、ほぼ満席となる。2500人以上を輸送できる列車がこれだけ混むとは、需要の大きさに驚くばかりである。

 8分遅れの11時42分にリヨン・サン=テグジュペリTGV駅に到着する。この駅は空港に隣接して設置されており、市街地からは東へ20km離れている。

 列車の発車を見送った後、Rhônexpressと呼ばれる空港連絡トラムに乗車する。チケットは市内交通とは分かれており、通常片道16.70EURとなかなか高額であるが、オンラインで購入すると少し安くなり、さらにTGVと乗り換えの場合は割引運賃も設定されている。

 乗車時に、係員がチケットのQRコードを読み取って確認する。車内は満席、トラムとはいえ、郊外は100km/h近い速度で走る。市街地に入ると通常のトラム路線に入り、速度も落ちるが、主要停留所のみ停車する。
 空港から30分でリヨン・パールデュー駅に到着する。ここは多くのTGVが発車するリヨン最大のターミナル駅であり、多くの利用客で賑わっている。

 市内交通を利用してホテルへ向かうことにする。まずは市内交通の48時間券を買うことにするが、トラムの停留所にある自動券売機は何故か発券ができない状態となっている。仕方がないので、市内交通アプリをダウンロードして、アプリ上でチケット購入を試みるが、認証に必要なショートメッセージがうまく届かず、三回失敗したところで回数制限に引っ掛かってしまい、結局購入できなかった。
 サンドイッチを買って軽いランチを取って気分転換し、タクシーでB&B HOTEL Lyon Centre Part-dieu Gambettaへ向かう。円安とインフレで宿泊代も高騰している中、以前人気があったibisホテルもすっかり高級になったが、B&Bホテルは比較的安い割に設備が良い。

 一休憩した後、15時過ぎにホテルを出る。近くのメトロD線Garibaldi駅に行き、自動券売機でようやく切符の購入に成功。Vieux Lyon駅に行き、ケーブルカーに乗り換える。ケーブルカーはこの駅から2路線出ており、F2線で終点Fourvièreへ。トンネルの中を走り、5分もかからず到着する。

 リヨンの象徴、荘厳なノートルダム大聖堂、さらにローマ帝国時代の遺跡である劇場を散歩して回る。

 Théâtres romains駅からケーブルカーF1に乗車、地下鉄D線に乗り継ぎ、Saxe–Gambetta駅へ。さらにトロリーバスC4系統で国際会議場に向かう。バスは連接で、大柄な車体であるが、それでも混雑している。国際会議場には20分程で到着する。

 ウェルカム・レセプションに顔を出し、再度トロリーバスと地下鉄を乗り継ぎ、Vieux Lyon駅へ。

 旧市街を歩きつつ飲食店を探し回り、Chez Mamieというブションに入る。シーザーサラダを前菜に、メインはリヨン名物のクネルを選ぶ。クネルは白身魚のすり身をオーブンで焼いた料理である。ふわふわした食感と濃厚なソースが美味しく、ビールが進む。デザートまで付いてきて満腹となった。隣に座っていた夫婦はオーストラリアから旅行に来たそうで、イタリアとフランスを巡るのだとか。帰り際に、料理はいまいちだから、今度は他の店の方が良いわよ、と言って帰って行ったが、私は満足した。

 もう22時近くになり、地下鉄でホテルに戻り、すぐに休んだ。

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