愛しの電車、愛しの街、愛しのビール【ドイツ鉄道旅行2023】
夕方まで撮影を楽しむことにする。まずはDüsseldorf HbfからS-Bahnに乗り換え、Köln方面へ2駅目のDüsseldorf-Oberbilkへ。
さらに一駅乗って、Düsseldorf-Eller Südへ。
再びS-Bahnに乗り、3駅目のDüsseldorf-Garathへ。ここは私の定番撮影地。最愛の車両であるICE 3を毎日のように撮影した場所である。Düsseldorfから帰国して5年余り、行き交う列車も変わりつつある。
撮影を終えて、S-BahnでDüsseldorf中心部へ戻る。
ライン川の東岸に位置するDüsseldorfは人口約63万人、人口規模ではドイツで7番目の規模であり、ドイツで最も人口の多いNordrhein-Westfalen州の州都で、金融や通信関係の会社が多数拠点を置いている。あまり知られていないが、美術館やオペラなど芸術でも充実している。そんなDüsseldorfの特徴の一つが「日本」。聞いたところでは、第二次大戦後に日本から炭鉱が消えていく時期に、Ruhr地方にまだ炭鉱が残っていたことから、ドイツに招聘された技術者がこの街に集まって住んだのが歴史の始まり。日本人向けのインフラがあることから、次に日本の商社が次々にDüsseldorfに拠点を置き、ヨーロッパで最も日本人が多く住む街となった。現在、Düsseldorfに住む日本人は徐々に減少しており、6600人余りとなっている。LondonやParisより少ないが、人口比を考えれば存在感は大きい。1年に1回、Japantagと呼ばれる祭りが開催され、市内にはドイツ人も大好きなラーメンをはじめとする飲食店が何店もある。
幼い頃、父の留学で4年弱をEssenで過ごした。Düsseldorfまでは車で約30分、よく買い物に来たのであった。それから30年以上が過ぎ、2016年夏から2018年初春にかけて、私自身がDüsseldorfへ留学する機会を得た。十分に便利なのに、大きすぎずちょうど良いサイズの町、日本人だけでなく韓国や中国などアジア人が多い住みやすさ、コンサートホールTonnhalleでの数々のコンサート、私にとってはDüsseldorfは特別な街なのである。
S-Bahnで中央駅を過ぎ、Düsseldorf-Wehrhahn駅で下車、ここは留学に住んだ場所である。懐かしい街を散歩し、Altbierの醸造所のは一つ、Frankeheimの直営レストランに入る。
ハスキーボイスのおじさんも健在で一安心。頼んだのはDüsseldorfer Senfrostbraten。マスタードと玉葱をあえたペーストをステーキに載せた料理である。実はマスタードはDüsseldorf名物の一つなのである。そして、やっぱりAltbierは最高である。
トラムで中央駅に戻る。
München行ICE1015に乗車する。車両はICE 3である。2000年にICE 3が営業運転を開始して、まもなく四半世紀。動力分散式で、最高330km/hの性能を有する (営業運転では最高300km/h)。流麗な外観だけでなく、高品質なインテリアも魅力的で、その後のICEのデザインに決定的な影響を与えた。鉄道雑誌に掲載されたモックアップを見た時から興味を持ち、2005年に初めて乗車して以来、何度も追いかけて来た、私にとっては特別な車両である。
5分程遅れて18時49分発車、車内はそれなりに混んでいるが、運良くラウンジの先頭の席を確保する。Kölnの手前で停車、車内放送によると信号トラブルで20分遅れるの見込みとのことであったが、幸いにもすぐに発車し、10分遅れでKöln Messe/Deutzを発車、Siegburg/Bonnに停車して、高速新線に入ると最高300km/hで快調に飛ばす。やはり、この路線はICE 3に乗るのが一番である。
Frankfurt空港駅で5分遅れまで取り戻す。空港からは在来線を南下する。1等席の乗り心地を楽しみつつ、日没を迎える車窓風景を眺める。
6分遅れの20時49分にMannheim Hbfに到着する。
今夜はホテルでゆっくりと休むことにする。
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