リンクスの断片ハイスクールギャンビット 謎の思念波 1
82「シリアルナンバーがないぞ」①
僕らは無事に体育倉庫裏から逃げ出して、教室にたどり着いた。幸いクルスたちは僕らを追いかけてはこない…僕が撒き散らした煙幕のせいで、火災報知器が鳴って消防が駆けつけたせいだ。さすがにあいつらも面倒なことは避けて、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったそうだ。それに煙だって単なる煙幕カプセルだからすぐに消えてしまう。結局、誰かのイタズラということになったらしい。
そういうことで、僕はギリギリでお弁当にありついて、午後も無事に過ごすことができた。
ジャンクさんは僕にあのあと謝りっぱなしだった。別にジャンクさんが悪いことをしたわけじゃないんだけれど、僕が不良グループに睨まれるきっかけを作ってしまったということで、本当に申し訳なく感じているらしい。だけど…
本当に謝るべきなのは僕のほうかもしれない。僕が感じた異様なサイオニクスの感覚…あれが本物だとすれば、何かがこの学校で起きている。僕の存在でその何かがあらわになってしまったとすれば、僕はジャンクさんを巻き込んでしまったことになる。そう思うと、どうしたらいいのかわからなくなる。
学校が終わって帰宅すると、セイバーさんが来ていた。また探偵事務所は再開準備中なので、サンドマンバームガーデンでセミーノフさんたちと打ち合わせをしていたらしい。帰宅した僕に、早速学校の話を聞いてくる。まさかいきなりトラブルに巻き込まれているなんて、説明すると思うだけで頭が痛くなりそうだ。ところが…
登校初日にヤンキー連中に絡まれて、体育倉庫裏で一悶着、という事件にセイバーさんは全く驚かなかった。いや、セイバーさんだけじゃない…セミーノフさんもルンナさんも驚く様子はない。まるで僕が騒動を引き起こすことを予想していたような表情だ。セイバーさんはおかしそうに笑う。
「ははは、やはりか。いや、そうなるとは思っていた」
「セイバー、笑ったら可愛そうだぜ」
「いやすまんすまん」
セミーノフさんにたしなめられ、セイバーさんは頭をかいて僕に謝る。が、笑いを抑えることはできそうにない。
「リンクスは真っ直ぐすぎて目立つから、いずれは一悶着起きそうだとは思っていたんだ。まあ初日からとは思わなかったが…」
「悪気がなくてとんでもなく強いから、目立っちゃうのよねぇ」
ルンナさんもさもおかしそうに笑う。セミーノフさんは苦笑しながらも僕の頭を撫でて言った。
「まあリンクスが無事で良かったぜ。いきなり大喧嘩とかで退学じゃシャレになんねえからさ」
さすがに相手が不良だと言っても大怪我させてしまうと学校にいられない。せっかくサンドラーおじいさんから学生服を借りたのに、そんな事になったら申し訳ない。
とはいえ…
本当に報告しなければいけないことは、その時感じたサイオニクスの感覚だ。誰かに監視されている…学校の中にサイオニクサーがいる可能性がある。僕だけじゃない、魔獣も、サイコヘッドギアもはっきりと強い思念波を感じたのだ。
僕がその事を報告すると、さすがにセイバーさんもセミーノフさんも顔色を変えた。
「何?本当か?」
セイバーさんは急展開にゴーグルを点滅させている。たった今まで僕の前途多難な学校生活の話だったのに、急にきな臭くなってきたからだ。
「セイバー、まさか」
「むう…話が変わってきたな」
セイバーさんもセミーノフさんも顔を見合わせて困惑する。
「リンクス、サイオニクサーとしての意見を聞きたいんだが、感じたサイオニクスはどれくらいの強度なんだ?」
「セイバー?どういう意味なんだ?」
質問の意図が漠然として分かりづらい。謎のサイオニクサーが強いのかとは聞かずに、サイオニクスの強度だけをセイバーさんは聞いてきた。まるで思念波が自然現象でも発生するとでも言いたげな言い回しだ。
セミーノフさんはセイバーさんに聞き直す。セイバーさんは頷いて僕らにもう少し丁寧に説明し直す。
「いや、単にリンクスが一番サイオニクサーとして実戦経験がある。だから強さも一番正確に把握できているだろうという意味だ」
「ずいぶん遠回しな言い方したんだな」
「まあな。情報が少ないから、サイオニクスとはまだ断定できんからな。何かが監視しているらしいというのは間違いないだろうが…」
やはりセイバーさんは思念波とサイオニクサーの存在を直結して考えてはいない。たしかにそうかもしれない…先入観は危険だ。精神魔法でも似たようなことができるのだから、すべての可能性を考慮してゆく必要がある。とにかくわかっているのは、誰かがあの場をテレパシー的な方法で監視していたということだけだ。
僕はセイバーさんの質問に答えた。感じたテレパシーの強度そのものは強くない…僕の精神防御なら完全に防げるし、隠蔽モードを使えば全く検知すらされないだろう。ただ学校の敷地の端から端まで、全体をカバーするような思念波だったととなると、元々の力はかなり強い。僕のテレパシーでは視界内くらいしか届かないことを考えても、きちんと訓練した、そしてテレパシーに特化した能力者でなければ、あんな芸当はできない。
「ふうむ…テレパシー的な監視手段で見られていた、か…有線の監視カメラとかじゃないんだな?」
「はい、相手の存在が感じられました」
魔法光学機器みたいなもので作られた監視カメラなら、僕の意識にあんな圧迫感は与えない。単に映像や音声を送るだけで、意識や思考まで監視なんてできないはずだ。しかし…
あのときの感覚は違う…視覚だけじゃない、精神や感情を見張られていたのがわかる。それは僕たちサイオニクサーの視界に近い。そしてテレパシーは双方向だから、僕の方からも相手の存在がはっきりと感じ取れたのだ。監視者の存在が…それが人かどうかはともかく…
「ふうむ…リンクスのようなサイオニクサーはそんなにいるものなのか?」
セイバーさんは首を傾げる。キンバリー大佐が前に言っていたけれど、魔法が使える人はサイオニクスは使えなくなる。ほとんどの人は便利で効率の良い魔法を覚えるから、サイオニクスはほとんど使える人がいないそうだ。僕は鎖の剣奴にされたとき魔法の能力も奪われてしまったので、代わりにサイオニクスが発現したのだ。サイオニクスはリキュアさんも使えるけれど、彼女の場合は神将として獲得したルーン能力だ。神将は帝国だけの技術だから、今回は話が違う。
ということは普通に考えると、そんな強い力を持つサイオニクサーは、そうそういるはずがない。一体何が起きているんだろう?もしかして僕らの考えているより、サイオニクサーはありふれているのだろうか?
「セイバー、魔法で同じことはできるのか?」
「できないわけじゃない。少なくとも魔法でもテレパシー的な事はできるし、結界の問題を無視すれば効率はもっと良いはずだ。まあ本物のサイオニクスを魔法で作るとなると、かなり難易度は上がるが…」
そういってセイバーさんは腕を組む。言っていることは僕にもわかる。
魔法学の理論では魔法力とサイオニクス力、この二つは位相の違いで本質的には同じものだ…だから効率さえ無視すれば、似たようなことができる。ただ、イックスには魔法力を使った乗り物や工場、家庭用品がいっぱいあるけれど、同じことをサイオニクスでやろうとすると何倍ものエネルギーがいる。あくまで「できる」というだけで実際には使い物にならない。そして逆も同じことなのだ。サイオニクスが得意な分野、たとえばテレパシーみたいなものを魔法力で再現しようとすると、かなり強い力がいる。けれどできないわけじゃない。
「じゃあ魔法による監視の可能性も捨てきれないってことか…」
「今の段階ではまだ何とも言えないが…」
そう言ってセイバーさんは僕の方に向き直り、確認するように聞いた。
「リンクス、結界は周囲にあったのか?」
「…体育倉庫と体育館、それから敷地のフェンスに結界がありました。影響を受けている様子はなかったです」
「…そうか。そうなるとたしかに可能性は高くなるな」
サイコヘッドギアの記録から僕は報告する。僕はあのとき、必要ならエーテル空間へ逃げることも考えていた。だから当然周囲の結界は確認している。体育倉庫や体育館には盗難防止もかねて、魔法の結界がある。学校のフェンスだって役目は同じだ。
サクロニアに限らず、どこの街でも建物は雨風を凌ぐだけでなく、悪意ある霊の侵入や霊的な覗き見から中の人を守る結界も兼ねている。魔法学的には家の役割は結界なのだ。だから倉庫だって立派な結界になっている。
そして霊視みたいな魔法力による監視は、同じ魔法で作られた結界とどうしても相互作用がある。透過できるかもしれないけれど、少なくとも視界は悪くなるはずだ。そうでないとプライバシーや機密なんて守れない。
しかし位相の違うサイオニクスは、一般的な結界の影響を受けにくい。サイオニクスに合わせた結界もあるけれど、普通は必要がないから使われていないのだ。その点だけを考えれば、サイオニクスにも大きなメリットはあることになる。
僕の感じた監視は、体育館や倉庫の壁を透過していた。壁の向こうから監視者の存在が感じられたのだ。やはりサイオニクス系のテレパシーの可能性が高い。
セイバーさんは僕の報告に首をひねる。
「リンクスの見たものが間違いないとしたら、やはり思念波かもしれん…サイオニクサーがいるとまでは断定できないが…」
「魔法でサイオニクスを作れるならそうなるよな」
さっきも話した通り、魔法とサイオニクスは排他関係で、普通はみんな便利な魔法を習得するのだから、よほどのことがない限り強いサイオニクサーは考えにくい。たとえ効率が悪くても、魔法を変換して思念波を生み出していると考えるほうが自然だ。セイバーさんの慎重さはそういうことだ。
だけど僕の中の魔獣も、サイコヘッドギアも、あれが魔法だとは考えていない。霊的な存在に触れたときの感じじゃなく、僕らサイオニクサーを相手にしたときの感覚だったからだ。うまく説明できないけれど、思念に触れた感覚…そうとしか言いようがない。
いや、たとえあれが魔法だったとしても、テレパシーによる思考監視なんてことは、それだけで大きな問題だ。人の心まで監視するなんて恐ろしいことだし、当然違法だ。精神魔法が厳しく制限されていて、一部の高位の魔道士や医者しか許されていないのもそういう理由だ。もちろん僕のテレパシー能力だって危険なものだから、僕はセミーノフさんの保護という形で、情報省の管理下にある。
そんな危険な思考監視が、高校で密かに行われている…そして誰も今まで気が付かなかったのだ。僕の勘違いじゃなければ大変なことだ。僕だけでなくサイコヘッドギアや魔獣も異変を感じているのだから、やはり何かある。
「しかしまあ、よりによって登校初日にこんな厄介な話に巻き込まれなくてもいいようなものだけどな…」
セミーノフさんは半分呆れたように言う。ルンナさんはまたもクスクス笑いながら冗談で返す。
「リンクスくんってやっぱりヒーローなのかしら。トラブルが向こうから飛び込んで来るんだし」
「それヤバイよな。学園バトルマンガの世界だぜ」
そんなことを言われても僕だって困る。ヒーローなんてつもりはないし、トラブルだって得意じゃない。
とはいえ、初の学校初日にいきなりこんなトラブルに巻き込まれるのは、さすがに出来すぎている。まさかと思うけれど、学校ってみんなこんな思考検閲みたいなシステムがあるのだろうか?
「さすがにそんな話は聞いたことがないし、あったら大変だぜ」
「うむ、そんな大掛かりなシステムなら、バレないわけはない。軍でもできないほどの大掛かりなものだぞ」
スパイを一番恐れる国防軍でも、全体をカバーするような思考検閲システムなんて存在しない。そもそも精神魔法は危険だし、繊細すぎて制御が難しいこともあって、簡単な通信程度しか使われていないのだ。そう考えると、あれはあの学校だけの異常な現象、いや事件ということになる。
だけどなぜ、よりによって僕の眼の前にそんなものがぶら下がっているのだろう…偶然にしては出来すぎだ。もしあれが偶然じゃないとすると…
答えは簡単なものだった。
「むむむ、まさか…また奴にやられたのかっ!」
「!」
「セイバー⁈どういうことだ」
驚くセミーノフさんにセイバーさんはため息を付いて答える。
「俺達の認識が間違っていないとして、数少ないはずのサイオニクサーがそんなに都合よく立ちふさがってくるはずはない。もちろんリンクスだから、今まで隠れていたサイオニクサーを見つけてしまうということもあるのだろうが…」
「…」
「おそらくサイオニクスが関わっている騒動に、リンクスは意図的に放り込まれたんだ。あのおっさんの仕業だ!」
「‼」
セイバーさんの一言で僕にもカラクリが理解できた。この話は偶然じゃない…サイオニクスが関係していると思われる事件を調査させるために、僕は意図的にあの学校に送り込まれたのだ。サイオニクス関連の事件はサイオニクサーでないと手が付けられないからだ。
そしてイックス教育省に手を回して僕の通学先を変えることができる人は、一人しかいない…
キンバリー大佐の仕業だ。先日僕らに見せたあのイタズラっぽい笑みはこういうことだったのだ。
セミーノフさんもセイバーさんも、いきなり情報省にハメられたことに頭を抱えた。しかし不思議なことに、僕自身はなんとなくホッとした気分だった。
これから死闘が待ち受けているのかもしれないのに、僕はそれでも心の何処かで喜んでいる…闘うことだけが僕の呪縛を鎮めてくれるからなのだろうか?いや、そうじゃない…学校に通うというテレマコスさんの指示に従っているのだから、鎖は僕を駆り立てたりはしない。
闘うことだけが、僕に居場所を作ってくれるからだ。魂を失った鎖の剣奴で、そして肉体まで改造されてしまった僕は、死人と同じだ。バトルパペットの僕ににとっては、みんなのために闘うことだけが生きている意味なのだ。だから…
* * *
夜遅くなって、ようやく僕は寝ることができた。初めての宿題というやつに、予想外に手こずってしまったからだ。僕の知識はどうしても偏りがあるので、設問の意味がわからないときが結構多い。
(設問2、『私は明日、郵便局にゆくつもりです』を訳しなさい…郵便?郵便って…)
(ソルジャー・リンクス、郵便というのは文書や手荷物を有償で運んでくれるサービスのことです。郵便局という場所で受付してくれます)
こんな感じだ。サイコヘッドギアの人工精霊がしつこいくらい丁寧に説明してくれるから、なんとかなっているけれど、本当に僕は何も知らない。テレマコスさんが僕に学校に通わせたがった理由がよくわかる。
だけど慣れない宿題で、僕はいつも以上に疲れてしまう。これなら一日荷物運びをしたほうが楽なくらいだ。
ともかく無事に宿題が終わって、僕はさすがに横になることにした。
応接間ではセイバーさん達がまだ雑談している。セイバーさんは探偵事務所が家なので、そろそろ帰らないと明日に差し支えがあるはずだけど、話が弾んてなかなかきっかけが掴めないでいるのだろう。帝都にいたここ一年は一緒に住んでいたのだから、今更積もる話というわけじゃないはずなんだけど、みんなイックスに帰ってきてまた話したいネタが増えたようだ。
とはいえ僕は明日があるので先に寝床に入る。
サンドラーさんのお屋敷は立派だけど、一つだけ苦手なことがある…ベッドだ。僕はベッドが苦手なので、今でも相変わらず床に寝る。奴隷調教所にいたときの癖で、柔らかい布団にどうしても慣れないからだ。病院にいるときだけはベッドだけど、カラダが沈み込んでなんだか落ち着かない。床に寝ているところをルンナさんに見つかると、いつも小言を言われてしまうけれど、苦手なことはどうしようもない。
床の上に寝転がると都会の真ん中なのに、ここサンドラーさんの屋敷は静かだ。車の音が小さく聞こえるけれど、セイバーさんの事務所に泊まったときに比べてずっと遠い。敷地が広いから道路から離れているせいだろう。サンドマンバームガーデンは公園みたいなものだから、車はあまり入ってこない。
天井を見つめていると、地面からなにか振動のようなものを感じる。セイバーさんの事務所と違ってここは一階だから、車の走る振動が伝わってくるのだろうか?なんだか少しづつ大きくなっているような気がする。いや、振動じゃなくて音だ…魔道エンジンの音かもしれない。サンドラーさんのクルーザーに乗せてもらったときの音を思い出す。でも、大きくなってくるって…
しばらくすると突然音は止まった。僕はなんとなく気になって身を起こす。
(誰か、来てる)
僕の魔獣が気配を察知している。庭に誰かが来ているのだ。足音は一人だ。革ブーツのような音…少し動いては止まって、しばらく動かない。まるで洞窟探検をしているようだ…恐る恐る慎重に進んでいる。道に迷っているのだろうか…
(あいつ、オレ知ってる…)
(えっ?)
魔獣が僕に指摘した。魔獣の感じている気配が僕にも伝わってくる。緊張して、手に汗をかいていることまでわかる…僕のサイオニクス視界が、侵入者の姿をとらえているのだ。
僕は起き上がった。迎えに出よう…深夜の庭園に忍び込んで、誰かに見つかったら困ったことになるだろう。彼はきっと僕に用事があるのだ…
僕はポンチョを引っ掛けて、こっそり寝室を出ようとした。だけどそれはちょっと手遅れだった。侵入者に気がついていたのは僕だけじゃなかったからだ。
「リンクス、おまえにお客さんだぞ」
寝室を出たところで、セイバーさんが僕を呼び止めた。セイバーさんは玄関口にいて、一人の青年を連れている…いや、連れているんじゃない…首根っこを掴まれているようだ。捕まっているのはジャンクさんだ。
「あっ、ジャンクさん…」
「リンクスぅ〜」
「帰ろうと思って外に出たらバッタリと鉢合わせしてな」
ジャンクさんはジタバタしながら情けない声を出す。セイバーさんは鋼鉄精霊だから、ジャンクさんより二周りはデカい上、体重も桁違いだ。捕まってしまうとそう簡単には逃げられない。
僕は頷いてセイバーさんにジャンクさんを解放してもらった。解放されたジャンクさんは床にどっかとあぐらをかいて、ふてくされたような表情になる。
「せっかくリンクスに会いに来たのに、こんなデカいやつに邪魔されるなんて、ついてねえぜ」
「おいおい、サンドマンバームガーデンは深夜営業してないぞ」
「っていうか、こんな夜更けに他人の家に乗りこんでくるっていうのもなあ…」
ジャンクさんの態度にセイバーさんやセミーノフさんは呆れて苦笑している。ホームセキュリティーに引っかかっていたら、今頃警察が来て大騒ぎになっていただろう…セイバーさんが帰る直前で出くわしたことは運が良かったのだ。
(82「シリアルナンバーがないぞ」②へ続く)