35.「その手で、未来をひらけ … 」
スカール … つまりジーク達とともにドクター・コーネリアスを追って階段を駆け登るクレイは、どういう訳か激しい動悸を覚えていた。タルト達が危ない … クレイですらこの大魔道士スカールがいっしょでなければ … あの奇妙な、そして恐るべき老人を相手にするのは難しいのである。
いや … それだけではなかった。クレイの … さっきの魔神との戦いで本当の意味で目覚めた野獣の直感が、もっと恐ろしい何かを告げていた。だから、今クレイはまるでたてがみが逆立つような、そんな異常な感覚をずっと