プログラミング教育はなぜ必要?【SiEEDのタネ #1】
こんにちは!岡山大学SiEED学生スタッフの坂東です。
SiEEDでは主にホームページ運営や動画編集などに携わっています。また、 プログラミング教室のメンター(サポーター)を務めており、プログラミング教育についても日々学んでいます。
皆さんは、2020年度より全国の小学校で必修化されるのをご存知でしょうか?「プログラミング?そんなの好きな人がやればいいんでしょ。」なんて思っている人も少なくないはず。しかし、実はそうも言ってられない日本の現状があるのです。
そこでこの記事では、なぜプログラミング教育が取り入れられるようになったのか、そして実際にプログミング教育がどのように行われているのかをご紹介します。
1.プログラミング教育はなぜ必要?
では、そもそもなぜプログラミング教育が取り入れられるようになったのでしょうか。
プログラミング教育の普及を推進する官民共同の「未来の学びコンソーシアム」では、以下のように説明されています。
我が国の競争力を左右するのは何か。それは「IT力」です。ヨーロッパでは、「IT力」が、若者が労働市場にハイツために必要不可欠な要素であると認識されています。現に、90%の職業が、少なくとも基礎的なITスキルを必要していると言われており、多くの国や地域が学校教育のカリキュラムの一環としてプログラミングを導入しています。
一方で日本では、2020年までに37万人ものIT人材が不足すると言われています。今後、国際社会において「IT力」をめぐる競争が激化することが予測され、子供の頃から「IT力」を育成して裾野を広げておかなければ勝ち抜くことはできません。そのような思いから、小学校におけるプログラミング教育の必修化は実現されたのです。
(参考)未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて
https://miraino-manabi.jp/assets/data/info/miraino-manabi_leaflet_2018.pdf
…ということでプログラミング教育が必修化されるようになりました。別資料によると、2020年以降も更なるIT人材不足の深刻化が予測されています。他人事だと悠長に眺められる状況では無いようです。
(参考)IT人材不足が深刻化、2030年には78.9万人不足に 経済産業省調べhttps://www.itmedia.co.jp/business/articles/1606/10/news082.html
今日の私たちの生活では、スマホやパソコンのみならずどの分野にもITが関わっています。
例えば自動車。カーナビゲーションシステムにより、知らない場所でも目的地に簡単にたどり着けるようになりました。また、近年は自動運転システムの開発も進んでいます。日本でも各地で実証実験が行われており、実用化は目の前まで迫っています。
(参考)八丈島でMaaS実証実験を実施へ---自動運転バスも活用https://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/1212564.html
今後日本では”Society 5.0”と呼ばれる新たな社会システムの実現を目指しており、ITはますます私たちの生活と密接に関わることになります。このような状況が差し迫っている中で、IT力を高めるのは必須ともいえるでしょう。
(参考)Society 5.0
https://www.gov-online.go.jp/cam/s5/
2.おすすめのプログラミング教材
では、実際にはどのようなプログラミング教材が用いられているのでしょうか。
今回は私がメンターを務めている教室をはじめ、小学校や民間教室で広く用いられている3つの教材を紹介します。
① viscuit
https://www.viscuit.com/
まず紹介するのはviscuitです。viscuit(ビスケット)は、原田康徳氏によって作られたビジュアル言語です。パソコンのディスプレイやタブレットに描いた絵を動かしたり、その絵をつかってゲームやアニメーション等を作ることができます。文字は一切使わず、お絵かき感覚で簡単に使えるのがviscuitの特徴です。自分で描いた絵を「メガネ」という枠にいれるだけ。これでプログラミングができてしまいます。
例えば、絵を変化させたいときは、左右の輪に違う絵を置いたり、移動させたいときは、同じ絵を左右の輪にずらして置いたり。斜め上に動かしたいときは、斜め上にずらして置けばいいだけです。
他の多くの言語の場合、「右に〇歩移動し、上に〇歩移動する。」など、少し複雑なコードを書かないといけません。しかし、Viscuitであれば、自分の描いた絵とメガネだけで簡単にコードが描けるため、子どもたちがコンピュータでやりたいことに集中でき、プログラミングそのものを楽しむことができます。
② SCRATCH
https://scratch.mit.edu/
続いて紹介するのはSCRATCHです。SCRATCH(スクラッチ)は、アメリカ・マサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミング言語です。このSCRATCHでは、画面上のブロックをつなぎ合わせるだけでプログラムを作ることができます。マウスで直感的に操作できるため、キーボード操作に不慣れな子どもでも利用することができます。
例えば、「10歩動かす」「1秒待つ」といった、あらかじめ準備されているブロックを組み合わせてプログラムを作ります。そのプログラムによって画面上のキャラクターが動いたり、音を鳴らしたり、敵を倒したりといった動作をします。少しviscuitでプログラミングに慣れてきた人向けかもしれません。
また、SCRATCHの専用サイトで世界のユーザーに作品を見せたり、改良しあったりすることができるのもSCRATCHの特徴です。世界各国のユーザーがユニークな発想で作品を作っていて、それらをプレイするだけでも楽しいです。(ドラ〇エやスプラ〇ゥーンをつくる猛者も…)色んな作品に刺激を受けながら、創作のアイデアを膨らませることができます。
③ micro:bit
https://microbit.org/ja/guide/
最後に紹介するのはmicro:bitです。micro:bit(マイクロビット)は、教育用の安価で小さなコンピュータです。クレジットカードよりも小さなサイズの基板に、温度センサーや加速度センサー、コンパス、無線通信機能などさまざまな機能が搭載されています。これらの機能を備えているにも関わらず、たったの2000円ほどで購入できます。
例えば、気温が上がったときにアラームを鳴らしてみたり、暗くなったら光るようにしてみたり、他の機械と組み合わせてロボットを作ってみたり。micro:bitで様々なアイデアを形にすることができるようになります。「アニメやゲームを作るだけじゃ物足りない!」という人はぜひ挑戦してみてください。
3.最後に
プログラミング教育に携わっている私の個人的な感想としては、プログラミング教育を通して子どもたちの創造力が伸ばされているように感じます。いくらプログラムの仕組みを理解しても、創りたい物がなければ何も生まれません。「自分は何をつくりたいのか?」「どうしてつくりたいのか?」それらを考えていく過程を踏まえて、子供たちが自分の創造力を伸ばすきっかけになっているように感じます。
「自分は何をつくりたいのか?」「どうしてつくりたいのか?」それらを考えていく過程を踏まえて、子供たちが自分の創造力を伸ばすきっかけになっているように感じます。
今回取り上げた教材はどれも手軽に始められるものばかりです。
ぜひ大人の皆さんも、プログラミングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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