台風の日に出勤させられるのは、嫌われているからではない。
こんにちは、志田レナです。
先日東京にまあまあ大きめの台風7号がやってきました。普段は沖縄方面に向かう台風ですが、今回の台風は関東めがけて一直線に北上していました。そのさまは「何かしら関東に私怨があるな」と全関東民が思ったことでしょう。
しかし一体、関東に何の恨みがあるのでしょうか。東京に住む私は、台風を呼び寄せてしまった理由がこの胸にあるのではないかと思い、胸に手を当てながら考えていると思い当たる点が一つだけありました。
きっとこの前、私が夏だからといって調子に乗り酒を飲みすぎた事をわざわざ台風様が叱りにきたんだわ、と先日の深酒を胸の内で反省し、許してくださるようお祈りしました。
丁寧なお祈りを完遂し、よしこれできっとお怒りは静まり、進路もそれて被害も最小限に収まることでしょう、と完全に油断しきってベットでうとうとしていると、
「志田さん明日出勤できますか?」
と職場の人から連絡があったのです。
その時、神は先日の深酒を全く許していないのだと確信しました。もし許されていれば、こんな仕打ちにはならないはずです。
「台風当日の大荒れの天気の中、出勤しろ」は「お前は何も反省していない、雨風に打たれながら己を省みよ」とほとんど同じ意味です。
しかし、ここで出勤を断ってしまえばさらなる台風被害が増すことは目に見えています。
おそらく台風様は驚異的な風圧で我が家の窓ガラスを木っ端みじんに破壊していくでしょう。
おそれをなした私は、出勤できる旨を報告した後、テレビで台風の進路について気象予報士が語る中「明日晴れろ!」と無理めな祈りを捧げていました。
翌日、突然土砂降りになったりやんだりを繰り返す、誰かの情緒をあらわしているような天気の中、晴れている合間に限りない早歩きで職場に向かいました。
その日の職場のメンツは、もし電車が止まっても大丈夫なように私含め全員家から徒歩勢で固められており「策士がおるな」と心の中の孔明が上司を褒めました。
結局、台風の影響など何事もなく仕事を終えて家でダラダラ過ごしていると、帰ってきた同居人が「ねぇ見てよ!空めっちゃ黄色だよ!まじきもい!」とはしゃいでいるのを横目に私は台風を呼び寄せてしまった、あの時の深酒を反省するばかりなのでした。