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詩「X」

X


風が強かった
煉瓦が赤かった

他愛もない会話、最早空間ごと目的的という異常
この低俗を世界の起源と呼ぶ男もいた
幾人もの夢を肥やしにして
ようやく一輪の花が咲く
与えられるものを与えられるままに
感覚を研ぎ澄まし(或いは知らぬ間に鈍っているのか)
鉄を熱いうちに打つ!
凶暴を諫めるな
その塊だけを見よ
忘却の速度が上がる
飽き果てぬよろこびを噛み締めながら
私は躊躇うことなく世界に背を向けた
小さな死をこそ愛したいから
社会に反比例する力を信じたいから

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