『ドラゴンキャッスルズRPG』について

『ドラゴンキャッスルズRPG』とは?

『ドラゴンキャッスルズRPG』は、アルゴラインズさん開発のTRPGで、2018年にリリースされて以来、現在も進化を続けています。一見するとシンプルなルールに見えますが、その中にオールドスクール的な挑戦性と現代的なデザインの要素が見事に融合しており、初心者からベテランまで幅広いプレイヤーが楽しめるように設計されています。
ルール体系は、『ベーシック』『アドバンス』『レジェンド』に分かれており、ここでは『ベーシック』と『アドバンス』を中心にその魅力を紹介したいと思います。

特徴

シンプルで直感的なルール(ベーシック)
ドラゴンキャッスルズRPG』の判定システムは、サイコロ1個を振り、能力値以下の目を出すという簡潔な方法で進行します。さらに、固定ダメージを採用しているため、戦闘のテンポが向上し、ストレスのないスムーズなプレイが可能です。デザイン面でもゲームバランスが徹底的に検証されており、一見シンプルながら奥深い堅牢なメカニズムを備えています。

冒険回数を基にした成長(ベーシック)
キャラクター成長は冒険回数を基準に管理され、5回の冒険で1レベル上昇するシステムです。冒険回数はセッション回数に依存せず、有意義な経験を積んだかどうかで決まります。『D&D第5版』や『パグマイア』で採用されている「マイルストーン方式」に近い柔軟性があり、新規参加や途中離脱にも対応できる設計となっています。

豊富なクラス(アドバンス)
『アドバンス』では、基本のファイター系、メイジ系、シーフ系を基盤とした33種類のクラスが用意されています。ランダムなクラス決定や、成長後に師匠キャラクターからクラスを「継承」するルールも特徴的です。この仕組みはキャラクターに物語性を付加し、師弟関係を通じた深みのあるプレイを期待させるものだと思います。

戦略性
冒険ごとにアイテムを獲得するルールや、アイテム保有数の制限により、慎重なリソース管理と戦略的な判断がプレイヤーに求められることになります。アイテムデータが充実しているため、装備選択や使用タイミングがゲーム進行に大きな影響を与える重要な要素となってきます。

OSR/NSR的なTRPG

デザイナーサイドでは、意識をしていないのですが、ゲームデザインは、OSR/NSR的です。OSR/NSRというのは、TRPGのプレイスタイルで、OSR(Old School Renaissance)は、クラシックなRPGのシンプルさと挑戦を重視したプレイスタイルを現代に再評価し、復活させたものです。ルールは簡潔で、プレイヤーの創造力や戦略が成功の鍵となり、リソース管理や危険な冒険がゲームの特徴です。キャラクターの困難な状況も楽しむ精神が求められ、GMの裁量が重視されています。この『ドラゴンキャッスルズRPG』は、ルールのシンプルさやリソース管理などの点において非常にOSR的であると言えます。NSR(New School Revolution)は、OSRの範疇に入るプレイスタイルなのですが、純粋なOSRより現代的なデザイン、例えば、物語性の重視などが意識されたものです。DCでは、ところどころに物語性を意識したルールが挿入されており、単なるオールドスクールでない要素も多分に含まれています。

まとめ

『ドラゴンキャッスルズRPG』は、シンプルなルールの中に奥深い戦略性と物語性を秘めた、初心者からベテランまで幅広く楽しめるRPGです。クラシックなTRPGの魅力を受け継ぎつつ、現代的な要素を巧みに融合しており、その魅力は一言では語り尽くせません。今回は、特徴の一部をクローズアップする形でお伝えしましたが、今後は、もっと具体的な内容に触れながら、このTRPGの素晴らしさをご紹介していきたいと思います。

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