vsコンサドーレ札幌
前節鹿島に駆逐され、(恐らく)優勝が非現実化したセレッソ。加えて不動のサイドバック丸橋、クレバーなバックアッパー片山を欠き戦力ダウンしたことは否めない。ここに割って入って来たのはここまでU23を主戦場としてきた丸岡、斧澤の2名。ポジションによって誰が選ばれるかは変わるだろうが、下からの突き上げに期待したい人選だった。そして左SBには、前節の交代と同様に舩木が選ばれた。前節はスクランブル発進で味方との連携に精彩を欠いていたが、今節は2週間の時間があり、舩木の出来が今後の試合を占うと言えるだろう。
【保持】ロティーナの試合後コメントの通り、セレッソは前半25分まで試合の手綱を握って試合展開をできていた。そんな中、3分にはヨニッチのシュートが"桜を枯らしたい男"進藤の手にヒット。体からかなり離れて肩より高い位置にあり、現行ルールでは限りなくハンドに近いと感じたが、ノーホイッスル。やや陰鬱なムードになりかけたが、浦和戦の時の田中亜土夢と同じ立ち位置から柿谷のゴラッソ
早いゴールだったのでまず試合を振り返ったが、今節の左サイドを整理したい。前節は舩木が内側を取るシーンがよくみられたが、今節はワイドに立ち位置を取り、逆に柿谷が内側の位置をとっていた。特に柿谷は立ち位置がかなり整理されたようで、相手のポジション間で受ける位置取りが大幅に改善されていた。札幌の選手を三角形で結ぶと大外はWBが一枚だけなので、必然的に空きやすかった。一方で前で受ける選手の枚数が減り、先制したこともあって舩木はリスクを取って前にパスをつけるよりも安全に後ろへのパスが増えていた
一方、ボール保持を続けるセレッソに対して札幌は積極的な前プレをしかけてきた。ただ鈴木武蔵1人ならCB2枚で、もう1人追加して2枚で来たら、松田を下げて数的優位を作り出し、セレッソはしっかりと回避。今回、福森に奪われたらそこから一発で逆サイドまで鋭く展開される恐れがあったからなのか、ヨニッチは福森の奥に蹴らず、中央のメンデスや下がってきた奥埜を意図的に狙っているようだった。もしくは松田経由でボランチ→左サイド。意図的に福森側へ1発蹴り込んだのは、18分の木本→松田のロングキックだろうか。ここはトラップミスとなって残念ではあるが、可能性を感じた展開だった。元々キックの上手かった木本だが、瀬古とポジション争いすることで良い競争環境が出来てるのかな、と感じた。またパンチ力、展開力が1番あるソウザの受けに入るタイミングもかなり早くなっていたが、やはり時折チームが停滞していた。ここはさらなる改善余地があると考えている
【非保持】札幌のビルドアップは深井のサリーダ&FW、IHのボックスの中央のボランチ(宮澤、中野)経由を狙っていた。
こうすることで1つ1つ壁を越えて来ようという意図を感じた。ただここにはサリーダしている分1枚しかいないので、セレッソのFWが下がって絞る、IHが絞るの2つで対応できていた。特に宮澤はそこまで機敏なタイプではないのか、受けてもボールを下げるを繰り返していた。ここが脅威になったのは宮澤が負傷交代し、素早いターン、ドリブルができる中野がボランチに下がった25分だった。特に25分のカウンター&FKは札幌がペースを引き戻すキッカケになった。そこからボールをスムーズに前に運べるようになり、A・ロペスがハーフスペース、ボランチ脇で受ける回数が増えてくる。
A・ロペスの立ち位置はボランチ、舩木、CBの誰もが付きにくい中間ポジションを取っていたため、セレッソの認知、判断の遅れが何度も生じた。左利きということもあり、セレッソ守備陣に体を預けてボールを遠くに置いて時間を作りながら、左サイドへ展開できるのは特に厄介だった。ロティーナが開幕戦で舩木を右サイドに置いたのはそういう意図があったのだろう、と今さらながら思うし、ここにロッベンやメッシがいるのは反則だな、と改めて感じた。さて話を戻して、元々セレッソはSBが中央に絞る。そのため、A・ロペスからワイドに幅を取る菅へは割と簡単にボールが届けられる。そこで菅が取れる選択肢は2つ。優先順位が高いのはそのままセンタリング、だめなら福森に下げて中へセンタリング、逆サイドに展開して白井が仕掛ける。これだけ揺さぶられるのは福森のライナー性のキックがあってこそだし、札幌の両WBはそれだけ揺さぶって余裕ができれば、クロスを上げるのは簡単だっただろう。何度も凌いでCKになる展開が続いた。節鹿島戦や前回の札幌戦でもCKから失点していたから、CKに持ち込まれる展開は非常にハラハラした。ジンヒョンが積極的に出て、ミスなくしっかり守れていたがいつ決壊してもおかしくなかったと思う。福森のFKをナイスセーブで止めたこともあり、今節のMVPは柿谷ではなくジンヒョンにあげたい
かなり守勢に回ったもののなんとか水際で防ぐ展開だったが、改めて水沼のキャプテンシーには触れておきたい。何度も水沼の声がマイクに拾われていたが、本当にチームを鼓舞してるのが伝わってくる。40分に陸がミスした時にもすごく声かけしてたし、セレッソには数少ないタイプだからこそ本当に感謝したい
【感想】プレビューでは左サイドが舩木、柿谷、ソウザの守備がどこまで耐えられるか?と書かれていた。早いタイミングで先制したこともあったし、中の選手達がクリアし続けられたこともあったが、まずは札幌の揺さぶってくる強い右サイドの攻撃を凌ぐことができたことは大きかった。特に舩木はヘディングやドリブルでも負けなかったことでSBとしてJ1で通用することは明らかだと思う。これまでは調子の波もあったが、次の試合でもそつなくこなせるよう柿谷や木本のサポートを受けて伸び伸びとやってほしい。丸橋頼みの左サイドバックをそろそろ脅かすべく、次節の舩木にも期待している
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