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vs名古屋グランパス プレビュー

今日の名古屋戦に向けて再開直後の清水戦、ガンバ戦を観戦した。ふと見ると「リヴァプールモデル?」と思わせる試合構築をしていた。「いや、まさかフィッカデンティがリヴァプールは違うでしょ」と思ってTwitterで「リヴァプール フィッカデンティ」で調べると出てくるではないか。名古屋サポの「何言ってんの?」、「無理だよ」、「もうグランパスは見ない。本家リヴァプールだけ見る」と言った罵詈雑言が。だが、グランパスをよく観ていない僕ですらチームコンセプトに気づくということはかなり精度が高いと言える。(正直に言うとエスパルスのコンセプトはマリノスと程遠かった)前節でガンバに最後のパワープレーで追いつかれたとは言え、実際に結果も出しているのが今の名古屋。しかも金崎、ランゲラックがコロナに感染してチームの活動期間が他のチームより短いにも関わらず、である。このことからも戦術大好きイタリア人らしくしっかり作り込んでる様子が垣間見える(以下フットボリスタ記事)https://www.footballista.jp/special/68653

ざっくりと名古屋のビルドアップを図示する(スタメンは予想)と、セレッソの2トップに対して稲垣がCBの横に落ちることからスタート。ここから成瀬が幅を取って押し上げ、マテウスが内側に入る。この仕組みはリヴァプールそのもの。ヘンダーソン=稲垣、アレクサンダー・アーノルド=成瀬、サラー=マテウス(or前田)の役割である。個々の能力を比べても仕方ないが、個人の特徴は概ね類似していると言えるだろう。これは左サイドでも同じである。違うとすれば、よりマテウスのほうが中に入り、相馬は小柄さと縦への推進力で幅を取る役割を担っていた。この左サイドで内側のレーンに入ってきてフォローするのが阿部の役割である

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逆に相手の1トップがプレスに来た場合は、稲垣はCBに落ちず、2CBが運んで両SBを押し上げていた。

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ガンバ戦では稲垣がこのタクトを振るっており、獲得した即戦力がいかに重要なパーツであるかわかる。後ろで数的優位を作ってビルドアップをしたあとは、サイドの個人の能力で前へ素早く進むのが名古屋の特徴。でもここを止められても、シミッチ、稲垣、阿部という正確無比なロングキックを蹴れる選手がいる。サイドがダメなら逆サイドへ展開というルールもまたリヴァプールと同じである。

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このように名古屋は幅を取って後ろから押し上げ、サイドは個の能力で圧倒し、最後はハーフスペースを取った上でFW、トップ下、逆サイドの選手が一気に中へ侵入してくる。清水戦の相馬、OGもその形で取ることができていた。ちなみに今回は金崎の1トップを予想する。金崎はボールを収めることも裏に抜けることも高さで競り勝つこともできる万能型FWだ。リヴァプールのフィルミーノは替えが効かないと言われる稀有なFWだが、日本人で一番フィルミーノに似ている選手は?と聞かれたら金崎かもしれない。そのため大型FWジョーの離脱は得点源という点でマイナス影響は大きいものの、チームコンセプトの昇華という意味では大した影響を与えていない印象を受けている。

次に守備コンセプトだが、これまたリヴァプールのゲーゲンプレスを模倣しており、奪われたら即時奪回する。特に守備が苦手と言われていたマテウスすらその意識を叩き込まれているようで、あのスピードで即時奪回に来るのだからたまったものじゃない。そのためビルドアップがズレてひっかけられとすぐさま局面をひっくり返してくる。ガンバ戦の2点目はまさにこの形だった。そこを突破されても両SBは前に強く、どんどん出て潰しに来るし、稲垣(米本)もカバー範囲はかなり広い。ガンバ戦ではターンオーバーの影響なのかシミッチではなく米本だったためボランチのカバー範囲はリーグ随一と言っても過言ではなかった。かと言って必ず前に出るわけではなく、前に取りに行けない4ー4のブロックをしっかり作る。しかもかなり圧縮されており、掻い潜るのは相当ハードルが高い。エスパルス戦はひっかけられてカウンター、ガンバ戦はFKのスクランブルとパトリックのパワープレーでやられたのみであり、完全に崩されての失点は喫してない。とても強固である。

さてこのような強力な名古屋に弱点はないのか、と言うとそんなことは全くない。そもそもセレッソの圧縮守備に対してどのチームもまだ攻略法を見出していないのが現状だ。昨季の後半からほとんど失点しなくなったセレッソが失点したケースのうち、ぱっと思い浮かぶ"崩されたシーン"はホームの大阪ダービーの失点くらいである。あとはCK、ビルドアップミスを引っかけられての逆襲がほとんど。CKはスクランブルが起こるのでシーズン数失点は仕方なく、ビルドアップミスも今のサッカーをしていたら起こりうる。守備においては吉田、成瀬の両SBが前に出てくるので、セレッソはその裏のスペースを取りやすい。しかも5バックではなく4バックなので、CBは2枚と手薄になっている。引き出すことができれば、中がさらに弱まるだろう。今日も勝って開幕4連勝、首位キープと行きたい!

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