【ドナルドダック誕生日】90年目のヒミツの物語
1934年6月9日。
大恐慌の真っただ中にいたアメリカ。
人々の心は閉ざされ、
希望を見失い始めていた。
そんな暗闇の中、
一羽のアヒルが、
小さな光と共に誕生した。
彼の名は、ドナルドダック。
物語は
ウォルト・ディズニーが、
ロサンゼルスのある公園で、
スケッチブックを片手に
たたずむ青年と
出会ったことから始まる。
若き才能とウォルト・ディズニーの出会い
若き日のアニメーター、
ディック・ランディーは、
ディズニー・スタジオで働くことを
夢見ていた。
勇気を振り絞り、
自作のスケッチを手に
スタジオの門を叩いたものの、
冷たく追い返されてしまう。
落胆の中…
トボトボと歩くランディー。
彼の目に飛び込んできたのは、
公園の池で陽気に遊ぶ
アヒルたちの姿だった。
その愛らしい仕草、
ユーモラスな表情に、
心を奪われ、
夢中でスケッチを始めた。
そこで
運命の出会いが訪れる。
「ほう、面白いアヒルだね。君が描いたのかい?」
優しい声とともに、
ランディーの隣に腰を下ろしたのは
憧れのウォルト・ディズニーだった。
ドナルドダック誕生の瞬間
ランディーの絵に
光る才能を感じ取った
ウォルトは声をかけた。
「ちょっとアヒルの絵を描いてみないかい?」
この一言が、
ディズニーの新作映画
『かしこいメンドリ』に登場する
新キャラクターの
アヒル誕生のきっかけとなった。
ランディーは、
あの日公園で出会ったアヒルをモデルに、
水兵の服を着た、ちょっと怒りっぽいけど
憎めないアヒルを描き上げる。
ドナルドダック誕生の瞬間だ。
スター街道を駆け上るドナルドダック
1934年6月9日、
『かしこいメンドリ』が公開されると、
ドナルドは脇役ながらも
またたくまに観客の心を掴む。
そのコミカルな動きと、
独特の声でたちまち人気を博し、
子供たちのアイドルとなったのだ。
そして3年後、
ドナルドは『ドナルドとペンギン』で、
主役の座を射止める。
戦争に翻弄されたドナルド
順風満帆に見えた
ドナルドの人生に
暗い影が忍び寄る。
第二次世界大戦の勃発だ。
戦時中、ドナルドは
アメリカ軍の象徴として、
多くのプロパガンダ映画に出演することに。
ナチスと戦う勇敢な兵士として、
時には物資不足に苦しむ国民として、
戦意高揚のために奔走させられた。
戦争という
暗い時代に翻弄されながらも、
ドナルドは持ち前の明るさとユーモアで、
人々に笑顔と勇気を届け続けた。
デイジーダックとの出会いで輝きを取り戻すドナルド
終戦後、ドナルドは
ようやく平穏を取り戻す。
1950年代、テレビの普及と共に、
ドナルドは新たな黄金期を迎える。
テレビ番組『ミッキーマウス・クラブ』で、
ピンクのリボンをつけた、
チャーミングなアヒル、
デイジーダックと出会うのだ。
ドナルドはデイジーに一目惚れ。
彼女の明るさと優しさは、
ドナルドの心をなごませ、
2人の恋は世界中の人々を虜に。
しかし、
ドナルドの短気は相変わらずで、
デイジーを困らせることもしばしば。
デイジーは、
そんなドナルドを優しく包み込む。
ドタバタ劇を繰り広げながらも、
深い愛情で結ばれたふたりの姿は、
多くのファンを魅了し続けた。
ウォルト・ディズニーとの別れ
1966年12月15日、
ディズニーの父、ウォルト・ディズニーが
この世を去った。享年65歳。
世界中が悲しみに暮れる中、
ドナルドもまた、深い悲しみに沈む。
ウォルトの死後も
作品に登場し続けた
ドナルドダック。
やがて彼は…
ビッグ3と呼ばれる
人気キャラクターに成長する。
ビッグ3とは
・ミッキーマウス
・ミニーマウス
・我らが、ドナルドダック
世界中に笑いと感動を届け、
彼は不滅のスターとなった。
今日、6/9は
ドナルドダックの誕生日。
90年の間。
ドナルドは世界大戦、経済危機、
ウォルトの死…、
さまざまな困難を乗り越えてきた。
いまも持ち前の明るさとユーモアで、
世界中の人々に笑顔と勇気を届け続けている。
ドナルドの物語は、
私たちに大切なことを教えてくれる。
どんなに辛い時でも、
笑顔とユーモアを忘れずにいれば、
きっと明るい未来が開けるということを。
Happy Birthday, Donald!
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