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【完全攻略】昇進・昇格試験対策って何をすればいいの?合格までのロードマップを解説
昇進・昇格試験を受けるにあたって、何をすればいいのか?何に備えればいいのか?
この記事は、受験資格に達したけど、実際に何をすればいいのか分からない方、効率よく試験対策したいと考えている方を対象に書いています。
昇進・昇格試験も高校・大学の入試と同じで、取り組むべき順序がありますが、この順序は誰も教えてくれません。
全体像を把握しないままに、いきなり過去問に取り組んでも、遠回りするだけです。
まず、昇進試験を受けるにあたって、試験の特性を理解したうえで、準備に取り掛かりましょう。
昇進・昇格試験の特性
①試験前に、昇進させる対象者がほぼ決まっている
志望動機とこれまでの人事評価で、昇進させたい人材の順位がほぼできています。
昇進試験は、あくまで最終チェックの試験なのです。表向きは、試験結果の割合が高くても、合否に影響するのは、
②人事評価(勤務評価)>昇進試験の得点結果
仮に、人事評価が高くないのであれば、そちらを高める方が昇進の近道です。
③昇進試験は短期決戦
勉強すれば勉強するほど合格率がアップする試験ではないです。1~2カ月、効率よくキッチリ備えれば合格圏内に到達します。
④受験回数が増えると不利(多浪は受からない)
組織は、成果を上げた人、その職位に対する資質を持っている人を早く昇進させたいと考えています。大学受験と異なり、多浪は、不利にしかなりません。
悪くても2回目で試験にパスできないと、それ以降は受けても恐らく合格しません。
組織によっては、チャレンジ加算というものもありますが、『試験に落とす=その時点で昇進させたい人材ではなかった。』という評価が確定しているということを忘れてはいけません。
トータルで考えると、『受験回数〇回目』という実績と年齢によって、チャレンジ加算は相殺どころか、評価がマイナスされます。
今、このページをご覧になっている方の大部分の方が、受験1~2回目の方だと思います。
逆にそれ以上の複数回受験の方は、昇進・昇格試験の対策を頑張るだけでは、恐らく受かりません。
勤務評定をあげてから、再チャレンジすることをおススメします。
【STEP1】受験資格をチェックしておく
昇進・昇格試験の資格要件ですが、意外と頻繁に見直しがなされます。
必ず、受験資格と試験内容は、チェックしておきましょう(特に、在籍年数や年齢要件は頻繁に見直されるので注意しておきましょう)。
社内の掲示板等にオープンな情報として共有されているはずです。
もしあなたが、受験資格を満たしている場合、あなたの直属の上司が伝えてくれると思いますが、その場合、出願ギリギリであることが多いです(上司はあなたが、自分の受験資格有無を、知っていると思って行動しているので)。
なお、要件がこまめに見直される理由は、昇進・昇格試験とは、組織に必要資質を有している人材が、将来その力を発揮できるよう、ポストを割り当てておくための試験だからです。
当然、ポストが少なければ、受験資格の要件をキツくして、母数である受験者の数を減らそうとします(年齢要件がコロコロかわるのは、このためです)。
【STEP2】自分は、本当に昇進したいのか?その答えを出す
今さらですが、昇進・昇格試験に合格することはゴールではなく、スタートです。
あなたが目指す職位で本当にやりたいことがあるのか?
その職位に魅力を感じているのか?ハードタスクに耐えられるのか?
自分の正直な気持ちを再度確認する必要があります。
特に管理職を希望する場合は、この本質的な部分を自分の中で消化しておかないと、面接試験や筆記試験で一貫した答えが出せなくなってしまうため、きっちり時間をかけて取り組むべき部分です。
昇進すべきタイミングを測る1つのシグナルですが、あなたの直属の上司の仕事のやり方をみて、『自分だったら、こうするなぁ』、『指摘するほどでもないけど、このやり方は好きじゃない』といった気持ちが湧いてきたなら、昇進・昇格試験を受験すべきタイミングです。
ちなみに、管理職の場合、その役割は「チームを使って成果を出す」の一点に集約されます。
マネジメントも、利害調整能力も、人材育成も「他人を使って・チームを使って成果を出す」ためにやっているにすぎません。
管理職試験を検討している方は、なぜ管理職になりたいか、あたらめて自分と向き合ってみてください。
【STEP3】過去問を入手する。分析する。
次のステップは、『過去問をできるだけ、たくさん入手して、その傾向を分析する。』です。
前述した、社内の掲示板にアップロードされているような、試験問題の情報も必要ですが、人づてで手に入る面接試験の内容が重要です。(過去にどんな内容で質問がなされたか?)
直属の上司や、自分より先に昇進した同期にお願いして、出来るだけ集めましょう。
結局、昇進試験は情報戦なので、たくさん情報があれば、準備を効率的に進められます。
選択記述式が課される場合は、過去問を集めて、その傾向をしっかり分析してください。
どの分野のどの問題が出ているのか、どんな傾向があるのかが把握できれば、出題率の低い分野は勉強しないという戦略を立てることができます。
選択式の配点は低いことが多く、満点を取ろうと学習することは、時間的なコスパがわるいのです。
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【STEP4】志望動機・自己PRを作成する
ここまで来たら、ようやく志望動機を自分のコトバで書き始めましょう。
志望動機は、面接時に試験官が熟読し、その内容に沿った質問をするケースが多いため、いい加減な志望動機を提出すると、後を引きます。
もし、昇進試験に面接がないとしても、自分がどのようなスキルを持っているのか、その職位に昇進すれば、どのような成果が生み出せるのかをしっかり記入して、他の志望者と差別化する事が大切です。
採点する側(経営層)の記憶に残らないと、昇進できません。
【STEP5】頻出のテーマ・時事キーワードを押さえておく
志望動機が完成したら、個々の試験対策を実施します。
時事的な用語、昇進試験で良く聞かれるであろう、マネジメントに関するキーワードを理解しておくことから始めましょう。
過去問が提示されているようなら、しっかり分析し、頻出分野だけ押さえましょう。
繰り返しになりますが、筆記試験の配点は小さいケースが多いため、時間的に余裕がない場合この分野は飛ばして構いません(捨ててしまいましょう)。
筆記試験、面接試験、論文試験etc.etc、組織によって課される試験内容が異なると思いますが、大切なことは、どんな試験内容であっても、志望動機の軸からは、絶対にズレてはいけないということです。
もし、あなたの上司が、方針をコロコロ変える人だったらどうですか?困りますよね。
組織が、一貫性のない人間を昇進させることはありません。
【STEP6】管理職への昇進試験の参考書をさらっておく
マネジメントを中心とした管理職業務とは何かを知りたい場合
管理職試験への準備でまず最初に必要なことは、「管理職の仕事とは何なのか」を具体的な業務レベルで理解しておく必要があります。
なぜなら、この「管理職の仕事とは何なのか」は、面接・小論・プレゼンなど昇進試験のあらゆる場面で何度も繰り返し問われることになるからです。
身近にロールモデルになるような上司がいる場合は、その上司が何を考え、どう行動しているかを実地から学びましょう。
もし、そのような上司が身近にいないのならば、書籍から学んで、自分の中の管理職像を固めるしかありません。
以下の書籍がおススメです。
昇進試験に特化した、小論文の書き方・ルールを学びたい場合
『小論文の書き方が分かりやすく・具体的に書かれているか』、
『昇進に関する模範解答がたくさん掲載されているか』で分類・評価しました。
文章力を高めたいのか、模範解答(例題)を知りたいのか、ご自身の用途にあった参考書を活用していただけたら。
小論文の頻出テーマは?
小論文における頻出テーマですが、圧倒的に『課題と対策』になります。
リーダー職(主任、係長)への昇進試験であれば、実務を担う人間として、業務レベルの課題と対策が問われているようです。
管理職(課長、部長)であれば部署や会社のビジョンを担う人間として、事業レベルで論じることが求められます。
【STEP7-個別対策】小論文の頻出分野を押さえて、実際に書いてみる
繰り返しますが、管理職の昇進試験は、限りあるポストを誰に割り当てるかを決めるための試験です。
絶対評価ではなく相対評価で昇進する・しないが決まります。
試験の本質を考えると、小論文の試験内容は、『志望者を一律の基準で評価ができるようなテーマ』が設定されるという答えにたどり着きます。
つまり、誰かが有利・不利になるようなテーマではなく、どんな部署にも当てはまるような、テーマしか基本は出てきません。
(エンジニアの方の場合は、例外として、複数ある専門用語の中から自分でテーマを選択して論じるパターンもありますが、レアケースです。)
小論文の書き方や頻出するテーマをまずは押さえましょう。
【STEP8-個別対策】面接試験に備えて、自分専用のQ&A集を作成する
面接試験を受けるにあたって、大切なことは『厳選された自分だけのQ&A』を作成し、プレッシャーのかかった場面でもスラスラ言えるように『完璧に暗記』することです。
管理職試験の面接で聞かれる質問は、あなたが組織の目標達成に本当に寄与できるのか?という観点からおこなわれるので、ほぼ決まっています。
なので、完璧な想定問答集ができれば、恐れることはありません。
参考記事にQ&A集を掲載しているので参考にしてください。
少しカスタマイズすれば、あなたの組織でも充分通用すると思います。
もしも、昇進・昇格試験に落ちてしまったら
昇進・昇格試験に、もし落ちてしまったら・・・。
考えたくはないかと思いますが、目指しているポジションによっては、大半の志望者は落とされる厳しい試験です。
漫然と、同じような学習を継続しても、次年度試験にパスすることは不可能です。
不合格になる要因は、複数あって、自分がなぜ落ちたのかしっかり分析してから再受験をしないと、なかなか合格することは難しいと思われます。
最後に、時間が全くなくて、全部には手が回らないという方にアドバイスを。
昇進試験は短期決戦で、合格点に到達すればよい試験です。
100点を目指す必要はない試験です。
まずは、志望動機に時間をかけてください。その次に、一番配点の大きい分野だけを勉強してください。その他の分野は捨てる覚悟を持ちましょう。
中でも志望動機は、昇進・昇格試験の根幹です。この部分の良し悪しが、他の分野の点数に大きく影響します。
みなさんの試験が上手くいくことを祈っています。