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解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)| どのようにリーダシップを発揮するのか?
リーダーシップとは何か?ビジネス文書や自己啓発書で、よく出てくるキーワードですが、ぼんやりと理解していて、しっかり理解できている人は少ないのではないでしょうか?
私自身も、管理職試験で学び直しするまで『難しい案件に率先して取り組み、部下に背中を見せる』といった昭和なイメージしかありませんでした。
リーダーシップとマネジメントとを混同して、理解しがちなので注意してください。
両者は全くの別物です。
わかりやすく言えば、リーダーシップが既存の事業を破壊し、新しく事業を起こすためのスキル、マネジメントは既存事業を上手く回すためのスキルなので全くの別物です。
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管理職は、時と場合によってリーダーシップとマネジメントを使い分けないといけません。これが難しい。リーダーシップとマネジメントは、相反する思考形態だからです。
つまり、リーダーシップが強い人は、マネジメントが弱く、マネジメントが強い人は、リーダーシップが弱い傾向にあるということです。
今回は、昇進試験でも頻出テーマであるリーダーシップについて、小論文の書き方と、参考文例をお示ししたいと思います。
小論文作成の準備|キーワードの洗い出し
地に足の着いた具体的な小論文とするため、必要なキーワードの洗い出しから開始します。
以下は、私が考える「リーダーシップ」に関するキーワードです。みなさんも余力があれば自分の手を動かして考てください。
① 言葉の定義を必ず調べる
リーダーシップですが、国や公的機関のHPでは、明確な定義はありませんでしたが、様々なビジネスサイトでおおむね以下のとおり定義されています。
リーダーシップの定義
・リーダーシップは、節目ごとでの「創造的破壊」を使命とする
・リーダーシップは、未来(ビジョン)に目を向け、行動していくこと
引用:EARTHSHIP CONSULTING
要約すると「リーダーシップ」=「事業のスクラップアンドビルドが得意」といった所でしょうか?
② 理想の状態をイメージする
チーム全体に迷いがない、進むべき方向・目標が共有されている
進むべき方向・目標に対する手段が明確化されている
チームメンバーのモチベーションが高い(方向性や手段が示されているから)
リーダーシップを発揮している人間は、ビジネス環境の変化を敏感に感じ取る。視野が広く、どこに需要があるか?を見つけることができる
迅速に動ける、柔軟性のある組織
最適なタイミングで、最適な決断がなされる組織(リーダーに決断力がある)
③ 現実をイメージする
ビジョンが不明確で、何をどう進めていいのかわからない
スクラップアンドビルドが適切に行われていない。新規事業をやる場合は、既存事業にプラスの形になり、チームに過度の負担が生じる
大企業病、動かないし・動けない、失敗ができない・失敗が怖いという組織マインド
評価が減点方式
チャレンジという行為が評価されない。行動が評価されない
事業を始める事は評価されるが、やめることは、全く評価されない
管理職が適切に判断できない、現場の情報がキッチリ管理職に集約されないから
④ 余力があれば、マイナス要因も考えておく
リーダーシップが強いリーダーの下で育った係員は、リーダー依存症になるリスクがある。
リーダーを盲目的に信頼するチームになるリスクがある。
リーダーが優秀であればあるほど、優秀な人材が生まれにくくなるのでは?
リーダーシップとマネジメントは事業を進める上での両輪となるスキルなので、バランスが大切。片一方だけではダメ。
⑤ 具体的な解決方法をイメージする。
どうすれば、リーダーシップを発揮するのか?
経営戦略を、小さなto doリストに落とし込み、チーム員が何をすればよいのか?どこに行けばいいのかをイメージできる形にまで持っていく。チーム全体で方針に基づいた行動を。
敏感なアンテナ。情報を適切に吸い上げる仕組みを。現場担当が持った違和感をキッチリ管理職まで吸い上げなければ、決断をできない。
変革が生まれる土壌づくり。
成果を評価するだけでなく、行動(チャレンジ)を評価するしくみを。
小論文 解答例文
小論文を作成するにあたっての論理構成
作成するにあたっては、先ほど準備した①~⑤の材料を組み合わせて、論理的な文章を構築します。論理展開としては以下の順番がおススメです。
用語の定義(今回はワークライフバランスとは)
現状(どんな課題があるか)
理想
その為に何をするのか
解答例文 リーダーシップをどのように発揮するのか?
リーダーシップについては、様々な表現で解釈されているため、本論文ではその定義を以下のとおりとする。
リーダーシップとは
1.新しい事業をつくる力(ビジョンに向けて、チームを動かす)
2.既存事業を破壊する力
この定義に沿って、リーダーシップを発揮して対処すべき課題とその具体的な対応策について論じていきたい。
1.対処すべき課題
リーダーシップを発揮して対処すべき課題は、以下の3点に集約されると考えている。
(1)ビジョンを実現するため、どのように行動すればいいか?チーム員の認識がバラバラ。
(2)ビジョンを実行するための適切な人員配置ができていない。
(3)ビジョンを実施するにあたって、現場から適切な情報があがってこないから、管理職が判断ができない。
2.具体的な対策について
管理職として、この3つの課題へどう対応できるのか?具体的な対応策を挙げる。
(1)経営戦略に基づく、ビジョンの共有と行動(to doリスト)の共有
経営戦略に基づき、チームを動かすためには、チーム全員が、今自分たちはどの位置にあって、何をしなければならないかを共有しておく必要がある。
そのためには、社の経営戦略から自身の部署に関連する部分を引用し、今、チームに何が求められているかを、管理職自身のコトバで伝えなければならないと考える。
また、チームには、経験豊富なベテランから入社2~3年の若手もおり、経験値は、個人によって様々である。
そのため、ビジョンに基づいた適切な行動を促すには、実際の作業を洗い出したto doリストの案を管理職が作成た後、各チーム員の意見を吸い上げて、完成させる必要がある。
これらの取り組みをもって、ビジョンの実現に向けた、具体的目標とそのための行動を共有することができる。
(2)to do リストを遂行するための適切な人員配置
to doリストを確実に遂行するために、洗い出した作業に対して、最適な人材を配置する必要がある。
まずは、to doを進める上でどのようなスキルが求められるのか、チーム員は何が得意で何が不得意なのかをしっかり理解し、適材適所に配慮した、役割分担を実施する。
次に、それぞれの作業(to do)をスケジュールに落とし込んでみて、作業が集中する時期と、そうでない時期を事前に把握しておく。
スムーズな事業展開の実現には、作業が集中する時期に、より多くの人材を割けるような体制が必要である。例えば年度途中でも柔軟に配置換えをする・バックアップ体制を明確にしておくなど。
(3)現場情報を吸い上げる仕組みづくり
管理職がリーダーシップを発揮し、適切にビジョンを遂行するには、判断に必要な情報が適切なタイミングで、管理職に集約されなければならない。
ここでいう、判断に必要な情報とは、例えば『エンドユーザーの購買傾向の変化』、『法改正(新たな規制の影響)の動向』、『競争相手先企業の動向』などの、詳細な情報である。
これらの情報は現場の担当者が一番把握しているはずだが、担当者は今自分が担当している実務(プロジェクトなど)に集中しているため、将来的に影響を与えるかもしれない、それらの情報の価値を軽視しがちである。
管理職として、まずは、月1回のミーティングを開催して担当者から、判断に必要な情報を吸い上げることに注力し、次の段階として、担当者から管理職への報告すべき情報の基準を一定示したうえで、情報が管理職に集約されるような『しくみ』を整理することに取り組むべき必要があると考えている。
以上の3つの取り組みを通して、リーダーシップを発揮していきたい。
約1,400文字
その他テーマの解答例文が気になる方はこちらのリンクからどうぞ
まとめ
学校のテストとは異なり、昇進・昇格試験は、その勉強方法や手順を誰も教えてくれません。
職場の親切な上司や先輩に聞けば、ふわっとしたアドバイスをくれると思いますが、注意してください。
その方法は、その上司や先輩が『たまたまうまくいった方法』に過ぎません。鵜呑みにすると、失敗します。
少なくとも、タイムロスをすることになります。
多くの人は、昇格試験・昇進試験に合格するための学習プランをメソッド(手順)として確立できるほど、多くの受験経験は有していません。
加えて、受験者である『あなた』と『その上司・先輩』は、経験もスキルも違うので、同じ学習計画をたてても、結局、うまくいきません。
合格するために必要なのは、『合格までのロードマップ』には、何があって、自分が何を対策しなければならないかを、把握することです。
昇格・昇進試験に、志望動機の提出や筆記試験(択一式)、面接なども課されていて、何をやったら良いか、よくわからないという方向けに昇進・昇格試験全体のロードマップに関する記事も用意したいとおもっています。
みなさんの試験が上手くいくことを祈っています。