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【SIB副業事情/第2回】パラレルキャリアは楽しい!“複業”のススメ

皆さん、こんにちは!資生堂インタラクティブビューティー(SIB)の大井です。IT本部でR&Dや商品開発、コンシューマセンターのIT構築やDX推進を担当しています。
これまでnoteでは、主にFOCUS(グローバルSAP/S4導入プロジェクト)など、IT本部の活動について紹介してきました。
今回は打って変わって、私自身の副業活動についてお話いたします。

SIBには副業制度があり、私もその制度を活用しています。副業は社外へアンテナが張られることで視野も広がり、本業にも生かせるものと感じています。私は会社の活動と社外の活動を並行して行うことを「複業」=「パラレルキャリア」と称しています。この本稿でその面白さを少しでも感じていただければと思います。

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複業?副業?パラレルキャリア?

業」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。副業の間違いじゃないの??と思う方も多いのではないでしょうか?実は、この言葉は私が作ったものでは決してなく、最近一般的になっています。

副業と複業、語感は似ていますが、実は異なる概念です。副業は本業とは別に単純に収入目的で働く考え方です。一方複業は、複数の仕事を同時に本業として取り組む働き方のことです。英語では「パラレルキャリア」ともいい、かのピーター・ドラッカーが提唱した考え方です(出典:下記リンク)。ドラッカーは『これからの社会に求められる人間のタイプは、自分に責任を持ち、特定の組織に依存しない人たちだ。そして、自分のキャリアは自分で決める人たちだ』と述べています。

パラレルキャリア=複業とは、収入面に限らず、自身の成長,社会貢献など、個人が複数の軸を持って自律的に働くスタイルと言えます。自分自身がやりたいことを全て本業と捉える働き方とも言い換えられるかもしれません。この働き方は、社外で得た新しい人脈やスキル、知識、経験を本業に生かし、本業に対して新たな社会的意味や価値を見出して、仕事と生活の好循環を生み出す働き方として注目されています。何かワクワクしてきませんか?

会社のスキルは社外でも生かせる!

副業/複業とは少し話が離れますが、仕事のスキルを会社以外のことに生かす機会は意外にたくさんあります。私が会社のスキルを社外でも生かせると知ったのは、プロボノでした。きっかけは10年前、当時の勤務先でCSR活動の一環として開催されたプロボノ推進団体の講演です。「大人の社会科見学」というキャッチフレーズがとても印象的だったのを覚えています。

プロボノとは、各分野の専門家が、自分の専門知識・経験を生かして社会貢献する活動のことです。語源はラテン語で「公共善のために」を意味する 「pro bono publice」 の略です。無報酬で他人のために働くという意味で「ボランティア」の一種ですが、面白いのは自分が培ってきたスキルを活かした活動である点です。

プロボノには専門の推進団体があります(サービスグラントや二枚目の名刺、自治体など)。参加するには、まずその団体にプロボノワーカーとしてスキル登録します。年に数回、案件説明会があるので、興味のある案件に応募すると、NPOのニーズと自身のスキル・希望をマッチングしてもらえます。

私は自分のスキルとして、プロジェクトマネジメント、ITツール導入、業務分析を登録しました。最初は自分のスキルを本当に生かせるのか不安だったのを覚えています。

初めてのプロボノは、7年前の外国人コミュニティ支援・被災者支援団体のホームページ・広報改善のお手伝いでした。驚いたのは、会社で普段使う、課題整理、計画作成、企画作成など、一般的と思っていた職務知識が意外なくらい役立つのです。NPOはどこも実務知識・専門知識を持つ人材が不足しているからです。真正面から接していると本当に感謝していただけます
以降、高齢者施設への美容ボランティア団体の事業計画策定、Withコロナ対策のお手伝いなどを何回か経験しました。この経験は、自分のスキルを社外で試し、自身の可能性を拡げよう、また社会課題解決に少しでも貢献しようと思う原動力となっています。

プロボノで支援したホームページとメンバー
ホームページの項目・見出しは、理事長の思いを汲んで大幅に見直しました

資格取得をきっかけに有償の複業に挑戦

中小企業診断士は、経営診断・コンサルタントの国家資格で、私は2020年に資格を取得しました。元々、IT部門に必要な経営分析・業務分析などのスキルを強化し、キャリアの軸を固めることが取得の動機でした。ただ、この資格は維持のために事業者の支援実績が必須とされています。そこで、SIBの副業制度を活用し、有償で中小事業者を支援する取り組みに参加することにしました。その取り組みの1つの地域複業を紹介します。

地域複業とは、都市部で働く人材が複業として、地域に関わる仕事も行う新しい働き方です。地域活性化の処方箋として注目されています。特に働き手不足に悩む地方自治体が注目しており、全国の自治体が地域複業マッチング事業を始めています(詳しくはこちらの記事もご覧ください)。
実際に私も中小企業診断士資格を生かして地域複業に応募し、生まれ故郷の松山で、中小事業者の新規事業の事業計画策定や補助金活用のお手伝いをしました。

こういったマッチングに参加される企業は、地域に根付き、独自の魅力や技術を持った会社が多い印象です。他のマッチング機会も含めると、これまでに食品、イベントスペース、飲食、ホテル、デザイナー、部品製造など、様々な経営者の方々と出会いました。企業の思いを聞き、その実現に向けて一体感を持って検討できることは嬉しいものです。またご一緒する中で、新たな気づきやインスピレーションも生まれます。本業にも良い循環が生まれる気がしています。

参考に、私が参加した地域複業プログラムのリンクをご紹介します(インタビューもされてしまいました(汗))

複業をしてよかったこと

私は社内ITという仕事の特性上、担当業務部門の方やベンダーさんなど、普段の業務で出会う方は本当に限られています。複業をやることで、会社では出会えない人たちに会えるというのは、毎回楽しい発見があります。またさまざまな事業をされている方に出会えるので、視野の広がりを感じます。

特に中小企業診断士は、経営診断を通して経営者の思いを聞き、経営分析や事業計画を提案できます。これは経営者の視座に触れられるかけがいのない機会です。マーケットの肌感覚を知れますし、中小企業のことを知る・考える機会も増え、ビジネスセンスを磨けているように思います。このような経験を通して、社外でのネットワーキングも深まり、専門誌などへの執筆、論文や書類の査読や添削、講演などの機会もいただくようになりました。

次のテーマは、こういった活動をいかに社内に還元するかということです。例えば「事業分析の精度を上げ、社内提案内容を充実させる」、「知識・経験の共有で人材育成に貢献する」、「異業界の分析から自企業を客観的にベンチマークする」といったことです。パラレルキャリアワーカーとして、社外と社内の活動の好循環を生み出す存在になれれば、この上ないことです。そういうロールモデルになるのが私の当座の目標です。

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大井 秀人(おおい ひでと)

大井 秀人(おおい ひでと)
資生堂インタラクティブビューティー IT本部 グループマネージャー。製品開発、R&D、CS領域のIT導入やDX推進を担当。化学、エンジニアリング、電機などの製造業で一貫してR&Dデジタル化のプロジェクトに関わったあと、2019年に資生堂に入社。IT本部副業申請1号の中小企業診断士の顔も。最近はKALDIや久世福で調味料の大人買いと、キムチ作りにはまり気味。