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最期の力を振り絞れ!尻太りキュウリ


尻太りキュウリ

6月中旬からキュウリをお届けします。
ハウス栽培と違って、露地栽培の場合、キュウリの旬は意外と短くて、6月中旬から9月中旬くらいの約3ヶ月間です。
ひとつの株から収穫できる期間はさらに短く2ヶ月間位ですので、播種に時期を4回くらいずらして栽培しています。
キュウリは1年中出回っている感じがしますが、実は一株ごとの、発芽してから開花して実ができて枯れていく過程は、短期集中型です。

これから暑くなるのにあわせて、キュウリの株はどんどん大きく育ち、短期間にたくさんの花を咲かせて、実となって、ある時からパタッと弱っていきます。
そんな栽培の後半に出てくるのが写真のような、尻太りキュウリです。
 
 

尻太りの部分を切ると種がびっしり


尻太りキュウリを切ってみるとこんな感じです。
先の丸くて太い部分は種が詰まっています。食べると、水っぽくて甘みを感じます。
ここまで丸くなっていなくても、こんな感じのキュウリに出くわすことありませんか。
病気ではありませんが、種が多いので、キュウリ本来の食感とは異なります。
キュウリの株が弱ってくる栽培の後半になって現れることが多いので、「生理障害」と呼ばれます。
見た目が悪いので、規格外野菜とされてしまいますが、それは人間の判断基準です。


キュウリは本来人間に食べてもらいたいわけではありません。野生の動物たちに食べてもらって、フンと一緒に種をどこか遠くに落としてもらいたいわけです。
人間は栽培の最後に出てくる尻太りキュウリを「生理障害」としていますが、キュウリにとっては人生の集大成、最後の残されたエネルギーで、丸くて、たっぷり水分を含んだふくらみを作って、その中に種を隠しているわけです。
もしかしたら、その前にできていたキュウリは動物たちに集まってもらうための“まき餌”なのかもしれません。
いかにも「食べてください」と言っているような丸いふくらみの部分は野生の動物たちにとってはとても魅力的に見えているのだと思います。

 キュウリの原産地はインド北部からネパールのヒマラヤ山麓です。猿とかイノシシとかキジとかシカたちがキュウリの周りに集まって、丸い尻太りキュウリを嬉しそうに食べている姿が浮かんできたら楽しくなりませんか? 
 
 有機野菜は生命力が強いためか、収穫した後でも成長していきます。そんなわけで、もし少しお尻が膨れたキュウリが届いたら、「あー、このキュウリは収穫された後でも力を振り絞って子孫(種)を作ろうとしているんだな。」と思って食べていただけると幸いです。

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オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳
240612


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