住宅の外壁、その隠れた役割とは?

どうも岩崎です。

今回は外壁に関する事の話をしようと思います。
まず、外壁の役割は意匠性・防水・耐火・耐風にあります。

意匠性というのは見た目の事で
ほとんどの家で採用されている
窯業系サイディングと呼ばれる外壁材が
意匠性に富み、お好みの柄や色味を選ばれます。

防水は外部からくる水分を
構造体に触れないようにするため
耐火は消防が来るまでの間
近隣の火災にもらい火しない性能が
あると言う事
強風に耐える強度があると言う事。

おおよそ基本的な外壁が有する性能は
このあたりだと思います。

その中でも経年劣化で何が劣化していくのか?
どのような対応が必須なのかを
お話できればと思います。

例えば例えば、、、
耐火、耐風に関しては
今まで「耐えれない」事態を見たことも
聞いたこともないのでお話はしません。

今回は意匠性と防水の部分を言いますが
何故、この話かというと、実はほとんどの家庭で
同じような現象が起きている可能性あるからです。
住宅性能保証がついてからは
そういう事も少ないでしょうが
昭和~平成15年程度に建てた人は
読み進める価値がありますし
無い人も大切な住宅を守るために一読願います。

住宅の外皮(家の外側という意味)は
外から順に外壁→通気層→透湿防水シート→構造体→室内壁→室内となります。

どこまでが外?と聞かれたら透湿防水シートまでが外で
構造体からが室内扱いです(人によって意見が変わりますが)
では、家の外側に求められるものとは?
冒頭にお話しした四点です。
一に意匠性
二に耐火性
三に防水性
四に耐風性

順番はあまり関係ありませんが
外壁に求められる性能は大きく四つ。
のはずですが
もう一つ大事な役割があって
構造体を常に乾燥させる仕組みを持つ
というのが大切な役割で、何故構造体は
乾燥していなければならないのか?
と新しい問いが生まれます。
住宅というのは過酷な自然環境に対し
室内の居住性を高め健康的な暮らしを
維持し続ける目的があります。
しかしながら外部的な要因として
地震・大雨・台風・雹・乾燥・湿潤
とキリが無い程住宅がさらされる環境は
過酷であります。

(通気層が無く、湿潤を逃がす方法がない場合)

その上で構造体の乾燥が大事な理由は
湿潤であれば強度の低下を招く為であります。
ですので構造の乾燥を第一位の優先順位に置き
その下部に外壁の保存性、メンテナンス性があります。

この乾燥の担保となる部分が
防水性能ですので慎重に選んでいきたい。

と、今までの文章で乾燥が大事というのは
分かってもらえたと思いますが
「実は」外壁防水は完璧ではありません。
語弊を招きそうですね・・。
構造体の乾燥=外壁の防水性は
同じことではなく
構造体の乾燥>外壁の防水性になります。
何故なら、外壁の防水性をいくら高めようが
外壁以外からの雨水の侵入は考えられるからです。
例えばベランダの床回り
例えば屋根等が考えられます。
強風による雨水の巻き上げ現象や
毛細管現状など雨水はあらゆる状況でも
住宅の中に入ってくる可能性があります。
ですから
仮に雨水が入ったとしても
乾燥し続ける工夫が必要なのです。
その乾燥し続ける為の部分が
外壁の次の部分「通気層」です。
ここが機能することにより
どんな状況になっても構造体は
乾燥を維持できるのです。
よって、昭和~平成15年辺りまでの建てられた住宅はまれに
この通気層を確保できていない住宅があります。
通気層が無いと事は
仮に木部が湿潤になった場合
乾燥する仕組みがないと言う事で
いつまでも乾燥しない事になります。
こうなると対応は難しいです。
外壁を全部剥ぎ、通気層を作る
必要があります。
数百万はかかります。
そこでこんな質問を受けました。
「外壁の上からさらに外壁を貼ればどうですか?」
まあ、確かに新しく通気層を作れれば
可能と言えば可能ですが
雨水だけでなく室内からの水蒸気も
通気層には関係してる・・・・といった
難しい判断を迫られます。
それでもないよりかは全然いいですけど!
貼り増すと言う施工も十分ありだと思います。

と、外壁周辺の防水にかんする考察でした。


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