もしも本屋を創れたなら
約1年前にこんな記事を投稿しました。
「やがて訪れる春のために」という本の感想と自分の思いを綴りました。
❝ 本当に漠然とですが、退職してから「本に関わる何かをやりたいなぁ」とそのとき考えていました。いや、今でもそうなのかもしれません。ハーブが好きなので、本を読みながら、ちょっとしたハーブも鑑賞できるような。珈琲やハーブティーとともに……❞
今回、メディアパル様の素敵な企画 ☞【募集企画】あなたもわたしも本屋さんになっちゃおう! #本屋さん開店します
という記事を拝見して、今の思いを綴ってみようと思いました。
◇
幼い頃から人と接することが
怖いと感じていました。
人が嫌いというわけではありません。
むしろ相性の合う人ならうまく関係を築けたし、
話をしていても楽しいと感じていました。
そんな気の合う人でも長い時間一緒にいると、「ひとりになりたい」という思いは変わりませんでしたし、なぜか怖いとう感情が時折出てくることがありました。友達がいなかったわけではありません。無理してつきあっていたのかもしれません。ひとりでいる方が断然楽でした。本を読んだり(その頃は読むのが遅く、苦手ではありましたが)本棚を眺めているのが好きでした。
いつも家の近所の本屋に暇さえあれば行っていました。そのときは本を読むことが苦手だったのにです。
本屋にいると落ち着きました。
本屋の雰囲気が好きでした。
本屋に来ている人たちは、みんな
ひとりの時間を満喫しているようでした。
雑誌の表紙、単行本の装丁、文庫本の作家名やタイトル、静かな店内、店の照明、本に集中し立ち読みする人の真剣な顔、書店員さんがブックカバーをかけるときの所作、本屋さん独特の匂い、そして、僕のように店内をうろうろして、本のタイトルを次から次へと見てゆき、本をパラパラ捲り、目次だけ目で追ったりしている人達がいる空気感が何とも言えず好きでした。
本屋に行くと、さまざまなジャンルの本のタイトル、解説、帯やPOPの言葉があります。
それらを見ているだけで、知らず知らずの間に刺激を受け、力をもらいました。不安がそのときだけなくなっていました。
言葉だけではありません。
本の装丁の写真や絵、フォントからも刺激を受けました。
本屋にいる人たちと一言も言葉を交わさなくとも、大切なものを共有している感覚が子どものときから変わらず、今でも本屋に行くのが楽しいのです。
今、そんな幼い頃からの自分の避難場所であり、魂の癒しの場所であり、知的好奇心を刺激する場所であり、純粋に好きな空間である本屋へのあこがれが募る一方なんです。
町の書店が減少している中で、独立系書店は増えていると聞きます。
もしも自分が本屋をできるとするならば、自分が読んでよかった本のみを置いている本屋をやってみたい。そんな本をお薦めしてみたい。
珈琲・紅茶やハーブティー、体にやさしいお菓子などとともに、本を読める空間を創りたい。
素敵な装丁の本をディスプレイしたり、アロマやキャンドル、ヒーリングミュージックを読書の邪魔にならない程度に施し、安らぎを感じてほしい。
できることなら、店の前か横に小さなハーブガーデンをつくりたい。鳥のさえずりをききながら、蝶が舞っているのを見ながら、頬を撫でるような風を感じながら、温かい珈琲を飲みながら、ハーブの香りが漂ってくる場所で本を読めるようにしたい。
販売している本は少ないけど、ディスプレイしている本は定期的に変えて
変化のあるようにしたい。
並べたすべての本に、自分のその本に対するメッセージを付けたい。
このnote ❝読書ヒーリング❞ としてのリアルな本屋にしてみたい。
定年退職してからの夢ではあるのですが、どうしたら自分の考える本屋を実現できるのか? 幼い頃の自分と同じように、現状から逃れたい人のための本屋を創ることができるのか?
今は、そんなことをよく考えています。