ステンレスのマニアックなお話
こちらの記事でステンレスのメリット・デメリットを書きましたが、そもそもステンレスはなぜ良いのかを今回は掘り下げてみようと思います。
少しマニアックなお話になりますが、これを知るとちょっとステンレスの見る目が変わるかもしれません。
1.ステンレスの言葉の意味
実は「ステンレス」は2つの言葉が合体して出来た物になります。
ステイン(stain)+レス(les)→汚れ+~しない
ということは・・・ステンレス=汚れないという意味になります。
※諸説ありますが・・・さびないという意味からきてるという説もあります。
ステンレスは言葉の意味から分かるように汚れない(さびない)材質です。
では、なぜ汚れないのでしょうか。
2.汚れない(さびない)秘密
ステンレスには、不動態皮膜という薄い膜がステンレスのトップにあります。
この薄い膜は酸素と触れ合う事で何度でも再生可能です。ステンレス本体と汚れの間にこの膜があるおかげでステンレスについている汚れを簡単に落とす事が出来るのです。
また、この膜のおかげで、浅い傷であれば修復可能になっています。ただ、凹みや深い傷は再生されません・・・。
因みに、ステンレスのこの膜、長く保たせたいですよね?
これ、コツがあります!!
なるべく多く酸素と触れさせる事=こまめにステンレスを拭くだけ
これだけで、ステンレスは30年経ってもピカピカのままです。
ステンレスに汚れが付着したままになると不動態皮膜が再生されず、汚れが落としにくくなったり、傷も再生されない事が増えてきます。
少し面倒ですが、調理が終わった後、トップをしっかりと拭く事をおすすめします。
3.ステンレスの種類
実は、ステンレスにもいくつか種類があります。
ステンレスを作る際に、混ぜる材料によって性質が少し変わります。性質が変わる事により、使う場所の向き・不向きが出てきます。
今回はキッチンによく使われている材質のみご紹介します。
①SUS304
これは、鉄に18%のクロムと8%のニッケルを入れたステンレスです。いわゆる18-8ステンレスですね。こちらは、ステンレスの中でも最高級で、加工が難しいと言われています。
耐久性や耐熱性に優れているといわれ、高級グレードの商品に使われている事が多いです。また、錆びにくく、水と反応することで匂いを分解してくれるので、匂いが付きません。
因みに、クリナップとナスラックは大々的に18-8ステンレスを使用していると謳っているので、間違いありません。両社とも、キッチン本体にも18-8ステンレスを使用していますので、高い技術力を持った会社です。
②SUS403
鉄に18%のクロムを入れたステンレスです。
安価なキッチンに使われる事が多く、ほとんどのメーカーが使用しています。
こちらのステンレスは野外で使用すると錆びる可能性がありますので、小物等は注意して使うようにして下さい。
③FW1
このステンレスは新素材と言われ、SUS304に比べレアメタル(クロムやニッケル等)を約46%削減し、スズを添加したものになります。スズを添加した事により、耐食性強化。また、リサイクルもしやすいので、エコに繋がる商品です。
レアメタルを削減した事により、SUS304に比べ、安価に仕上げる事が可能になりました。
因みに、FW1はクリナップ限定です。クリナップのステディアシリーズの本体に使われています。
クリナップはこの素材を使う事で、中間クラスのキッチンでもステンレス本体にする事が可能になりました。
4.磁石が付くと錆びる?
昔から磁石が付くステンレスは、錆びるので避けなさいと言われてきたようです。
事実、錆びてしまうと言われてるSUS403は、磁石が付きます。錆びにくくと言われるSUS304は磁石が付きません。
ただ、これは技術の進化により変わってきました。
実はSUS304は、加工した箇所(曲げたり、伸ばしたりした場所)は磁石が付きます。また、耐食性強化したFW1も磁石は付くので、一概に磁石が付く=錆びるとは言えません。
5.ステンレスに色を付けたい
実は、これクリナップなら可能です。
ステンレス本体に着色するのではなく、化学反応で色を変えていく手法です。本体に着色するのではないので、長い期間使用していても色が変化していくことがありません。
また、照明によってステンレスカラーに表情が出ます。また、朝と夜のイメージが変わる事もあります。
私のオススメは、ブラックとピンクゴールド(正式名称はゴールドですが・・・)です。とても綺麗で、普通の扉面材と比べ高級感があります。
是非、ショールームで体感して頂きたいなと思います。
因みにクリナップは、別会社でステンレスカラー専門の子会社があります。ステンレスの看板等の注文が可能のようですので、興味がある方は、こちらのホームページを覗いてみて下さい。
以上、ステンレスのマニアックなお話でした。
かなりマニアックな内容でしたが、他のマニアックな記事も出してみようと思います。こちらは、不定期で出して行けたらと思います。