S16 壁張りママンロンゲ 最高レート1969
はじめに
お久しぶりの方はお久しぶりです。sia(シア)という者です。今年の目標として結果はどうであっても対戦していたときは記録として構築記事を残すと決めていました。今期は終盤こそ忙しくて戦えなかったものの途中までと最終日(負けましたが)は対戦していたので書きます。
※実はS9の構築記事がちゃんとしたものだと最後だったりします。
構築経緯
①元々サイクル構築が好きだったので話題になっていたママンボウをS11から使い始めていました。
②S12で結果を残していたオーロンゲ+ママンボウの並びが昔使っていたマシマシラ+ママンボウの並びと似ていて強そうだと感じてここから構築を組みました。
③最初は拘り鉢巻パオジアン、イーユイ、モロバレルorエルフーン(最後はグライオンやドオー等色々使っていました)と組んでいたのですが、相手の剣の舞ウーラオスのためだけにモロバレルを投げると選出が窮屈になると感じました。
(モロバレルはウーラオスに強いがオーガポンやパオジアン、ガチグマに弱くこれらを受けるとアタッカーが入れられない)
④そこでパオジアンの型を鉢巻から剣の舞にテラスタイプを電気に変えました。
それに伴ってオーロンゲの技を猫騙し→リフレクターに変更しました。
⑤モロバレルがいなくなった枠として代わりに欲しい要素はママンボウとオーロンゲが苦手な毒菱を消せる、ハバタククカミに弱くない、茸の胞子持ちにある程度戦えるというものでした。毒菱とハバタクカミはから毒タイプは自然に決まりましたが、ここからはすぐに決まりませんでした(そのため一旦保留)
⑥他に欲しい要素としてキョジオーンに強いポケモンが必要でした。元々はモロバレルでリーフストーム(脱出パック)からアタッカーに繋ぐ動きが強いと思っていたのですが、キョジオーン入り(中でも環境トップが一緒にいる構築)はモロバレルを投げたくないことからこの動きが成立しませんでした。グライオンで対応したこともありますが、呪いを考慮すると挑発グライオン以外は安定しないという印象でした(仮に安定しても途中でウーラオス等に交代されるとTODで負ける可能性がある)。
⑦キョジオーン対策として裏のウーラオス等とも戦えることから隠密マントラティオスを採用しました。このポケモンはキョジオーン以外にも炎オーガポンやウーラオスにも強く、テラスタイプを鋼にすることでカイリューやガチグマ、グライオンのような受けポケモンにも強いと考えました。
⑧この時点でママンボウ、オーロンゲ、パオジアン、ラティオスまでは確定していました。
一枠は眼鏡イーユイを使っていたのですが、自分の使い方が下手でアシレーヌやトドロクツキで相手のサイクル破壊をできなかったためイーユイの枠も変更を決めました。
このときに⑤でお話しした毒菱対策等と役割を一つにできないか考えたところテツノドクガが役割的にあっていると考え採用しました(イーユイで対策していたサーフゴーも倒せるので相性がいい)
⑨最後の枠はオーガポンやゴリランダーのようなテツノドクガを相性関係なく倒す草タイプの対策として厚底ブーツカイリューを採用して構築が完成しました。
コンセプト
1.ママンボウ+オーロンゲによる受けサイクルとパオジアンによる崩し
2.オーロンゲの壁や捨て台詞からの積み展開
3.カイリューやパオジアンによる対面選出
個体解説
ママンボウ
・性格:呑気(S個体値0)
・特性:再生力
・持ち物:突撃チョッキ
・テラスタル:毒
・努力値:H20 B244 D244
・クイックターン/アクアジェット/ミラーコート/熱湯or戯れ付く
今期の構築の軸です。後攻クイックターンから裏のエースに繋げることが強いのは言うまでもありませんが、再生力で削れた体力まで回復する点が強力です。
技構成は今回メインとなるクイックターン、ガチグマやハバタクカミ等の特殊ポケモン対策となるミラーコート、倒しきれなかったポケモンを確実に倒すためのアクアジェット、最後の枠は熱湯と戯れ付くを入れ替えて使っていました。
テラスタイプはハバタクカミのムーンフォースや毒菱等の毒対策として毒テラスです。
環境に存在するポケモンのほぼ全ての技を一度は耐えて安全に交代できるため採用しました。実際にオーガポンのパワーウィップの様に厳しい技はありましたが、それらは後述するオーロンゲと一緒に使うことで対策できます。
このポケモンと他の受けポケモンを比較した際の強い点として
という点があります。これらの要素は受けポケモンとしても強い要素で交代できるだけでも偉いのですが、受けポケモンとしても高い評価ができると思います。
その一方で
といった点があります。また相手がゴツゴツメット持ちの場合も体力管理が難しくなります。
実際使っていて感じたことは欲しい技が多すぎるということもあります。具体的には今回の4つの技(と戯れ付く)に加え、凍える風や渦潮、アクアブレイクの様なタイプ一致の攻撃技が挙げられます。
個人的な優先度はクイックターン>>>ミラーコート≧アクアジェット>その他といった感じです。ミラーコートは採用率も高く読まれているためか実際に決まった回数は少ないです。おそらくこの技がない場合はガチグマやハバタクカミをはじめとした特殊アタッカーを倒す枠を別で採用する必要があるため優先順位自体は高い方だと思います。アクアジェットはママンボウを使っていて微妙に体力が残ったパオジアンやアタッカーの攻撃を襷で耐えられたときに使っていました。この技は最初別の技だったのですが、アクアジェットが欲しい場面が多く採用しました。実際にオーロンゲの火力は低くないですが、パオジアンを確実に倒せる程の火力はないため意外にも活躍の機会は多かったです。
その他の技は最初戯れ付くを使っていました。元々悪ウーラオスを倒すために使っていましたが、テラス妖を使って初めて実用的な技と感じたため他のポケモンに刺さらないことも考えると優先度は低いと感じました。
熱湯は火傷前提で強い技でしたが、火傷の圧が1番の仕事だと思っています。火傷はTODや物理アタッカーに強いですが、私の運が悪いからかあまり焼いていた記憶がありません。凍える風で素早さ調整も強いと思うのでここは自由枠だと思います。
オーロンゲ
・性格:腕白
・特性:悪戯心
・持ち物:食べ残し
・テラスタル:炎
・努力値:H180 A4 B252 D20 S52
・リフレクター/如何様/ソウルクラッシュ/捨て台詞
ママンボウとの相性がとてもいいポケモンです。悪戯心により先制で捨て台詞をできるためママンボウが攻撃を受ける際の負担を減らすことができます。オーロンゲ自体は後攻クイックターンで無傷で場に出せます。その後先制で交代するので理想的な流れになればオーロンゲの体力が削れることがありません。
技構成は交代ができる+相手の火力を下げることができる捨て台詞は確定です。相手の物理ポケモン、オーガポンの剣の舞やカイリューの竜の舞の対策として如何様、パオジアンやトドロクツキのような悪タイプ(捨て台詞で交代できない)の対策としてソウルクラッシュ、最後にこちらの積みポケモンのサポートもできオーロンゲやママンボウの耐久も上げられるリフレクターです。
ママンボウの弱点である被弾回数が多いという点を捨て台詞の能力ダウン等でサポートできます。最初は再生力の回復よりもダメージの方が多かったとしてもクイックターンと捨て台詞を繰り返すと回復が上回ることがあります。
テラスタルは自身の弱点である鋼タイプの技やオーガポン、パオジアンの対策として炎テラスを採用しました。カイリューの地震やステルスロックが抜群になってしまいますが、メリットの方が大きかったと思います。
このポケモンはリフレクターを採用しているため積みエースのサポートもできますが、光の粘土ではないため壁ターンには注意が必要です。リフレクターの使い方としてパオジアンの様な如何様が半減ポケモンにソウルクラッシュを撃つ必要があります。しかしパオジアンにテラスタルを切られ剣の舞を積まれると不利になります。その際にリフレクターをすることで絶対零度以外には安定してパオジアンに対応できます。
猫騙しがあると食べ残しの回復回数を稼げますが、グライオンを構築から外した関係上毒ターン稼ぎというメリットが減ったので本構築では猫騙しよりもリフレクターの方が強いと思います。
ちなみにママンボウは身代わりテツノツツミが苦手な様に見えるかもしれませんが、オーロンゲの捨て台詞とママンボウのクイックターンを繰り返すだけで回復量が上回ります。アンコールでも縛られないので氷と急所以外では負けません。
パオジアン
・性格:陽気
・特性:災いの剣
・持ち物:オボンの実
・テラスタル:電気
・努力値:H132 A228 B4 D4 S140
・剣の舞/氷柱落とし/テラバースト/不意打ち
どこかで見た調整のパオジアンです。個人的にはパオジアンの強みは2つあると思っています。1つは氷柱落としの怯みや絶対零度という不利対面を覆すことが可能であることです。これらをS種族値135からしているため下を取っているポケモンは常に一定確率で負け筋が生まれます。もう1つは高い攻撃で相手より先に殴れることです。前者は勝ち筋が僅かでも生まれるという話ですが、後者はシンプルな高速エースとしての強みです。最近はS種族値もインフレが進んでいますが、それでもパオジアンは間違いなく速いポケモンです。そもそも上を取られても不意打ちや氷の礫といった先制技もあるのですが……
速いポケモン×剣の舞=強いです。ママンボウ+オーロンゲのパオジアンは拘り鉢巻が多いので相手視点だと剣の舞は読むことが難しいと思います。仮に剣の舞を考えても拘り鉢巻を切ることは難しいです。拘り鉢巻パオジアンの対策は受けて殴り返すか上から殴るかの2つですが、前者は等倍で耐えることが難しいので半減で受ける必要があります。しかし、その場合は打ち分けができるパオジアンではその弱点を克服することができます。後者は裏の受けポケモンで受けることである程度対策できます。
テラバースト電気はミラーのママンボウやウーラオス等を倒す際に強いです。またハッサムのバレットパンチ等受け方面でも強いです。
技構成は積み技の剣の舞、ウーラオス等の水タイプに通るテラバースト電気、電気技を無効化する地面タイプに強い氷柱落としまでは確定です。最後の枠は悩みましたが、先制技がない場合自身よりも速いポケモンが不安になるので不意打ちを採用しました。氷の礫でもいいかもしれませんが、こちらは使っていないのでわからないです。
壁下の積みエースとしても強いですが、対面でも殴り合えるところが素晴らしいです。オボンの実はスカーフウーラオス、耐久振りパンチグローブウーラオスの対策になりました。また先制技圏外に逃れることもできたので使ったことがない方はぜひ一度使ってみてください。
最初に氷柱落としの怯みのお話をしていましたが、今回のパオジアンは剣の舞込みで火力が高すぎるためほとんど怯ませずにワンパンしていた印象です。
ラティオス
・性格:臆病
・特性:浮遊
・持ち物:隠密マント
・テラスタル:鋼
・努力値:H28 B132 C124 D4 S220
・瞑想/自己再生/サイコノイズ/波動弾
キョジオーン対策且つ受けポケモン対策です。キョジオーン対策として求められることはいくつかあると考えています。塩漬けの対策、鈍い(呪い)や鉄壁で詰まない、キョジオーンの他のポケモンに不利を取らないことです。
塩漬けの対策はすぐに思いつくと思います。キョジオーンが必ずと言ってもいい程採用している要注意技です。次に鈍いや鉄壁ですが、元々私はグライオンで対策していました。ですが、鈍いをされてから呪いをされてしまうとグライオンでは勝てません。交代しても鈍いの積みがあるため交代しても塩漬けが痛いorパオジアンではほぼ勝てないです。そして最後が意外と重要なところですがキョジオーン以外のポケモンにも勝てないといけません。何故かと言うとキョジオーンはカイリューやオーガポン、ハバタクカミの様なトップポケモンと一緒に採用されるケースが多いためです。キョジオーンはその対策の難しさから選出しての強さと別に相手の対策を誘うために構築に採用する強さが存在します。簡単な話キョジオーンのピンメタはキョジオーンが選出されないと意味がありません。なのでキョジオーン対策は環境トップポケモンにも強いといけません。
ラティオスはタイプ的にオーガポン、ウーラオス(連撃)に強いです。テラスタル鋼と浮遊を合わせるとカイリューやガチグマ、グライオンに強いです。
技構成はキョジオーンやグライオン等の受けポケモン対策となるサイコノイズです。ちなみにラティアスはサイコノイズを覚えないそうです。次にサイコノイズで殴るだけでは火力が足りないため瞑想、瞑想を何度か積むまめに自己再生、最後はサイコノイズだけでは悪タイプがいるだけで止まってしまうため波動弾を採用しました。
実際の使い勝手ですが、多分弱くはなかったと思います。何が微妙だったかと言いますとキョジオーン対策としては仕事をしてくれていたのですが、その周りのポケモンに負けました。元々このポケモンを採用した理由から考えておかしいですね。察しがいい方ならわかるかもしれませんが、テラスタルを切った瞬間にウーラオスの格闘技やオーガポンの炎技が一貫します。おそらく選出で改善できるのですが、私はこのポケモンでオーガポン等も見る気満々だったのでボコボコにされました。
せめてオーガポンよりもラティオスのS種族値が1高ければ……
テツノドクガ
・性格:控えめ
・特性:クォークチャージ
・持ち物:ブーストエナジー
・テラスタル:草
・努力値:H28 B164 C60 D4 S220
・身代わり/炎の舞/エナジーボール/ヘドロウェーブ
真のキョジオーン対策です。このポケモンは毒菱対策、サーフゴーや受け系統の構築の破壊枠です。オーロンゲとママンボウでサイクルを回しても毒菱を撒かれるだけでこちらのサイクルは崩壊することがあるのですが、毒タイプなので毒菱を回収できます。また捨て台詞を無効にするサーフゴーにも強いです。
技構成は受けポケモンを起点にできる身代わり、積み技(?)の炎の舞、メインウェポンのヘドロウェーブ、キョジオーンやディンルーを削れるエナジーボールです。
このポケモンはイーユイには勝てないですが、とてつもない特殊火力で相手を破壊できます。また特性(持ち物)で上がったCは黒い霧等でも消すことができない点が強力です。炎の舞でもCが上がるので大体の相手は受けることができません。ママンボウ等でサイクルをして有利対面を作った瞬間相手が受けられない攻撃を撃つという動きが理想の動きです。
身代わりはテラスタル前提ですがキョジオーンやグライオンに強く、相手が一度でも居座ると身代わりを残したまま目の前のキョジオーンたちだけでなく裏のポケモンも倒せます。またSも低くはないためサーフゴーや遅めのランドロス等にはテラスタルを切られるか様子見もできます。パオジアンの不意打ちにも強いです。
イーユイとの差別化としてはアシレーヌやトドロクツキにテラスタルを使わずにしっかりと削れを入れられる点です。トドロクツキは鋼テラスタルを考慮すると安定しませんが、それでも妖テラバーストを採用しない限りどうしようもないイーユイよりはいいと思います。
使っていた感想としては予想していたよりもはるかに強いもですが、フレアソングという技は本当にずるいというものです。何故舞は50%なのに歌えば100%で能力が上がるのでしょうか。
カイリュー
・性格:意地っ張り
・特性:マルチスケイル
・持ち物:厚底ブーツ
・テラスタル:ノーマル
・努力値:H244 A252 S12
・地震/神速/羽休め/アンコール
特別解説する必要もない枠です。強いていうならカイリュー枠です。
役割としてはママンボウがクイックターンでサイクルしている間に倒しきれなかったポケモンを神速で倒す、積み技対策のアンコール、草タイプの技を受けるためです。
私自身がカイリューをあまり信用していないため選出回数は少なかったですが、選出した対戦ではほぼ何かしらの仕事をしている最強ポケモンです。
選出
①オーロンゲ+ママンボウ+?(体感パオジアンが多め)
初手はオーロンゲをよく選出していました。ママンボウは後攻クイックターンで安全に交代できますが、ママンボウ読みで初手オーガポンやパオジアンがよく投げられたためオーロンゲの方がこれらに強いことからこちらを初手にしました。オーガポンはパワーウィップ、パオジアンは絶対零度やテラバースト電気がママンボウでは厳しいためです。
理想の動きはオーロンゲとママンボウだけで受けを成立させることですが、それは難しいため相手をある程度削りパオジアン等で残りのポケモンを倒します。
②テツノドクガorラティオス+パオジアン+?(オーロンゲやカイリュー等様々)
サイクルをしても勝てないと判断した際にする対面選出です。キョジオーンや受け系統の構築にもこの選出をしていました。
パオジアンはオボンの実もあるので対面駒として強いです。オーロンゲを選出するときは積み選出をするです。カイリューはマルチスケイルと神速の2つを利用した対面ポケモンとして使います。
振り返り
今期も2000に届かないという結果になってしまいました。S16終盤は忙しかったので1週間程潜れない時期がありましたが、最終日に潜ってみると私が見たことのない拘り眼鏡タケルライコやテラバースト妖キョジオーンに破壊されました。流石にポケモンを優先するためにはいかなかったので仕方がないですが、かなりよい流れが来ていたので悔しいです。
最後に
結果としては残念でしたが、とても久しぶりに受けサイクル構築が使えてよかったです。今回は振り返りとしての構築記事をしっかりと残せたと思っているためその点も良かったですね。
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