第4の新・教育領域と子どもの心理的安全性に関する個人的な話
スタート・イノベーションの池田です。
本日、弊社としては初めてプレスリリースを出すことができました。
【支援先であるSPAAK株式会社がクリエイティブスクールを立ち上げ。会社設立と事業開始の成功に伴い、スタートアップ支援事業を本格化します。】
今回、われわれが立ち上げの伴走支援をさせていただいたSPAAK(スパーク)社に対して、以下に私からのコメントを追加させていただきます。
第4の新興系教育領域
昨今、いわゆる学習塾系以外での「子ども向け教室事業」における新しい流れは、3つあると思っています。
これらは、基本的に中学受験の試験科目ではありません(一部の学校や受験方式によっては受験科目になったり、評価されることがあります)。
しかし、すでに小学校でも必修で導入されています。それに将来、子どもが社会に出たときに活かせるスキルであることが、よくイメージできます。
ただ、小学校はおろか、中高でも「教える体制」が整っていない学校があるのが実情です。
(参考)新学習指導要領、課題感のある教科1位は「情報」。「探究」は約6割が生徒の変化を感じつつも、教員の負担が課題に(教育新聞, 2023/1/7)
今回、SPAAK社がやろうとしているのは、上記に加えて4つ目の領域になるものだと思います。
デジタル×クリエイティブ
という領域です。
私は、これからの時代には「新規事業」や「スタートアップ」が増えることが重要だと思って今の会社をやっていますが、特にスタートアップにおけるサービスやプロダクトの開発において、「デジタル×クリエイティブ」という領域は重要です。
SaaS。アプリ。Web。どのサービスでも、プロダクトを作り上げる流れは、ざっくりとらえると以下のようになっています。
業務要件の定義
↓
機能(システム)要件の定義
↓
UI(画面一覧やデザイン)の設計
↓
開発
上記でいえば、開発のところは「プログラミング教育」が担うでしょう。
開発にあたるエンジニアの人材不足については、業界以外の方もニュースでお聞きになったことがあるかもしれませんが、今は「デザイン」領域の人材も足りなくなってきています。
それなのに、「デザイン」の重要性は増しています。すごく。
例えば、Apple製品のイノベーションについてはいろいろ語られていますが、なかでも大きいのはUI(ユーザーインターフェース)、つまり「デザイン」です。
技術が発展し、機能要件が満たしやすくなった時代において、プロダクトやサービスの差別化をはかる要は「デザイン」になっています。
否定されない―安全性が保たれた環境を子どもに与える
ややビジネスパーソン視点での話になりました。
クリエイティブを学ぶことは、子どもたちに学校教育だけでは「必要だけど欠けがち」な以下のことを与えます。
それは、
自由に表現すること
自由に何かをつくること
さんざん暗記をさせ、やり方や型を覚えこませて、受験させ……、そして学校を卒業して社会人になると途端に「”自由な発想で”、”若者の感性で” 新しい事業を興せ」と要求されるのが今の時代です。
不思議なことに思えますが、学校教育はいわゆる大量生産・工場型の社会だった頃のシステムが残っているのですね。これまでは、教えられたことを教えられたように学び、試験でその成果を発揮させる訓練をすることが、社会全体の効率として良かったのです(これはSPAAK社のプレスリリースによくまとまっています)。
しかし、すでに社会では、それではうまくいかないことが増えてきました。社会の変化を如実に受ける企業は、「新しいこと」を若者に求めます。
「新しいこと」をするためには「自由に」というのは大変重要です。
SPAAK社の石橋さんから事業のコンセプトや想いをうかがった際、
「とにかく子どもたちが作ったものを否定しない」
という話を聞き、大変感銘を受けたのを覚えています。
うちの子の話
うちの小学生の娘を見ていると、それを実感します。
先日も「習字を習いたい」と言うので、体験授業に連れていったんです。
でも、結果は「×」。
「もう行きたくない」と言うんです。
なぜかと言うと、娘が書いてる途中に先生から「違う! ここはこう!」と細かい指導を受けたから。
もちろん、習字の上達には師匠の言う通りにすることが必要です。正直、私は「まずは、先生の言う通りにしてみなよ」と思ってしまいました。
ただ、一方で、「否定されない環境で自由に発想、表現する場」も「その経験」も、実は子どもたちには少ないのではないか、とも思ったんです。
そんな娘に、SPAAK社の授業を体験させてもらいました。
娘は、とにかく暇さえあればYouTubeを無限に見ているので、「なんとかならんか」と思ったんですね。iPadなら、単純に触るだけでも楽しんでくれるかなという期待がありました。
結果は大成功。絵を描いたり、編集したりすることは、とにかく楽しかったようです。
しかも、SPAAK社の体験授業以降、YouTubeを見る時間が少し減り、そのぶん自分から別の作品を作って楽しむようになりました。つまり、子どもにとっては遊びの延長なんですよね。
実は運動(ダンスとか)も、勉強(公文とか)も、全くダメだった娘。SPAAK社での体験を通じて、娘の興味関心と好きなポイントが、この辺りにありそうだと気づくことができました。
体験授業では絵を描かせてもらいましたが、娘はYouTuberに憧れていますので、そのうち動画編集なんかもやれるといいんじゃないかなと期待しています。
「楽しむ」「好きになる」、もっというと「夢中になる」という体験こそが、「好きなものを見つける」体験につながります。夢中に遊ぶ時間に、子どもの集中力は育まれます。
子どもが自由に表現すること。自由に創作ができること。
のびのびとそれらの活動ができる場を用意してあげること。
いろいろと頭でっかちなことを語りましたが、SPAAK社での体験は、ごく個人的にも大きな気づきを与えていただくきっかけになりました。
SPAAK Kids Creative School(スパークキッズクリエイティブスクール)
これからの時代に求められる創造力を、iPad1台で学ぶ小学生のための新しいクリエイティブスクールです。
デジタルアート・デザイン・動画制作・アニメーション・ARといったクリエイティブを総合的に学ぶことができます。講師1名に対して生徒数が最大2名なので、生徒の興味や成長に合わせた授業が可能です。
コースは、祖師ヶ谷大蔵にある教室へ通う「通学コース」と、全国から参加できる「オンラインコース」の2種類があります。授業で使う「iPad」と「Apple Pencil」はレンタル可能なので、初めてiPadに触れる小学1年生でも手軽に始めることができます。
SPAAK社への支援を通じて考えたこと
今回、SPAAK社への支援と自分の子どもの体験を通じて、時代の大きな変化の中で「教育」に求められるものがどんどん変化し、新しい領域が出始めていることを改めて実感しました。
まずは自分自身がその変化を柔軟に受け入れ、「何を学ぶか」や「どのように学ぶか」というところを考える必要があるなと感じています。
というのも、私自身がまさに現在、教育事業を立ち上げようとしている最中だからです。
早くSPAAK社に追いつき、私たちもサービスをリリースさせたいと思っています(*詳細は前回のnoteご参照ください)。
今回、私たちの会社スタート・イノベーションは、SPAAK社の立ち上げの伴走支援をさせていただきました。しかし、「教育事業」の側面で見れば、私たちもスタートアップ、ゼロイチの立場にあります。
SPAAK社の事業は、私たちのやろうとしている「教育事業」との親和性も高いので、支援する/される関係だけでなく、お互いの事業を成長させていく仲間として、今後も共に事業を発展させていきたいと思っています。
仲間&案件募集中
教育事業・コンサル事業ともに仲間、案件を募集中です。カジュアルに話を聞いてみたい人などいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。
・“ゼロイチ”の教育事業に興味がある方
・コンサルタント(フリーランスでも社員でも)
・新規事業支援、CVC支援、スタートアップ支援にご関心のある企業様、起業家様
その他、カジュアルに話を聞いてみたい人などいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。
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