見出し画像

コード刺繍 赤いピンクッション

2024年6月製作。


ピンクッションが欲しい。


条件をまとめてみる。

 ☆メインカラーは赤!
 ☆裁縫箱の角に収まる四角形、厚みは4cm以下。
 ☆気兼ねなく針を刺せる、実用的なデザインがいい。
 ☆高級感も欲しい。

四角形を作るのは簡単だ。
問題は、高級感と機能性の両立か……。


ヒントを探しに本棚へ向かった。
刺繍の本には刺繍を施した、レース編みの本にはレースを飾ったピンクッションの作り方が載っていた。

針山というものは、針を刺して使う。10本20本の待ち針、糸が付いたままの縫い針。飾りがあると針を刺しづらい。刺繍糸は傷みやすい、ビーズやラインストーンは糸が引っかかりそう。レースもちょっと邪魔かな……。
本に載ってる針山作品は刺繍やレース編みを練習するのが目的で、素敵ではあるけれどあまり実用的ではなさそうに思える。

使いやすさ最優先なら、布を四角に縫って綿つめただけのシンプルなのが一番。


でも、そんなのつまらない…………。
100均でも買えるような物をわざわざ手作りするのは気が乗らない…………。


手間暇かけて作るなら、どこにも売ってない、自分好みの一品にしたい。
ならば自分でデザインするしかない。


三日三晩考えた。


赤い四角に、ちょこっとだけ、飾りを付けたい。
言い換えると、「針を刺せるスペースを十分確保したうえで、少量の装飾により効果的に高級感とオリジナリティを演出したい」。

紐を別糸で縫い付ける刺繍を、コード刺繍という。
基本のやり方はオートクチュール刺繍やゴールドワークの本にも載っているし、すでにやったことがある。材料も持っている。
紐を使えば、丈夫で引っかかりが少なく、小面積で高級感ある装飾が可能なのでは。



赤いスエード、ブレード、金糸
素材をただ並べただけで高級感の気配がする

クッション本体の布は赤のフェイクスエード。一択。赤い生地は今これしか持っていない。
鮮やかな赤にゴールドを組み合わせてゴージャスにしたい。
使えそうな金色の素材をいろいろ出して並べてみる。
頭の中にデザイン画を描いたら、作業開始。



手順は、飾り付けが先。
土台布に刺繍をする、裁断しクッションに仕立てる、の順。

ブレード、コードの順に留めている。
まっすぐ付けたい。けど直線は意外と難しい。
左右対称の配置にしなくて良かった……。



太いブレードは端がほつれやすい。ほつれ留めを塗ったもののまだ不安(左)。
形が崩れないように、さらに糸で縛った(右)。あとで隠れる部分なのでこれで良し。



刺繍が終わり、中表で四角に縫ったところ。
ブレードをしっかり挟むために、縫い目を細かくした。
このあと、表に返して綿を詰める。


思い立ってからデザインを決めるまでに時間がかかったが、作業はさくっと完了した。




中央に針を刺すための余白を残し、端に装飾。赤と金の特別感。
予定通りの仕上がり。

コード刺繍と言いつつ、コードとブレードだけではキラメキが足りなくてスパンコールを追加した。できるだけフラットになるよう平丸を選び、細い糸で縫い留めた。

赤にこだわったのは、裁縫箱(として使っているお菓子の缶)のいちご柄と合わせたかったから。



ブレードの端は無事に縫い目の中に隠れた。手縫いでもきれいに挟み込めた。



裁縫箱の中
隣の白いカップは糸くず入れです

そして箱の角にぴったり収まった。
綿を詰めたとき思ったより小さめになってしまったけど。針を刺すスペースは十分ある。使いやすく、かわいいサイズ感。



裁縫箱を開ける時、創作意欲に溢れているとは限らない。
取れかけボタンの付け直しとかパジャマのゴム替えなどのやる気の出ない針仕事というのも存在する。
お気に入りの道具があれば、ちょっと気分が上がるはず。


いいなと思ったら応援しよう!