アイスバックスゲームレポート2022.10 VSレッドイーグルス北海道at日光
レッドイーグルス北海道(REH)は9連勝で日光に乗り込んできた。9連勝中は3失点以上の試合がない。上位に進出するチームは守りが固く簡単には崩れない。ロースコア勝負で勝ち切ることができるのが強みだ。一方先週ホームで首位HLアニャン(HLA)に連敗したHC栃木日光アイスバックス(NIB)はここにきてやや息切れが感じられる。スケートスピードや1on1のバトルで優位に立てていない。全体的なプレー強度や出力が下がってきている。中盤戦の山場といえるこの連戦で、上位争いに踏みとどまることができるだろうか?9月の同カードで連敗しているだけに、ここは連勝が欲しいところだ。
GAME2 10/15 14:00FO
両チームのゴーリーはNIB44、REH39でスタートした。福藤豊は開幕から2試合連続完封と好調にきていたところで離脱があり、この試合が約1ヶ月ぶりの復帰戦となる。試合の立ち上がりはほぼ一方的にREHが押しまくる。失点は時間の問題と思われたがNIBが福藤を中心になんとか守る。その1P中盤、劣勢の中NIB88が味方チェンジ中に自陣から単身でパックをキャリーしAゾーンに侵入。REHの選手4人に囲まれながら打ったパックは名手成澤優太のミットの先をかすめてゴールネットに突き刺さる。寺尾勇利が魅せたスーパーゴール。唯一無二。NIBのプレーに活気が出てくる。得点は良薬とはよく言ったものだ。次々にスコアリングチャンスが訪れるが、REHも追加点を許さず1Pを終える。
2Pに入り、NIBのチェンジの隙をついたREH19がブレイクアウェイで抜け出し、福藤豊との1on1を制し易々とゴールにパックを流し込み同点とした。その後はお互いのゾーンでのバトルで守る側の優勢が続き、膠着状態となる。バックチェックが早く、数的優位の場面が少ない為だ。両チームとも守りの意識が高く、ロースコアで推移していくことが予想された。1-1の同点のまま2Pを終える。
3P開始に入りスコアが動く。NIB38のペナルティで得たPPでREH8がゴールを決めた。直前の中島彰吾からのパスと、トップネットに突き刺した高橋聖二の技巧が光る見事なゴールだった。NIBもすぐに追いつく。REH6のペナルティによるPPでNIB46の力みのないスラップショットが決まった。数試合前からPPメンバーに入っている渡邉亮秀が起用に応える形となった。直前の牛来拓都のスクリーンプレーも隠れた「お膳立て」となった。さらにNIBが畳みかける。AゾーンでNIB38が3人に囲まれながらもパックキープしNIB8へパス、最後はバックドアでフリーで待っていた81へのパスが通り、勝ち越しゴールを叩き込んだ。ここまで音無しだったNIBのファーストラインが結果を残した。鈴木雄大の見事なキープからのパスで勝負あった。一方REHはこの場面ファーストライン同士のマッチアップだったが、守りの部分の強度はどうだったろう?NIBは先月の同カードで、勝ち越した状態で終盤追いつかれるという目にあっている。同じ轍は踏みたくない。REH15がフリーでシュートをするがNIB44がブロック、REH19のシュートをNIB44が今度は右足でセーブ。REHの6人攻撃を防ぎきり、NIBが連戦の頭を取ることに成功した。REHは3失点を喫し連勝が止まった。
GEME2 10/16 14:00FO
NIBはゴーリーを44⇒39にチェンジ。今季のNIBはゴーリーの土日連投が1度しかなく、3人で出場機会を分け合う形となっている。先制はNIB、1P6分過ぎのPPで相手のスケートに当たってパックがNIB18の目の前にこぼれ、がら空きとなってしまったゴールに落ち着いて決めた。この連戦からファーストラインを81-18-38という昨年までの形に戻した。何より結果が欲しい2戦目も優位に試合を進める。古橋真来と寺尾勇利がゴールを決めると霧降の温度が上がる。チームの総大将格なのだ。プレー強度も出力も前日より上がってきているように感じる。それでも、9/17のゲームに比べるとまだまだと思った。古橋真来のコンディションが戻っていない。
2Pに入りREHがPPから同点に追いつく。パス交換から左サイドのREH97の放ったシュートがNIB39の5hole(股間)をするちと抜けていった。中屋敷侑史のシュートはダフったような当たりになったが、それが幸いした形となった。ところが得点後のフェイスオフからの流れでNIB22が勝ち越しゴールを挙げる。敵陣でスティールしたパックを大椋舞人がゴール前で粘ってねじ込んだ。REHが掴みかけていた主導権がするりと零れ落ちたように見えた。試合巧者らしからぬ失点。その後は両チームのチェックが激しく、特にゴール前のスロットエリアのバトルが互角の為、なかなか決定機を作れない。少ない決定機もゴーリーがセーブする。試合は再び膠着し2Pを終えた。
3Pに入りNIBは普段のパスホッケーでの自陣からのブレイクアウトより、確実に守るためのゾーンアウト優先のパック運びを選ぶようになる。結果、REHがパックを持つ時間が長くなる。REHはファーストラインを97-19-9に組み替える。REH19のワンタームシュートはNIB39がキャッチする。ペナルティを取られないよう、時計の針を確実に進めていくNIB。試合時間が残り2分を切ったところでREHは昨日に引き続き6人攻撃を仕掛ける。すべての攻撃を防ぎきり、NIB連勝を告げるホーンの音が霧降に鳴り響いた。
10月にホーム8連戦を戦うNIBにとってHLAとREHとのゲームは今季の浮沈を占うゲームであったはずだ。HLAに連敗し、連勝が欲しかったこのカードで望んだ結果を手にした。上位への挑戦権はひとまず手の内にまだある、と言っていい。この権利を、次に上位と対戦する時まで守り切ることができるかとどうかが注目される。
REHは日光での連戦の後は韓国に渡りHLAとのアウェイゲームを戦う。日光で再び連勝し2強のマッチレースを確定させてアニャンでの大一番をもくろんでいたはずだが、思わぬ落とし穴にはまることとなった。リーダーズフラッグの行方、プレーオフスポット争いは混沌としている。