企業文化の大切さ
靴のオンラインショップを展開するザッポスの前CEOトニー・シェイ氏が46歳の若さで亡くなられたことが先日大きなニュースとなった。
ザッポスは徹底した「カスタマーサービスの追求」で有名であるが、
そのこと自体よりも、「カスタマーサービスを追求すること」が会社のコアバリューとして社員一人ひとりまで浸透しているがザッポスの凄いところだ。
短い期間ながら、大企業で働いていた私にとって企業文化を浸透させることがいかに大切かつ難しいことかが身を持って感じられる。
会社の規模が大きくなってしまうとどうしても縦割り組織になりがちであり、横のつながりが希薄だったり、自然の目指す方向が変わってきてしまう。
しかし例えば自動車会社であったら、たった一つの車に何十という部署の何万という人間が関わるのであり、そこで皆が違う価値観で仕事をしていたら良い車ができるはずがない。
各々の自由な発想を尊重しながらも、物事の判断基準となる根幹の価値観を社内で共有するにはどうすればよいか。
ザッポス流では、
①企業のコアバリューに合う人を慎重に見極めて採用する
②徹底した新人研修を行いコアバリューを理解してもらう
③配属後もリーダー・メンターがコアバリューに即した言動を徹底的にサポートする
④定量的な基準を用い現状を「見える化」する
⑤評価基準の半分をコアバリューに基づくものにする
である。
当たり前だが従業員1000人程度のザッポスに比べれば、数万人の従業員を抱える大企業では上記プロセスの実行が更に難しくなる。
口先だけではなく本当に会社を変えたいのなら、
相当な覚悟をもって経営陣には取り組んでもらいたいと思います。