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小豊島で食育について考える。

小豆島と豊島の間にある小豊島。
この島は、オリーブ牛の畜産で栄えている。

防護服を着て、牛舎へ

港に降り立つと、見たことない形状の船を発見。
牛を運ぶための船だそう。船の正面と側面には、キュートな牛のマークが。

右端にチラッと牛マーク


車に乗せてもらい、山の中の牛舎へ。
防護服を着用して牛農家の竹内さんに案内してもらった。
牛舎の隙間から見える向こう岸の景色がとても印象的だった。

牛舎から見える高松

ここ小豊島では、オリーブ牛を飼育している。最初、オリーブの搾りかすをそのまま餌に混ぜて食べさせようとしたが、渋く牛も食べなかった。そこで、乾燥させて餌に混ぜたところ、牛も食べるようになったという。
オリーブ飼料は出荷3ヶ月前から牛に与えており、オレイン酸が豊富なオリーブの効果で肉が柔らかく、脂身部分も甘みがありつつも、しつこくない味に仕上がる。と竹内さんはオリーブ飼料を見せながら教えてくれた。

朝6時と夕方の16時から2時間かけて牛に餌やりをしている。およそ300頭の牛を飼育しており、決まった日に高松まで船で行き、出荷するそうだ。

オリーブ飼料


出荷の準備をする

今日は出荷する日と竹内さんは教えてくれた。私は、出荷されていく様子を自分の目で見た時、食育の大切さを感じた。

牛舎から牛用の運搬車に牛が3頭次々と乗せられていく。「いつもは大人しいんだけど。」と竹内さん。最後の牛が、興奮状態になってしまい、言うことを聞かなくなってしまった。やっとの思いで運搬車に乗せた牛は、口から泡を吹いて、最後の抵抗をしているようだった。運搬車を見送る時、何か言おうと思ったけれど言葉に詰まってしまった。

港で再び合流。
運搬車から降りて、船に運び込まれていく様子を見つめている時も同じ気持ちだった。誰かが育て、運び、加工されて食卓へとやってくる。誰かが、生を育てるからこそ、私達も生でいられるのだと思った。
船を操縦する人間には「いってらっしゃい。」と気軽に声をかけれるが、船に積まれ、高松へと出発する牛達には「いってらっしゃい。」と素直に言えなかった。

自分達で生活を作っていく

「この島は退屈でしょう。」と島を案内してくれた竹内さんは言う。「そんなことはないですよ。」と言うと、ポロポロと色んな話をしてくれた。
島の昔のことはもちろん、生計を立ててくれている牛達に敬意をあらわした畜魂碑があること、港すぐには錆び付いてはいるけども昔使われていた牛用の秤残っていること。これからの生活を作っていくためには、日々の積み重ね、実直に少しずつやっていくしかないという竹内さんの強い意志に心を動かされた。

畜魂碑
牛用の秤

島めぐりと島の歌はこちらから

NHK高松放送局「SHYのかがわ島めぐり」土庄町 小豊島は、テレビで放送されたものを下記のサイトで、2ヶ月間ご視聴いただけます。

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