伝統料理イギスを味わう、沖之島
土庄町の沖之島。小豆島から船渡しで向かう島である。
6月の初めは、オリーブの花が満開だった。
船渡しで向かう
船は無料で出ており、船長の島本さんはこの船渡しを14年している。島の人の生活の足として欠かせないものだ。瀬戸の花嫁も運んだことがあるのだと、島本さんは話してくれる。
気さくな島本さんと談笑しながら、170mの距離を3分ほど船に揺られると沖之島に到着した。
島に降り立つと、大きな漁船でいっぱいだった。この日は、休漁日だったらしく、ゆったりとした時間が流れていた。
島を歩いていくと気づいたことがある、空き家が少ないのだ。島の人にその理由を尋ねてみると、代々ずっと島に住んでいる人がほとんどで、島での生活が豊かだから、島から出ていかないのだと教えてくれた。
沖之島憩いの家で郷土料理、イギスを味わう
イギス(海藻)を使った、郷土料理があると島の人が教えてくれた。イギスは通常海に生えているが、切れて島の砂浜に流れ着く。
それを拾ってきて、ゴミを取り除き、水で洗い、天日干しする作業を何回も何十回も行い、白っぽい色に近づけていく。
イギス料理は、イギスと豆乳(家庭によって米ぬかの汁)を火にかけ煮溶かし、にんじん、グリンピース、しいたけ、ごぼう、かまぼこ、干しエビなどの具をだし汁で煮たものと混ぜ合わせ、冷やし固めたもの。海藻によって綺麗に煮溶けるものもあるが、そうじゃなくても食感が残って美味しいのだと教えてくれた。
食べてみると、優しい味わいが口に広がった。海藻の食感が残っていて、歯応えも良かった。中に入っている干しエビは島の人の手作りだという。
漁の日には一斉に船が出る
お昼頃には、一斉に漁船が出ていく。普段生活しているとなかなか見ることができない光景でしばらく見とれていた。
ひと息ついて音を感じて
港から10分程歩くと、隣の集落と間に木漏れ日が差し込む休憩スポットが見えてくる。
ここから見る景色もさることながら、風で木の葉が揺れる音と波の音、鳥の鳴き声、船のエンジン音とさまざまな音を感じることができる。
何を思いながらこの景色を眺めようか。
島めぐりと島の歌はこちらから
NHK高松放送局「SHYのかがわ島めぐり」土庄町 沖之島は、テレビで放送されたものを下記のサイトで、2ヶ月間ご視聴いただけます。