文献紹介:手術室看護師の血液・体液曝露防止プログラム
6月の抄読会で取り上げた論文をご紹介します。タイトルは、A management program for preventing occupational blood-borne infectious exposure among operating room nurses: an application of the PRECEDE-PROCEED model(手術室看護師の血液媒介感染症曝露防止のためのプログラム:PRECEDE-PROCEEDモデルの適用)です。
書誌情報
Journal of INTERNATIONAL MEDICAL RESEARCH 2019
DOI: 10.1177/0300060519895670 IF:1.287/雑誌ランキング11626
論文の概要(抄録)
目的:研究の目的は、PRECEDE-PROCEED モデルに基づく職業血液媒介病原体暴露 (OBE) 管理プログラムが、手術室看護師の OBE 予防に関する知識、態度、および行動に及ぼす影響を明らかにすることである。
方法:これは、1 つのグループの介入前後に対する準実験研究である。PRECEDE-PROCEED モデルは、2018 年 2 月から 7 月までの 87 人の手術室看護師に対する OBE 管理プログラムの効果を評価するために使用された。リスク要因分析は準備因子、強化因子、実現因子を対象とし、スコアの低い領域に焦点を当て介入を実施し、介入後の評価を行った。OBE に関する態度、知識、行動の遵守は、6 か月のプログラムの介入前後に、独自に開発したアンケートを使用して測定された。データ分析には、記述的疫学分析と t 検定が使用された。
結果:OBE の知識、態度、行動のスコアが低い項目は、ベースライン評価で特定された。介入の 6 か月後、OBE の予防に対する態度、OBE の安全予防策に関する知識、および標準予防策を遵守した行動に大幅な改善が見られた。
結論:調査結果は、PRECEDE-PROCEED モデルに基づく OBE 管理プログラムの有効性を示している。これは、手術室看護師の OBE 予防に関する知識、態度、および行動の遵守を改善するためのものである。
担当者感想
論文のタイトルに惹かれてこの論文を選択しました。針刺し事故に「知識・行動・態度」がどのように関連しているのかについて概念図を用いるなどしてIntroductionで押さえておくこと、目的と結果の内容がぶれないことが論文の読みやすさや理解につながることを学びました。今後、自分自身が得られたデータを分析していく段階であるため、個人的に結果の示し方が印象に残りました。この論文を通して、改めて適切な図や表を用いて示さないと他者に伝わりにくいと感じました。
(博士前期課程 Tさん)