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第5回 私のHow to おもしろい    ~第4話 少女①~

  マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 4話 少女①』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくとより今回のレポートがより分りやすくなると思います。

~第4話 少女① 目次~

①マンガの読み方 縦と横

②群像劇 別視点の雨の犯行

③仕上げ 神は細部に宿る3(私のこだわり)

④おわりに


①マンガの読み方 縦と横

 マンガを発表する場も増え、ネットでのマンガ投稿が気軽にできるようになった今、マンガもネットのやりかたに合わせるように進化していきました。その代表的なモノとして縦スクロール読み(以下 縦読み)があります。

 『雨の犯行 少女①』は縦読みを意識して制作してます。縦読みにした理由としては、マンガ投稿サイトのほとんどが縦読みであり、今回はその形式に合わせてみようという試みがあったからです。縦読みと横読みとでは読者の視線の流れ方がだいぶ違ってくるのでゼミでのディスカッションでも主に『縦スクロール読みの視線誘導』について多くの意見をいただきました。

 ということで①では縦読みのコマ割りテクニックを完成原稿を用い振り返ってみましょう。

 注目するコマは枠線のないコマです。縦読みではスクロールするだけでマンガが読めてしまうので、横読みマンガを読むときより視線の下へ流れるスピードが速いです。なので両端への視線の行き来が下への視線誘導への妨げになってしまうのです。

 そこで、枠を作らないことによって端への視線誘導を和らげます。

 枠を作らないことによってスムーズに視線誘導ができますが、枠がないことにより目立たないコマにもなります。やるのであれば重要ではないコマに使用したいです。


 似たような視線誘導の方法としてこちらがあります。

 これは枠のないコマを作るのではなく、コマを少し縮めることによって視線を自然と下へもっていく視線誘導の仕方です。縦読みは縦に長いコマが使いにくいので自然と横に長い駒が多くなります。横長のコマの場合はこのように端を削ってしまいます。


 そして今回特に意識したのがフキダシの視線誘導です。横読みでも使われますが縦読みでも大活躍でした。この方法は読者が絶対読む場所フキダシ(モノローグ)を使い視線を誘導する方法です。これについては参考画像が多すぎるのでフキダシやモノローグの場所を意識してマンガを読んでもらうのが一番わかりやすいと思います。


 視線誘導の方法はまだありますが次の「5話 少女②」でも使われている方法なので次回の時に引き続き書いていきたいと思います。


②群像劇 別視点の雨の犯行

 群像劇とは…「それぞれの物語」を持った複数の登場人物によって進行していく創作物の総称。(はてなキーワード より)

 この物語は群像劇であり「少女編①」でようやく別の視点での物語がはじまります。現実では各々の日常があり考えがあり、自分が他人と触れ合った時だけその人は生きているのではありません。『雨の犯行』にも同じことが言えます。少年と一緒の時だけが少女の全てではなく、少年が見ている「雨の犯行」が全てではないのです。

 今回から始まる群像劇、群像劇だからできる伏線回収のやり方で「おもしろさ」に繋がってくれればいいなと思いました。


③仕上げ 神は細部に宿る3(私のこだわり)

 今回のこだわりは「デジタル」です。この「デジタル」という言葉はマンガ内に出てくるPCやスマホ画面だけでなくデジタル作業もさします。

 「少女①」ではブログをあつかう場面が多くでてきます。どうせならそれっぽく作りたい、ということでいろんなサイトやブラウザをみて頑張って真似てみました。普段見ているものを違和感なくコマに収めるのは大変で、完成したあとにプロの漫画家の似たようなコマと比べてプロのクオリティの高さに驚きました…。それとプロは画面いっぱいにPC画面を写すことなんてあまりやっておらず、私のは「この画面をコマに収める」という気持ちが強すぎてしまい画面外の世界に意識がなかったのだと痛感しました。

 そしてもうひとつ苦労したのがこの場面

 ここ新聞ですが実はバージョンが7つあります!11カ月分の新聞があるのですがどれも同じだと手抜き感がでてしまうのである程度バージョンを作りデジタルでペタペタ張っていきました。見出しの内容も変え、作るごとにふざけた見出しをかいたりして遊んでいたのを今でも覚えています。

 仕上げ抜きで今回のデジタル作業にかかったのは12時間!流石に完成したときは喜びで声を出しました。


④おわりに

 「少女①」はネームを制作している時にあることに気づきました。それは…「会話できる場面が少ない。」モノローグばかりだったのでマス研同士での会話の場面でいきなり言葉を発することに違和感を覚えました。

 ならいっそのこと「少女は喋らなくていい」ということで「少女①」で少女が言葉を発しているのは冒頭と最後だけになったのでした。

 もともとモノローグが多くなる回だったので違和感はあまりなかったと思います。結果として「少女編」は縦読みにしたりセリフをなくしてみたりと挑戦が多い回になりました。


すずき野



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