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第9回 私のHow to おもしろい     ~第8話 介入者 狩野②~

 マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 8話 介入者 狩野②』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくと、より今回のレポートが分りやすくなると思います。

~第8話 介入者 狩野② 目次~

①コマ割り 会話の間

②ペン入れ ネームとペン入れ 

③仕上げ 違和感をなくせ

④おわりに


①コマ割り 会話の間

 この話数は今までと違い、一つの部屋で二人の会話によって話が進んでいきます。このようなシチュエーションで狙った意図を出すのはとても大変で、プロの漫画家の凄さをヒシヒシと感じました。

 この二人の会話はハッキリ言って明るいものではありません。母親は狩野を警戒し、狩野も取材という名目ではありますが疑いの目を持って江本家を訪問してきています。

 二人の会話に和みは必要ありません。必要なのは静けさと空気の重さ、この空気をどうやって表せばいいか「マンガの教科書はマンガ」、なのでいろんなマンガ作品を参考してどうすれば重苦しい場を作れるか考え、会話の間を作るコマを入れることにしました。

 「間」というのは誰も何もしゃべらない時間です。私が実践したのは表情を入れるがセリフがないコマや、人物を少し遠くから写してあるコマです。制作した側だからこそ、そう感じるのかも知れませんが、思ったほどうまくはできませんでした。理由としてはセリフが多く会話が長く続いている「間」が短すぎるこの二点です。

 セリフが多くて会話が長く続いている。これはもっとセリフを取捨選択していけばよかったと思いました。マンガは文字ではなく絵で読んでいくものなので必要最低限で分かりやすくシンプルに文字をおいていけばもっとセリフを短くでき、二つ目の問題である間の短さも改善していけたはずです。


②ペン入れ ネームとペン入れ 

 ネームからペン入れまでこの作品はだいぶ長い時間差があります。おそらくですがこの8話は半年以上空いていたはずです。ネームから先に全話制作していったため時間が空いたのですが、ペン入れの際に大きくコマ割りを変更したページがいくつかありました。

 一番大きく変更した場面です。ネーム完成から時間が経ち、下書きに入る際に「これおかしいな」と思い変更しました。ネームの時の会話は「間」が無く、会話もおかしかったので変更。前にも書きましたが見直してみることはとても大事だと思い、前にこのネームを書いた自分に指摘を入れられることに少し成長を感じられることができたページでした。



③仕上げ 違和感をなくせ

 前の話数あたりからツヤベタというのを練習し始めました、ツヤベタというのは黒インクで髪などの光の反射を表すもので「ツヤベタがあるから手が込んでるマンガ」というわけではありませんが、自分があったほうがいいと感じた技術だったので作品にちょくちょく入れていきました。

 でも、これが難しい!

 8話は完成しましたがツヤベタに関しては、うまくできずにもやもやする出来が多々です。髪の流れと光源を意識してやってはいるものの違和感が出てしまいました。特に狩野のようなツンツンしている髪型に合うツヤベタは描いている自分ですらよくわからなくなってしまい、白くした部分が禿ているように見えたのでトーンを張ってみたりだとか試行錯誤の連続でした。

 違和感を出さないというのはなんとも難しく、プロとアマチュアの違いの一つに違和感の差というのは大きな壁だと思っています。それはデッサンの狂いであったり、ツヤベタのような技術であったりと...回数をこなして改善していきたいです。



④おわりに

 マンガを面白くするために行った工夫を載せたこのレポートですが、プロにしてみたら当然のことばかりです。もっといっぱい話を書いて当然の先の考えを得たいと思っている今日この頃です。

 さて、これで各キャラの話は終わりです。これからは「終わりのはなし」というくくりで物語のシメに入っていきます。残り4.5話(.5の意味は2か月後あたりに分かると思います。)夏には終わりそうかな?

すずき野

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