計画された近代的で巨大な「永遠の杜」
明治神宮。
明治天皇皇后崩御の後に造られた杜。
「永遠の杜」を実現すべく植樹された林には、照葉樹が今の時期でも青々と繁っている。都心に広がる巨大な森だ。とてつもなく大きくなった木々に圧倒される。
でも、歩くと、なんか不思議な感じがしてくる。そう、清潔なのだ。混じり気がない。
ゴミがないのはいいとして、タヌキや蛇など動物の気配がない(鳥の声はする)、林道がない(林の中を歩いてはいけない)、農業林がない(100年以上切られていない)、道祖神や庚申塔、馬頭観音がない(民間宗教が入り込んでない)。ぬかるみや綻びを感じるところがない。
動物や人の営みの外側にあるような、計画された近代的で巨大な「永遠の杜」。
別にそれがダメとも嫌だとも思わないのだけれど(むしろとても心地よい)、これが初めての近代天皇の墓であるというのは、何だかとてもしっくり来る。