郊外団地の一つの在り方なのかもしれない 川口市『芝園団地』
川口市、芝園団地。
東北本線を背にした、1978年にできたエレベーター付き14階大型集合住宅。敷地内には、保育園や幼稚園、小学校、中学校まである。
きれいに整備された公園が中にあり、子ども連れの夫婦が遊んでいて、賑やかな雰囲気。高齢化する他の郊外団地と少し違う印象を受ける。
近くを通りかかると、イントネーションがちょっと独特。いや、言語が違う。すれ違う人で、日本語を話してる人がいない。これはいったいどうしたものかしら。
調べると、現在、芝園地区には5,058人が居住しており、そのうち、外国人人口は2,881人。
つまり、57%は外国人であり、そのほとんどは芝園団地に居住する中国人(華人)だという。
彼らは、1980年代後半から1990年代にかけて留学生・就学生として来日した、いわゆる「ニューカマーズ(新華僑)」で、殆どが大学卒、技術者として企業に就職をしている。
なので、日本語も堪能な人たちだけれど、母国から呼び寄せた配偶者や家族は苦手な人もいるのかもしれない。
また、子育ての時は母国語を使うというのは当然で、アメリカにいるうちの兄や妹の家族もそうしている。
団地の敷地内には、香港、韓国、四川の食堂があり、一気にアジアの匂いが漂ってくる。味付けも日本ナイズされていなくて、香辛料に遠慮がなく、そしてとても旨い。八百屋には当たり前のようにドリアンが売られていた。
かつては、ゴミ捨てなどマナーについて日本人の住民とトラブルもあったそうだが、地域住民やボランティアの地道で息の長い取り組みによって、一つ一つ解決していってるという。
そのことについて、もっと知りたいと思った。
芝園団地は、これからの郊外団地の一つの在り方なのかもしれない。