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フィクションと現実世界はいつだってつながっている 『狭山丘陵』
武蔵野台地にぽっかりと島のように浮かんでいる小さな山。
調べてみると、かつては秩父山地と繋がっていた山端だったようだ。2〜1万年前に立川断層の発生により大きな溝ができ、そこに古多摩川の水が流れ込んだ(昔の多摩川は北にも流れていた)。両岸の土が長年削られ、今のような孤立した丘陵となったという。
緑の深い山の上にはダムがつくられ、この水不足の地に豊かな水を供給し続けている。
この狭山丘陵を一躍有名なものにしたのは、なんといっても『となりのトトロ』だ。アニメーションの背景を手掛けている男鹿さんは、この狭山丘陵をトトロの森のモチーフにしたという。
何故そうしたかというと、宮崎駿が所沢に住んでいて、この狭山丘陵近辺をよく散策していたからだ。 あのおばあちゃんの方言からして、舞台は東北かなーとか思っていたけれど(名前も"男鹿"だし)、昭和30年代の所沢が舞台だったのだ。
たしかに、都市部からトラックで引っ越してきた核家族、お母さんの病院(ここいらはハンセン病や感染症、傷痍軍人のための病院が集まってる。「八国山」という地名まである)、そして雑木林とどんぐり。ここの土地のイメージとよく重なる。湧水溢れる狭山丘陵の周りには畑だけではなく田んぼもたくさんあったのだろう。
このアニメーションで描かれた"典型的な日本の農村像"は、このような東京の郊外から生まれ、そして、その風景は日本中の子どもたちの心に今も映し出されている。
まあ、もちろんこれは創作だし様々な要素が混ぜられているとは思うけれど、それでも、スタジオジブリは今も三鷹にあり『平成狸合戦ぽんぽこ』は多摩ニュータウンがモチーフだ。フィクションと現実世界はいつだってつながっている。
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狭山丘陵の緑の中を自転車で走る。
もうトトロには会えない年齢になってしまったけど、尺取り虫やどんぐり、ベニシダやコナラの葉っぱはみつけることができた。
やればできるじゃないか。