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北の森で出会ったもの ポトロの森

北海道、白老、ポトロの森を歩く。

カキドオシの茎の形を確かめて、トドマツの樹液をフップから出し、熊笹の開花を知り、木を分解するきのこを愛でて、タヌキのためフンと虫の群生と粘菌に出会い、マムシグサを見つけ、ナギナタコウジュの茶を飲んだ。

カキドオシ。茎の形は四角であるが、それによってこの植物がシソ科であることがわかる。
「フップ」はアイヌ語で腫物の意でトドマツを指す。トドマツの樹皮にはいたるところに凸があり、爪で押すと良い匂いの樹液が出てくる。この匂いがこの森全体を包んでいる。
熊笹の群生は、根っこで全部つながっている。60~120年に一度、花を咲かせ種をまく。その後、熊笹は一斉に枯れる。種を食べるネズミは大繁殖し、近隣の村はネズミが溢れ壊滅すると言い伝えがある。
木に含まれるリグニンを分解できるのはほぼ唯一この木材腐朽菌なのだという。このきのこが現れるまでは枯れ木はプラスチックよろしく土に還ることはなかった。
タヌキのため糞。同じ場所に重ねて糞をする習性がある。
道で寄り集まっていた蟲たち。どうしてここに出現したのか?
枯れ木に身をひそめる粘菌。これからの厳しい冬に備える。
マムシグサはサトイモ科の植物。球根は毒があるが水で晒して食べることはできるそうだ(ちゃんと毒を抜かないと酷いことに)。アイヌはもちろん、縄文人もこのサトイモ科の植物を食べていたのだろうか。
北の森。湧水が流れる音、アカゲラの木を突く音、落ち葉を踏む音。シカが嘶く音が聞こえてくる。ヒグマは近くまで来ていたという。

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