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業務を効率するシナリオ作成の基本知識から学べる『WinActorシナリオ作成テクニック徹底解説』より第3回 ~シナリオ作成前の準備 ~

日本で最も売れている定型業務の自動化ツールのWinActor。業務を効率するシナリオ作成の基本知識から学べる『WinActorシナリオ作成テクニック徹底解説』から書籍内容を抜粋してご紹介。第3回は「Case Study」から「4 - 1 シナリオ作成前の準備」です。


4-1 シナリオ作成前の準備

4-1-1 Webスクレイピングとは?

 Webスクレイピングは、Webサイトから情報を抽出する技術です。Web ページからExcelシートへの文字列転記は、Webスクレイピングの利用シーンの一つです。
 「クローリング」という似た言葉もありますが、「クローリング」は、単にWeb上の情報を収集する行為を指し「スクレイピング」は、Web上の情報を収集した後に、目的に応じて利用しやすいように加工したり、フォーマット変換したりする目的で使われているようです。
 WinActorにおけるWebスクレイピングでは、ExcelシートやPowerPointファイルに文字列や画像を抽出するケースがほとんどです。

4-1-2 Webスクレイピング可能な対象サイト

 Webスクレイピングは、技術力さえあれば、どのようなサイトでも実現できてしまうので、興味本位でやってしまいがちですが、場合によっては迷惑行為になる場合があります。
 例えば、愛知県の岡崎市立中央図書館では、利用者がクローラーを作成し情報を収集していたため、閲覧障害が発生しました。クローラーを作成した男性には業務妨害する意図はありませんでしたが、図書館は警察に被害届を出し、男性が逮捕されるという事件にまで発展しました。
 このように本人が意図していなくても、結果的に迷惑行為となる場合がありますので、頻度の多いWebスクレイピング行為は業務で使用している社内Webサイトに限定するようにしましょう。

4-1-3 本書で扱うブラウザの種別

 WinActorのブラウザ関連ライブラリは、ブラウザの種別によっては一部のライブラリが動作しません。本書では、世の中で幅広く使われており、ブラウザ関連の全てのライブラリを利用することできるChromeとします。Microsoft 社のEdge(Chromium)でも基本操作は同じですので、それでも構いません。

4-1-4 WinActorノートとは何か

 WinActorはバージョン6からWinActorノートという新しい機能が追加されました。WinActorノートは、WinActor 付属のテキスト編集ツールです。
テキストファイルから、ブロック単位(行単位)で、指定テキストの抽出・検索ができるため、メール本文の加工や、Webサイトの指定テキストの抽出にも利用できます。
 WinActorノートは実際にシナリオをたくさん使って、手を動かして使い方を覚えていく方が良いでしょう。ただ、使い方の基本パターンのようなものはありますので、それは、本Chapterの4-2-5で説明します。
 次の項から、下表のとおり、具体的なWebサイトを使って、3つのCase StudyでWebスクレイピング用シナリオ作成技術を解説していきます。

Webスクレイピング Case Study

4-1-5 Case Studyで使用するユーザライブラリの出自について

 次節から、シナリオ作成方法を具体的事例で説明します。シナリオを作る際に、多くのノードやユーザライブラリをノードパレットやライブラリパレットから、マウスでフローチャート内に配置して使いますが、ライブラリフォルダはたくさんあるので、ユーザライブラリを一件ずつ探すと時間がかかります。下記の検索窓にライブラリ名の一部を入れて検索すると簡単に検索できます。

ユーザーライブラリの検索

 検索方法の詳細は、3-4の「❷ユーザライブラリの検索方法」を参照してください。
 また、ノードやユーザライブラリを、ノードパレットやライブラリパレットからフローチャート内にマウスで配置後、名前を、シナリオ内での具体的な役割の表現に変えてしまうことはよくあります。その場合はノードのプロパティのコメント欄にオリジナルの名前を記入して、オリジナルの名前がわかるようにしています(一部記入を省略している場合もあります)。

 なお、これから実践的なシナリオ作成Case Studyを合計9個紹介していきますが、ノードが幾つかできたら、意味のある単位でグループ化する作業や、プロパティの設定が終了したらプロパティの更新ボタンをクリックする操作は省略しています。
 またサンプルの性質上、WindowsやOffice 365のバージョンや、リボンなどUIの設定を、デフォルトの表示設定から変更されている場合は途中でエラーになる可能性があるため、実際に使う際は、個々の環境に合わせて修正する必要があります。

書籍目次

Chapter1:WinActor理解編
Chapter2:シナリオ作成基本知識編
Chapter3:著者が現場で習得した様々なシナリオ作成TIPS
Chapter4:Case Study

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