M専用SMクラブの潜入報告をする宮川大輔、そんな彼の親父からドSパーティーに誘われた宮迫博之の話。
映像的な語り
個人的に大好きな彼の独特な話術。センスの正体は映像でした。
潤沢な台詞の間
多くの語り手は「言うて(言うたら)」「思って」「ほいで(ほんで)」「まぁ」「えー」など、繋ぎのアクション描写や話の休符としてこれらをよく用います。しかし彼はこれを徹底的に排除します。癖なんですね。よって話はとことんシャープになっていく訳で。無駄を省略すると間が生まれるんですが下手な間ではなく役者の間なんです。興味を惹く絶妙な間、まるで落語のような。そして宮川大輔の喋りに対して少し引いた距離とトーンで合いの手を入れていく。ト書きがほとんど無いのも特徴的な要素です。
時間の飛ばし方
映像編集手法の一種にジャンプカットというものがあります。同様のショットを時間の経過を飛ばして繋ぎ合わせる手法です。例えば「店に入って、出てくる」この2つのカットを繋いで時間経過を省略するもの。なんとなくこれを感じませんか?大きくポンっと飛んではないんですけど、体言止めとか「〜と」の使い方、ワンセンテンスの短さがそれを感じさせるんです。物語を演出しようという姿勢が伝わるんです。
物語性
寝てる宮迫→チャイム音→大輔の訪問→大輔の台詞
こういう展開の仕方はすごく映像が浮かびやすい。端的が故にストーリー性が際立つ感じ。宮川大輔の台詞で盛り上がりを演出しながら、ちゃんと反復の合いの手で“冷静な語り手”の立場を守る。
天然素材的なノリ
宮川大輔の悪戯にメンバーが悪ノリする感じ。FUJIWARA原西の屁に火を当ててバーナーみたいにしたり、星田英利の陰嚢に携帯を入れたら圏外になったりと。笑いの許容範囲が広くないと笑えないような飛び級の悪戯で遊び散らかす問題児だらけの素晴らしい彼等。宮迫が宮川の話をするということは絶対このノリがベースにある訳で、大輔がSMクラブに潜入すると言ったとき「確かにMも経験しておかないと」といつものように大輔の欲望にノッたんでしょうたぶん。このふたりを見ているとどこか羨ましくなる。汚いけど美しいブロマンスを感じる。