美化
卒部式で卒部していく先輩が残したコメントは2つに分かれる。
「辞めずに続けてよかった」
「4年間続けてよかった」
あまり、尊敬できない、
適当にやってるように見えた先輩がよく言う。
「今後もプロ目指してサッカーします」
「後輩の活躍期待してます」
尊敬できる先輩は未来について語っていた。
前者に関して、辞めずに続けるということは、
高校サッカーなら良い事だと思っとる。あれだけきつい練習を3年間やり続けることは、何か糧になるんじゃないかと思う。僕の代ではたしか17人辞めた。
※練習内容が良い悪いは別として
半ば、強制的にやらされていた高校サッカーでは、ある程度の規律と緊張感を持ちながら青春を捧げてきた。先に言った通り、それが良いか悪いかはわからないけど、人間的にかなり成長させてもらった。for the team.
だから、大学になって、高校サッカーで得たものが当たり前じゃなかったと実感する。
大学サッカーは別物だった。
自主練の姿が評価されるわけでもなく、
誰よりも練習に真剣に取り組んだところで試合に出られる保証はない。
上手いやつがいればそいつが出る。
自立が求められた。
タバコ吸おうが、酒飲もうが、ピッチで活躍してくれるならそれでいい。
本当は、タバコもお酒もスポーツをする選手にとって良いものじゃないけど、試合で点取って守備もめっちゃ頑張れるなら使う。
高校生の時は、上手くても、チームのガンになるようなやつは排除されていったし、
大学生は、「早く大人になれぇ」と傍観されるだけだ。
そんな世界で、
「辞めずに続けてよかった」
は、あんまカッコつけすぎ。
何で、大学まできてサッカーやってるのかわからない選手がいっぱいいたし、そういう人に限って卒部式で「辞めずにやってよかった」って言うし、実は好きなアーティストのLiveに行きたくて仮病使って休んでましたとか爆弾投下したりする。
やっぱり俺にとってそれは続けたという事実を美化しているだけにしか聞こえなかった。だから、1年生の時、ただ続けるのはやめようと思った。
とにかく俺はその他大勢に埋もれたくなかったから、異質な存在でありたかった。
だから、常に一緒にいたやつは異質だった。自分に持ってないものを持ってた。
そして、尊敬できる先輩の背中を見てきた。
彼らにとって、いま大学でサッカーやっているのは、過程に過ぎないから卒部式でも将来について語れたんだと思う。
実際、続けてよかったなんてのは、
後になって気付く。
というか、続けたことを
正解にしていく。
僕は続けること自体に全く意味はないと思っている。なぜ続けるかが大事であって、それ自体に意味はない。だから、飽きたら辞めるし、続けたいことは続ける。
尊敬する先輩、絶対に成功してほしい。
そして、追い越したい。
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