夢の正体
皆さんこんにちは。
約1年ぶりの更新です。
サッカー選手になる「夢」を
ずっと持って生きてきましたが、
叶ったときの違和感と
そもそも夢ってなんなんだろう
ということをテーマにしました。
何か目標に向かって頑張りたい方や
子供の夢を応援したいと考えている
保護者の方におすすめです。
・歓喜と不安
僕は、幸いにもその瞬間を
ピッチの上で迎えることができた。
2023年10月22日。
ロアッソ熊本に3-0で勝利し
FC町田ゼルビアは創設以来初の
J1昇格を果たした。
子供の頃に憧れたJリーグの舞台。
その最高峰にチャレンジできる。
ついに迎えたその瞬間を心から喜んだし
何度も仲間と祝った。
しかし、そんな感情とは逆に
また今回も
強烈な緊張感が襲ってきていた。
・夢の正体
『どうやって
サッカー選手になれたんですか?』
恐らく、サッカー選手になってから
一番多く聞かれた質問だ。
サッカー選手になったときも
Jリーグに戻ってこれたときも
J2の秋田や町田に移籍したときも
J1昇格を決めたときも
一般的にいわゆる夢を叶えた瞬間
と呼ばれるものに何度か立ち会ってきた。
それはプロになる以前、
学生のときに全国大会出場が
決まったりした瞬間も同じだ。
子供の頃に、抱いていた夢。
それが叶うと
当時は、何か大きな達成感
いや、満足感に包まれることを期待していた。
『これでプロなんだ!』
『夢の世界に足を踏み入れたんだ!』
何かを掴み取ったような。
そんな日々が来ることに期待をし、
サッカーを続けてきた。
しかし、それは今振り返ってみると少し違う。
その夢の正体は、
時間軸においての
点(成果)の一部であることに気がついた。
・点と線
キャリアを線グラフで表すとすると、
横が時間。
縦が成果。
僕が生きている世界は勝ち負けや数字が
ハッキリするので、縦軸を成果とする。
幼少期からサッカーを始めた僕は
最初の夢をサッカー選手になること
と設定した。
そして、遥か右上にあるだろう点に向けて
自分が考える最善の方法で線を引き始めた。
今振り返ると、
『あのトレーニング必要なかったかもな』
などと言い出せばキリがないが、
当時はベストを尽くしていたのだと思う。
もし僕のキャリアをグラフで可視化したら
もうそれはグチャグチャに
上下しているに違いない。
そして
線を書き続けていると時々、
点にたどり着くことがある。
僕にとって明確な最初の点は
高校サッカー選手権で
3位になったことだった。
これまで目立って大きな結果を
残したことのなかった自分に
一つの成功体験ができた。
と同時に。
『プロになれるかもな』
と感じたのを覚えている。
そして次はその点を目指すようになった。
点にたどり着いた時点で
一時的に『やった!』『頑張った!』
と思うことはもちろんある。
そういう快感は何度味わっても心地いい。
しかし、しばらく立ち止まっていると
ライバル達がどんどん迫ってきて
あっという間に見えなくなっている。
(この経験も何度も味わってきているので、
今度また書きたい)
自分の目指すレベルが上がれば
その土俵に乗っている
ライバルのレベルが上がるのは当然だ。
例えば所属するカテゴリーが上がれば
最低でも自分と同じか
自分より上のレベルの選手達と
勝負しなければならない。
しかも、時間は決まっているので
その期間で追いつき追い越し
自分の価値を証明し続ける必要がある。
なので、自惚れている暇はなく
また次の点を求めて線を引き続ける。
ここが難しくて
要するに夢を感じられる時間などない
ということ。
さらにいえばもっと大きな大義がある限り
点に到達しても、また次の点が出てきてしまう
少なくとも僕はそうだ。
・大切なこと
日々なにかに取り組んでいたり
点に向かっているときに
すごく難しいと感じることがある。
それは次の点がどこにあるか分からず、線を引き続けられないこと。
心が折れそうなこともあるし
失敗もたくさんあるし
下方向に引いた線も山ほどあった。
僕も5歳でサッカーを始めて
初めて点らしいものを経験したのは
12年経った17歳のときだ。
学生のときも
大人になってからも
もうやめたいと思ったことは何度だってある。
しかし、何かを成し遂げようと前進する人と
そうでない人の決定的な違いは
ペンを持ち続けられるかどうかだ。
大切なのは、
点までの線を途切れさせないこと。
下に向かっている気がしてもいい。
ずっと最短距離でいける人なんてほぼ居ない。
次の点を求めて線を引き続ける限り
夢や目標は生まれてくる。
本当に歓喜の瞬間は
今でもなく
夢を叶えたのかなと思える点の上でもなく
もっと先にあると思う。
そうやって、点まで辿り着く回数を増やし
夢を叶える瞬間を感じられる人が
増えていって欲しい。
僕も走り続けます!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!