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9割の社会問題はビジネスで解決できる
今回の書籍紹介は、以前 #NOVATH の活動で中嶋知彦さんにご紹介いただいた、ボーダーレスジャパン代表田口一成さん著「社会問題の9割はビジネスで解決できる」
です!
先日、私自身も支援活動の発表をさせて頂いたので参考にと読ませて頂いたのですがとても勉強になる点が多かったので、ご紹介したいと思います。
通常のビジネスと、社会課題解決の大きな違い
まず、本質的に問題を考える起点としてビジネスとは、今ある「不」の部分、マーケットのニーズを補うことから考えます。
大量消費、大量生産など効率を求めて不便であったり、不満を取り除く事を目的とします。
その一方で、本書の中で紹介されていた社会課題とは、今すでにある問題に対してアプローチをしていくことを指します。
過疎化、貧困、食糧破棄などは問題には挙げられるものの、取り掛かっても非効率+儲からないというイメージなため、資本主義の考えからは少し敬遠されてしまいます。
そのため、社会課題の解決は効率を求めることは難しくそれを補えるだけの付加価値をつける必要があります。
実際の例
色々な例がありましたが、その中の1つだけご紹介します。
ミャンマーの僻地の村に、タナペという植物を栽培していた村がありました。
タナペは、穴が空いてしまうと価値が下落してしまうため栽培には大量の農薬を使用していました。
その影響で村人たちは、病気を患ってしまいます。
さらに出荷されるタナペは仲介人によって売買されていて、小さな農家は価値が下振れしてしまうとかなり厳しい生活を強いられる現状でした。
価値が上がったとしても、仲介人によって取引が進められるため苦しい状況には変わりありませんでした。
そこで、田口さんは農家の借金を全て肩代わりする代わりに手を引いてもらい、農家にはタナペ栽培からハーブ栽培に切り替える提案をしたのです。
当時は需要の少なかったハーブですが、授乳期の母親にニーズがあると考え病院で販売し今では全国で10%のシェアを獲得しています。
本当に助けたい人のためになっているか
上記の例はほんの一部ですが本書で紹介されていた例は、人々にどんな課題があり、どの程度の問題で、どこに原因があるのかを徹底的に調査していると感じました。
社会貢献活動はよく目にしますが、それがちゃんと問題点に着手できているものはどれくらいあるのだろう と本書を読んで考えました。
NOVATHの対談で中嶋さんも同じことをおっしゃられていました。
具体的な問題へのアプローチの方法なども丁寧に説明されていて、とても参考になりました。
最後に
自分の今後にどのように活かしていくのか。
開始した活動には、農家と若者達という2つの対象があります。
自分の住んでいる秋田県ではお米が供給過剰になっているというニュースを目にします。
コロナ禍だけでなく、人々の米離れも原因の1つとなっているそうです。
なんとかして、農家を助けられないものかな と考えています。
本書でも bestを探すより、betterを重ねていくことが大切と記載されていました。
都市部にはない魅力がこの地にはあると感じていますし、過疎化も嘆かれている場所で需要に対して供給を繋げられるようになりたいな と考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
稲葉 修土