僕と選手権
こんにちは。いきなりですが、
「過去は変えられないが、未来は変えられる」
この言葉って正しいと思いますか？
この問いに対する答えは、最後に登場させます。
今回のnoteでは、今に至るまで他人に隠していた自分の内側の部分（正確には「言えなかった」）を発信してもいいのかなと、いや発信すべきだと思ったので、赤裸々に今の本間柊人を形取るそのルーツについて、発信します。
そのルーツは、14年間続けているサッカーという競技、もっと深堀りしていくと「全国高校サッカー選手権」なので、数年前の当時の経験にフォーカスしようかと。では。
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・小学生
親父がサッカーが好きの影響もあり、幼稚園にいる頃から既にサッカーは始めていた。小学生の頃は、北海道 釧路市という小さな地元の常勝軍団のキャプテンでエースで10番であって、小3-小6までの、ほとんどの大会かつMVPを総なめしていた。
そんな天狗で浮ついている僕が小学生の頃に立てた夢こそが、「全国高校サッカー選手権」に出場することであった。サッカー選手よりも、億万長者になることよりも、選手権。お正月にテレビの向こう側でサッカーをしている高校生に憧れを抱いた。
・中学生
中学生の記憶といえば、負けた記憶しかない。1試合で13点取られた記憶もある。地元の釧路市内では勝てていたが、北海道内では全く勝てなかった。ここで僕は'挫折'を味わい、サッカープレイヤーとしての素質に自信を失うと同時に、夢を諦め地元の進学校へと進む意思を固めた。
しかし何かのご縁で札幌大谷高校の練習に参加した。そこで、一度は諦めかけた夢について、もう一度見つめ直し、悩みに悩んだ末に、「全国高校サッカー選手権」に出場することを目標に、実家を飛び出て札幌大谷高校への進学を決めた。
・高校生
札幌大谷高校に進学して、1年間は5軍でプレーしていた。
ただ、中学生で挫折した経験があって「上手くいかないことは当たり前。ただ、その逆境をどう跳ね返していくかを考えて行動することが大切」のマインドが確立していたので、今できることをコツコツとやり続けていた。
高校2年でもトップチームのメンバーに入ることは出来ず、インターハイや選手権の期間では、メンバーの洗濯や荷物管理や体調管理を行うマネージャーという何とも苦しい立場を任されていた。マネージャー業とプレーヤー業を兼務していた僕は、もちろんその大会期間は、プレーヤーとしての本来のカテゴリーでの練習に参加できなかったので、遠征先の宿舎の人の見えないところで夜な夜な体幹をしていたなあ。何とも僕らしい。
そんなコツコツ直向きに行動していた2年間が報われたのか、最上級生になるタイミングでトップチームにあがることになる。4月のプリンスリーグ開幕から、選手権の10月に至るまでコンスタントに試合に出続け、遂に最初で最後の選手権を迎えた。
昨年に準優勝した結果で1回戦はシードだったので、2回戦からの登場。小学生の頃から夢見ていた選手権の舞台は格別だった。あの2回戦の80分間は本当に楽しすぎた。本当に超楽しかった。順当に勝利。
そして、翌日に準々決勝を控えた夜の宿舎の大浴場で、チームメイトとこんな会話をしたのを、今でも鮮明に覚えている。
「明日、雪降るらしいよ」と。
時期は10月22日。北海道であれば、滅多にこの時期に雪が降ることはないが、まああっても変ではない話。現に僕が高校1年生の時の選手権の決勝では、少量の雪が降っていた。
準々決勝当日の朝、部屋のカーテンを開けるとそこには白景色が一面に広がっていた。雪がしっかりと降っていたのだ。そして、僕らの試合が始まる頃にはラインが見えないくらいに雪が降り積もり、まともにサッカーが出来ない状況になっていた。
そんな状況下の中、僕らは負けた。豪雪の上で高校サッカー生活に幕を閉じた。「ピッチコンディションが悪いかもしれないけど、相手と同じ条件でしょ」の言葉が本当に受け入れられなかった。この経験がかなりコンプレックスだった。
何を今更言い訳をするつもりなんて全くないが、なんで雪がこんなにも降り積もって、ボールもまともに蹴れない、ラインも見えない、目を開けるだけでも精一杯なこの環境で試合をやったんだろう。っていう疑問が、そこで生まれた。
そして負けてから数日たったタイミングで、「選手権にも主催・主管となる組織（協会）があること」また「スポーツを裏で支えてくれる人がいること」に、気づかされた。
・大学生
そして、それから帝京大学へ進学した。もちろんサッカー部にも入った。そして、大学サッカーをやっていく中で、先輩とのご縁もあり'学連'っていう団体と巡り合うことになった。そこでは、学生が中心・主体・主役となって、スポーツの大会を運営するための活動が行われていた。
「あの経験を活かせるのは、ここかもしれない」
雪の敗戦から3年経った今。僕は、東京都大学サッカー連盟の競技委員長として活動している。試合の運営を主幹とするところ、それが競技委員会だ。
あの経験があったから、今の僕がいる。
都学連所属のプレーヤー・スタッフ・応援してくれている方々に、僕と同じ経験は絶対にさせたくない。安心でそして安全にサッカーをプレーできる環境を担保しなければならない、その一心で競技委員長としての任務を全うしている。
「何で学連やってるの？」「何でプレーヤーもやりながら、学連でもそんなに頑張れるの？」と聞かれる度に、「先輩に誘われたから」「やめるタイミングを失ってるわあ」とか上手く逃げて、本心を隠していた。けど、今なら胸を張って答えられる。「みんなが、安心・安全にサッカーを楽しめる環境を提供する事が僕のビジョンだからだ」と。ビジョンを達成するためなら、忙しくたって大変だって全然いい。
・まとめ
とても長くなったが、冒頭で触れた発問に戻ろう。
「過去は変えられないが、未来は変えられる」
この言葉って正しいと思いますか？
僕の答えは、NOだ。
もちろん、過去にあった事実は変えられない。けど、過去にあった事実の解釈を変えて、今の自分のパワーにすることはいくらだって出来る。だから無駄なことなんて、この世にないと思うんだ。過去と今を線で結んで、過去の経験から「今ここで何をするか」そう考え続けていく必要がある。
雪の敗戦は僕にとってなまらネガティブで記憶から消したい事実だった。けど、あるタイミングで事実の解釈を変えたら、今となってはあの経験が本当に貴重な財産となっている。
2020シーズンは残り2ヶ月。今シーズンはコロナ禍の中での競技運営でもあり、ここ数ヶ月やってて本当に厳しかった。都リーグの詳細も直前に決まる状況など、他方には迷惑をかけているかもしれない。
少しでもみんなに「良いシーズンだったな」「都リーグで良かったな」「やっぱりサッカーって楽しいね」って思われるように、今できることを、考えながら、あと2ヶ月突っ走るわ！
（最後は帝京大学体育局サッカー部の仲間たちと）
本間柊人