真グルディス

【走れワロス5】新卒採用ガチャ解説その3-1:グループワークガチャ大解剖!グルディスお作法パーフェクト講座

我輩は100何回落ちた猫である。名前は、もうある。ワロスである。

今回はグループワークについてです。

グルディス、グループワークというものは、一見すると人の「協調性」「コミュ力」を「実戦的に」見れるように思える画期的な手法ですが、この方法にはいくつか穴があったりします。今回はそのガチャ性と理不尽な構造を僕の体験であった事例などをもとに解き明かしていこうと思います。ですがその構造を説明するのはこちらの記事に任せ、まずはグルディスとはどのようなものなのかを説明しなければなりません。


目次
・1°グループワーク概要
・2°グループワークで見られていること
ーー⓪タイムスケジュールの策定、メンバーの役割決め
ーー①お題の問題文の翻訳、定義(全員のゴールの明確化)
ーー②配布資料などの読み込み
ーー③お題に沿ったアイデアのブレスト
ーー④アイデアの分類、整理
ーー⑤アイデアの収束、統一
ーー⑥発表の準備

1°グループワーク概要

グループワークとは、複数人(大体3~6人くらいのことが多い)の学生が一つのグループになって共通のお題にそってそのグループなりの回答を見つける、という「グループディスカッション」をすることが多いです。たまに株式会社リアライブの”JOB TRYOUT”ような就活系イベントでは実際のビジネスを模した「ビジネスゲーム」などをやることもあるが、それは結構準備に相応の投資が必要なので、大抵は「グループディスカッション」の方がお手軽だよね、となりやすいようですね。本質的にはやることは特に大差ないですので、今回は「グループディスカッション」の流れをざっとまとめてみました。

⓪タイムスケジュールの策定、メンバーの役割決め
①お題の問題文の翻訳、定義(全員のゴールの明確化)
②配布資料などの読み込み
③お題に沿ったアイデアのブレスト
④アイデアの分類、整理
⑤アイデアの収束、統一
⑥発表の準備

大体こんな流れで進めることが「お作法」「テンプレ」ですね。逆にこういう形でやらないとあなたは「論理的な思考ができない人」「人と歩調を合わせられない人」みたいなレッテルを貼られるため、落ちます。ではそれぞれのやる意義や見られているポイントをここで簡単に述べてみることにしましょう。

2°グループワークで見られていること

簡単に言えば「全員の意見を結集できているか(一人で突っ走ってないか)」「チームの中での個々の立ち回り」「論理的な思考力」を見られています。結局のところ企業に入って一番やる仕事って「意見をまとめて提出すること」なので意見をわかりやすくまとめたやつが一番偉いのです。どんなにいい企画を持ってても、それを上司に通せなければ意味がないですからね。うまく折衷案を出せる人ってのが会社的には最高に欲しいのです。少なくともこのグルディスという選考ではその素養を試されます。逆に言えば

「アイデアマン」<「調整マン」

という不等式が成り立つことは自明の理でしょう。悲しいなあ…

それを上記の行程それぞれでどのような局面で見られているのかを考えていきたいと思います。

⓪タイムスケジュールの策定、メンバーの役割決め

これは簡単な話で「全体を俯瞰する力があるか」「人ときちんと分担できているか」などが見られます。素早く自分のできる役割を見つけ出し、どのように議論を進めていくかをまず全体でコンセンサスを取れれば、その後時間が押してたりした時に議論を修正する動きが誰でもしやすくなります。

タイムスケジュールは上記の流れをそれぞれ何分ずつ割り振るかを考える時間と考えて差し支えありません。

役割でよく出てくるのは「全体のファシリテーター」「書記(メモを取って周りに見せてあげる人)」「タイムキーパー(他の人の中でも特に時間を気にする人)」などがいると思います。が、別に「俺がファシリやる!」とか「俺絶対書記やる!任せろ!」とか言わなくても大丈夫だとは思います。


①お題の問題文の翻訳、定義(全員のゴールの明確化)

これも簡単な話で「全員で共通のゴールを定められているか」がチェックされる項目です。これは具体的なお題を見た方が早いでしょう。

例)いい会社とは何?

これ実際解いたやつですけど、これだけだと何が何だかわからないですよね。例えば「誰にとっての」という視点が不明瞭だと

Aさん「やっぱ福利厚生が充実したところだよね」
Bさん「社会貢献性が高い会社がいい会社だと思います。」
Cさん「わかる〜!あとはやっぱ環境に優しい素材を使ってる会社だとかどう!?」
ワロス「ええ…(激怒)」

ってなるわけです。大抵与えられる時間はかなり短いので(20分とか?)、そんなことをしていたらまとまる話もまとまらないですし、アンジャッシュのすれ違い漫才みたいになります。(ちなみに下のURLはアンジャッシュのネタで一番好きなやつです笑)

これめっちゃ好き笑笑

・・・脱線しましたね。すみません。

なので、こうした誤解を防ぐためにも絶対に問いの翻訳作業は必ず行ってください。

ただ、これは僕の個人的な感想ですけど、「じゃあまず要件定義からしましょう」とか露骨に言ってくるやつ見るとついからかいたくなる衝動に駆られます。そんなところで「俺グルディスつええし」ってマウントを取りに行かなくてもきちんと話せばあなたが優秀なことくらい誰でもわかるので、なんとかうまい言い方考えてください笑ちなみに僕はこれをやるときは「みなさんいい会社って誰のためのなんでしょうね」とか具体的な切り口を設定しながら質問系で投げます。


②配布資料などの読み込み

この時間自体は特に見てるものはないでしょうが、ここでどれだけ読み込んだかはディスカッション中にバレます。

強いていうなら「読むスピード」を見てるかもしれません。というのも、「報告書読破」「メール処理」など「文字を読む仕事」が大抵の業務において結構な割合を占めます。そのため、その処理スピードを見ている会社はもしかするとあったかもしれません。


③お題に沿ったアイデアのブレスト

ここでは「全員が比較的アイデアを出せているか」「誰かの意見を頭ごなしに否定していたりしないか」「全員が話しやすい空気を作れてるか」などが問われます。

ちなみにブレストとは、ブレインストーミング、アイデアを乱れ打ちでとりあえず列挙していくことです。とりあえずお題の定義(翻訳)が確定したら、それに類するであろうアイデアをとにかくたくさん出しましょう。この時大事なのは「この段階ではどの意見もとりあえず受け入れてみる」ことです。案外的外れでもないかもしれませんしね。もしちょっとダメそうなアイデアもこの次のフェーズである「分類」の時間に仕分けていけばいいだけのことです。

先ほどの例をもう一度出しましょう。今回はたまたま「いい会社」を「従業員が」「もっとも離職しにくい」会社という定義をしたとしましょう。AさんBさんCさん俺がこのような会話を繰り広げていました。

Aさん「ワークライフバランスがきちんとしてるとこ!」
ワロス「ふむふむ」
Bさん「それもいいね、あとは上下関係関係なく抜擢されるチャンスがあるところとか?」
ワロス「まあそうだね」
Cさん「そしたら俺もそれに追加で年功序列じゃないところ」
ワロス「はいはいなるほど、あとは客観的に実力で評価される人事制度がある、とか?」
Dさん「ああ〜いいっすねえ〜。ぼかぁ給料がいいところがいいっすわあ。」

以上の議論がなされたことを前提に次のフェーズに移行します。


④アイデアの分類、整理

この時見られているのは「アイデアが背反に分類できているか」ですね。論理的思考力とほぼ同値だと思っていただいて構いません。では上記の例を元に分類をしてみましょう。

Cさん「なんか似てるのない?年功序列じゃないのと抜擢うんぬんって近いと思うよ。」
Aさん「それなら私の意見とDさんの意見は似てそうね!」
ワロス「そうだね。もちろんこれだけではないけど、もしこれを全部取り込むなら『人と仕事以外も充実させたい』『とにかく仕事で力を身に付けたい』という二つのニーズをベースに分けれるね。」
Bさん「お、わかりやすい!」
Dさん「ぼかぁそれでいいと思いまっせ」

今回ワロス君は「社員のニーズ」という切り口で5つのアイデアを二分しました。

実力主義:B,C,ワロス
社内待遇:A,D

といった感じですね。これ以外にも切り口は色々あるとは思いますが、今回はこの切り口で分類することで同意を得られたのでこのままつっこみましょう。


⑤アイデアの収束、統一

ここで大事になるのは「全員が納得して」絞っていけているかです。どうしても全部の意見を取り込むことは難しい(中にはしょうもないアイデアもあったりする)ため、いくらか意見を切らなければならないことも一定の確率で存在します。ですが、自分の意見を不採用にされて気持ち良い人間はいないため、ここは最初に決めた定義に立ち返って話をまとめるのがセオリーです。さきほどの続きで実例を示しましょう。

Aさん「もともと「離職しにくい」会社って考えたんだよね?」
Dさん「お、そうだな。」
Bさん「仕事で力を身につくっていうことでその会社にかじりつく人っているかな?」
Cさん「う〜ん、確かに本当に力つけたい人はかなり転職しちゃいそうだよね。」
ワロス「まあ、そうね、離職しないってことはその会社に長期で勤続するメリットがなきゃいけないんだから、社員待遇なんかは他の会社にはないものをもってたりすることもあるだろうし今回は「社内待遇優先ニーズ」に振り切ってもいいかもしれないね。(本当かなあとは思いつつ…)」
Bさん「あ、ここのさっきの資料に自分の会社から離職した理由アンケートがある!どうも一番は給料が足りないから、が多いみたいだよ。次に多いのが時間が取れない、だ。」
ワロス「(おいおい嘘だろ…頑張れよ日本人…)じゃあ数値的根拠もあるし、離職しにくい要因を「社内待遇」に断定してよさそうですね。」
Cさん「そうなんじゃないかな。」
Dさん「そうだよ(便乗)」
Aさん「いいと思う!」
Bさん「まあそう書いてあるんだからそうだろうな。」

そういうことでこのチームでは「従業員が離職しにくい」会社を「社内待遇のよい会社」という結論に至ったとさ。


⑥発表の準備

ここは別にそんなに見てないことが多いですが、ディスカッションに夢中になってこの時間を確保できないチームがよく見られます。他のチームの発表中に準備してると印象がダダ下がりなので必ず時間内に準備しましょう

そして発表の仕方にも実はコツがあったりします。発表スタイルには2通りあります。一つは「代表者一人で」、もう一つは「全員で」です。後者の場合は楽ですね。全員にとりあえず役割を割り振るだけなので。問題は前者です。

発表した人には積極性を買われ、加点されることは多いでしょう。しかし「誰が発表したか」でその加点度合いは異なります。少なくとも僕はそう考えてます。ではどんな人が発表するとよいのでしょうか。

僕の回答は「ディスカッション中、一番口数が少なかった人」です。

例えば僕だと、めっちゃ議論好きなので議論にはガンガン参入していきます。しかも頭の回転は人一倍早いので、だいたいみんなが話してることの概要はすぐ把握できました。でも僕が発表すると大体僕は落ちるのです。なぜでしょうか。

それは「一番内容を理解しているから」です。もう一度おさらいしとくと、グルディスで見ているところは「全員の意見を結集できているか(一人で突っ走ってないか)」です。これ、一番内容を理解してるやつが発表をしてるのを見ると人事の感想はこうです。

「あそこのグループはあいつの単独プレーでずっと進めてたんだな、人の話を聞く気はないんだろう、よし不合格!

逆に、一番発言していなくて、一番議論に参加できてなさそうな人が他の人と遜色ないくらいの発表をしていたらどうでしょう。

「あのグループ、意外と全員で意思疎通取れてたのか、てことはあの一番喋ってた人が結構回してくれたんだな。よし、合格!」

こうなるのです。この構造に気づいてからの僕のグルディス突破率は8割を超えましたね。究極的に、議論の視点を揃えるということは、全員が同じ方向を見てどこの議論をしているのかわかる状態なので、「誰が発表しても発表が同じものにならないといけない」のです。


まとめ
・グルディスはガチャ
・単独プレー感出してると死ぬ
・お作法にのっとってないと死ぬ
・アイデアマンより調整マン

以上、グルディスの概要に関する一般論終わりです。次の記事ではこのグルディスという採用方法がいかに杜撰なものかを綴っていきます。



【100何回落ちた猫の簡易プロフィール】
抽選に運良く通った国立幼稚園の面接で、既に受かっていた幼稚園に行きたくて面接官の前で「いやだ!僕はあっちの幼稚園に行くんだ!!」とガチギレ、落ちる
・中三の時、英検3級で、相手の言葉が全く聞き取れず"I beg your pardon?"を連呼しすぎ、落ちる
・大学一年の初頭、バイトの面接で「学生の本分は勉強だから授業優先に決まってんじゃん」と言って全てのバイト先候補に嫌われ、悉く落ちる。
・大学三年、某銀行インターンで6人のバトルロイヤル系グループワークで完全に俺の大勝利だったのに、変死
・大学四年、エンジニアとして7月に内定をもらい、8月からインターンとして研修を受けれると最終面接で約束されたから内定を承諾し、他の会社を全て蹴ったのに、一ヶ月後8月になって「やっぱ新卒ではエンジニア取ってなかった!営業なら枠あるよ」などとおほざきになられ、実質的な内定破棄をされる。ワロスは激怒した

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