USMLE STEP2CK 受験記② UW 2週目そしてAMBOSSへ
はじめに
前回からSTEP2CKの受験記を書き始めました。他にもたくさんの先生が書かれているのですが、AMBOSSの使用経験やNBME CMSについてはあまり触れられていないので、その辺りを参考にしていただけると嬉しいです。
前回までの記事
2024年8月 模試3 NBME Form13:238
前回がラッキーパンチだったことが分かる点数の落ち込み方。UW2週目開始して500問くらい解き終えたくらいだったので、そこまで精神的なダメージはなかった。やはり9月に受けるのは尚早だったなと実感し、UWをガシガシ進めていくことに。
2024年8月 UW2週目 50%:正答率 91%
1週目で間違えた問題もやり込んだおかげで正答率はかなり高く、UWの内容に対する理解度は良好だと言えた。この時期はUWorldに集中できたので、10日で1000問くらいのペースで解き進めていた。
このころ、ネパールでのUSMLE受験不正による影響か、問題文が長くなり、Ethics分野の割合が増えてきたという情報が相次ぐ。不安に感じながらもやることは変わらない、というか変えようがないので淡々とUWを解くのみ。
2024年9月初旬 UW2週目 75%:正答率 91%
正答率は安定。この頃から中弛みが始まりUWはやや停滞気味になる。
2024年10月中旬 UW2週目 100%:正答率 90%
最初の勢いはどこへやら、1か月を費やしてようやく2周目を終えた。なんとか正答率は9割を維持し、間違えた問題を行いつつ、2か月ぶりに模試を受けることにした。
2024年10月下旬 模試4 UWSA1:253
ついに250点台の大台へ!一つの目標地点であったので、めちゃくちゃ嬉しかった。 そして勢いのまま受験日を設定した。
中弛みしつつもこの点数が取れたので、UWはやはり有用だと再認識した。
UWorld延長 vs AMBOSS
サブスク期間が1か月を切り、次の一手をどうするか考えることにした。
前述の通り、正直UWorldだけでも満足のいく模試の結果を得られていたが、同じ問題をひたすら解くのは、ただ答えを知っているだけになるのでアウトプットの質は下がるだろうと考えていた。
実際には8月くらいにセザキン先生のブログでAMBOSS再評価の記事を見てから、少しずつredditで情報収集をしていたのだが、選択肢としては
① UWのサブスク3か月延長
② AMBOSSのサブスク 3か月新規契約
のいずれか。
悩みに悩んだが、徐々にAMBOSSへ気持ちが傾いていった。
2024年10月下旬 AMBOSS開始
AMBOSSの特徴はセザキン先生のブログが非常にわかりやすいのでぜひ参照していただきたい。
まずは難易度がハンマー2の問題のみを1周して知識のおさらいをした後、ハンマー3, 4の問題を解くこととした。
個人的に気に入ったAMBOSSの特徴は以下の通り
① noteがまとまっている + アクセスが容易
解説の中でキーワードにはリンクが付いていて、クリックすると小さな吹き出しでざっくりしたポイントや解説をみることができる。その中に、より詳しい解説をしたnoteへのリンクも貼ってある。そのnoteが実に秀逸で非常にまとまっている。UWでは同じ疾患であっても問題ごとに解説が異なっており、あれどうだったっけ?と気になった情報をすぐに手にいれることが難しい。AMBOSSでは瞬時にアクセスできるので知識が整理されていく感覚があった。
High Yieldな情報のみを表示する機能もあり、時間がなく重要事項をおさらいしたい時にも重宝した。
② 難易度で問題を選択できる
AMBOSSでは問題の難易度を5段階に分類しハンマーの数で表されている。UWを2周しているのもあり、あまりに簡単な問題に時間を費したくないと感じていたので、個人的なニーズにも合っていた。
③ study planが優秀
AMBOSSでは問題をランダムにセットする機能だけでなく、study planなるものが存在する。代表的なものとしてEthicsやQIなどからHYなものをピックアップしてある。最初に関連する記事を読み、その上で問題を解くという流れのものが多い。特にHY 200という頻出の疾患らをまとめたstudy planは総仕上げの時期にやるべし!という意見がredditでは多くみられた。
④無料のscore predictorがついている
主要な模試の点数や正答率、受験日を入力すると予測スコアが作成される。これまたreddit情報だが、それなりに一致率は高いようで、すくなくとも240(232-248)と表示されればそのレンジの中には収まるらしい。
2024年11月初旬 AMBOSS hammer 2:正答率 9割程度
1000問くらいの問題を10日くらいで解き終えた。さすがに重要事項はUWと重複しているので正答率はまずまず良好だった。
ここまででAMBOSSの気になる点は以下の通り。
①正誤判定が早い
基本的にstudy modeで問題演習を行ったのだが、選択肢を選ぶと即、正誤判定がされる。UWでは選択して先に進むと答えが表示される仕様だったので、この点に慣れるまで時間がかかった。慣れれば答えを決めてから選ぶだけなのだが、使いづらい点の一つであった。
②UIが本番と違いすぎる
前述の通りstudy modeで問題演習をしたのだが、問題画面が本番と全然違う。大きく問題になることはないが、その点はUWに軍配が上がる。
③スマホアプリが使いにくい
UWのアプリに比べると使いにくさがある。PCで開始した問題セットをダウンロードしないといけない、問題演習中の基準値データに検索機能がない、study planを新たに始めることができない、などが気になった。
これについてはかなり後になってから、ブラウザ検索すればスマホ用ページが用意されていることに気がつき、一部解決された。
2024年12月頭 AMBOSS hammer 3,4:全体正答率 82%
hammer 3, 4が全部で2600問くらいあり、3週間くらいかけて解き終えた。hammer2も合わせて正答率が82%だったので、おそらく8割くらいは模試でも取れるだろうと感じた。受験を1か月に控え、次の戦略をどうするか考えた。
受験まで1か月:最終戦略 CMSの導入
残りの1か月も問題演習を繰り返し、新たなアウトプットによる知識の定着、不足の確認を行うのが肝要だろうと考えた。ここで新たに出てくるのがCMSである。
セザキン先生のブログでも紹介されていたが、redditでも圧倒的人気を誇っている。CMS(Clinical Science Mastery Series)はNBMEが提供している教材で、NBME模試と同じサイトから購入することができる。
Emergency Medicine, Clinical Neurology, Family Medicine, Medicine, Pediatrics, Ob/Gyn, Pscychiatry, Surgeryの8分野が用意されており、1セット50問で各16$程度で購入できる。それぞれ最新のFormが3-5個程度用意されているのだが、全て買うとかなり家計のダメージになるが、少なくとも最新2つずつくらいはした方がよいという意見も多かったので、計16セットを購入した。
問題演習のメインをAMBOSSからCMSへ切り替え、まとまった時間が取れるところでは模試を解いていくことにした。CMSはPCでしかできない(?)ので、実験の待ち時間や食事中、お風呂などの隙間時間はAMBOSSの問題をランダムにひたすら解いていった。
CMSで初めて出てくる疾患概念などはあまりなく、角度を変えてくる感じなのでアウトプットとしては良かったように思う。正答率はだいたい75-95%くらいで全体を平均して8割くらいだった。
まとめ
約4か月かけてUWの2周目とAMBOSSを解き終え、最終調整の段階に入っていきました。次回の記事では怒涛の模試ラッシュ、そしてその結果を赤裸々に公開したいと思います。