ニートの家計簿 4/17 青く燃えてゆく東京の日の1日
雨の降った寒い日に思い出すのは君の顔。
こんにちは。エリートニートです。
永田町と麹町の間にある居酒屋さん。友人と美顔針を刺しに行った後こちらでカロリー摂取を。
いぶりがっことクリームチーズ。
この日は雨が降っていた。
雨の日には新宿男を思い出す。朝方、地下のバーから外へ出ると土砂降りの雨。雨。雨。
はいはい、新宿は豪雨ですか。
椎名林檎のように“誰か此処へ来て”と言ってもタクシーは通りもせず、傘もなく、文字通り
“青く冷えてゆく東京”
赤いハイヒール。ミニスカート。巻きの取れた長い髪。CHANELの香水。白い脚。中指の指輪。
全部この雨に流されてしまうのか。寒いはずなのに、明け方で明るくなる外。大粒の止まらない水滴。
背後から足音がする。振り返らない。知らない人。
突然叩かれる肩に目線を落とすと、細くてゴツゴツした指がわたくしを引き寄せる。
『一個しかないけど入っていかない?』
先ほど出てきたバーに居た男。オールバックに色眼鏡。チンピラ容姿に合わない高い声。
“戦略は皆無”どんなに頑張っても此処でこの傘の下に入るのが正解。二つ返事で歩き出す雨の歌舞伎町。駅まで送ってもらい解散するのが精一杯。
その後何十回何百回雨が降っても何とも思わなくなった。
こちらはなんと、
こうなる。
レバーのパテ。カレーの味がしたのが少し残念。2つの最中の中にギッシリとパテが詰まっているのは良かった。
新宿男はピンクペッパーが好きだった。最初のデートで連れて行ってくれたイタリアでピンクペッパーを追加していたのが面白かった。途中から、ピンクペッパーを見ても何とも思わなくなった。
“演技をしているんだ”彼に興味のあるフリをして、本当はブラックペッパーの方が好きだった。
エビのフリット。
カラッと揚がっていて時間が経ってもパリパリなのが嬉しい。
新宿男は海老が好きだった。甲殻類アレルギーなのに。海老や蟹を食べてよく湿疹が出ていた。
新宿男はエビにちなんだ名前のバーにもよく行っていた。バーの名前とエビのマークの入ったライターを誇らしげに持って帰って来ていた。バーのお姐さんとは色恋の中だと自惚れていた彼の姿がとてもダサかった。
最初は心配していたが、途中から馬鹿にし、やがて何とも思わなくなった。
“何とも思わない振りで笑う”様になった。
炙り明太子。
粒が大きくしっかりとした味で美味しい。背後の柑橘系のサワーと良く合う。
新宿男は福岡出身だった。明太子にはうるさかった。『本物の明太子食べさせてあげる!』とよく言っていた。わたくしは通風なので断った。
初めは少し戸惑う気持ちもあったが、中身のない言葉だとわかり、そして何とも思わなくなった。
“ちゃんと教育して叱ってくれ”と言いたいが一回り以上年齢が上だとはいえ幼稚な新宿男。
春の永田町は上品で大人でビジネスで。
忘れていたはずなのに、雨が降るたび思い出す。
忘れていたはずなのに、ピンクペッパー一つで蘇る。
海老を見ても明太子を食べても、何とも思わなくなったのに、ふとした事で浮かんでくる新宿男が、わたくしはやっぱり嫌いだ。
少しだけ、本当に少しだけ、“あなたを思い出す体感温度”
もしもあなたがわたくしを思い出すことがあるのならば。
別れる時の顔よりも、出会った時の顔を思い出して。
なーんていう群青日和で解散。
もう少しお腹が空いていたらもっと食べたかったのが悔やまれる。広い店内でオープンな雰囲気が好印象のこちらのお店。また来よう。
【2018 4/17】
出費
美顔針代…………¥8,640
飲食代 …………¥2,000
タクシー代………¥3,610
ファミリーマート¥1,668
_______________________
合計 ………¥15,918
ファミマに行けばあなたとコンビになれますか?長官:エリートニート
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