湯シャンに失敗しないための5ステップ☆
湯シャンに興味がある人や、やってみたけど上手くいかなくて成功法を知りたい人、実践してその効果を実感している人が増えているようです。
湯シャンとはおそらく造語ですが、
シャンプー剤を使わずにお湯だけで頭を洗うケアを表す言葉として使われています。
2000年以降、自然派の人々から支持があり、少しずつ広まりを見せ、情報が入手しやすくなったここ10数年でかなり認知度も上がりました。
今日は実際に美容師である私が、湯シャン生活を実践してみての成功ノウハウをお伝えしたいと思います。
ちなみに私は湯シャンを徐々に始めて記事投稿時点で2年半といったところです。
しっかり地肌をシャンプーで洗うのは月1回のカラーリングの時くらい。あとは月に2回くらいシャンプーで髪の毛先をフワフワ泡立てて髪の毛に付いたトリートメント剤やナチュラルなワックスの余分な油分を流すこともあるかなといった具合です。
相性さえ合えば、湯シャンにはメリットが本当にたくさんあります。具体的には別記事で投稿してありますので参考にしてください。
大袈裟かもしれませんが、ある意味で世界が変わって見えるほどです。
よかったら最後まで読んでみてください。
新しい世界への扉が開くかもしれません☆
湯シャンを始める前に
湯シャン生活を成功させるには、
張り切っていきなり気合を入れたスタートを切らないことが大切。
「ゆっくり少しずつ」シャンプーと距離を置いていくのが失敗しない重要ポイント。
毎日シャンプーをしている人で、特にラウリル硫酸ナトリウムなどの強い界面活性剤を使用したものを使い続けている人は、すでに必要以上に油分を落としてしまっているので、その失った不足分を補おうと頭皮の皮脂腺が発達して大きくなっている。
なので一日シャンプーをしないだけで頭皮から多量の皮脂が分泌されてしまいベタベタに。
これが、失敗の大きな要因。
なので、こんなに油分を出さなくていいんだ、皮脂腺を小さくして大丈夫なんだと、頭皮に覚えてもらう必要がある。
どうやって頭皮にそれを伝えるのか。
皮脂腺からは一定量の油分が一定期間同じペースで出続ける。これを恒常性と言って、それは2週間は変えられないらしい。
なので、頭皮に少し油分を残しておきながら、皮脂腺に「油分足りてますよ〜」と伝える感覚でゆっくり誘導していくのがポイント。
シャンプーを使うと必要な油分もすべて流されてしまう。
鉄のフライパンをいい状態に保つには、あえて洗剤を使わずに油分を少し残していい状態に保ち育てていく、あのイメージ◎
では、具体的な方法と手順を。
シャンプーとの距離の取り方
まずはシャンプー回数云々よりも、一度に使うシャンプーの量を減らしてみる。
無意識に2プッシュ押したりしてる人は、是非そのクセを一度直す努力を。
シャンプーは、基本的にケチって大丈夫。
しっかり泡立たなくても大丈夫。
ロングヘアでも1プッシュ。可能な限り少なく。
短い人は半プッシュか、もっと少なくても◎
これだけでもとても経済的。半量になればシャンプーは実質半額。さらに回数が半分になればコストは4分の1。お高い良質なシャンプーも、決して高くなく使える。
そして何より、地球にも優しい。
それに慣れたら今度は優しめのシャンプーに変えてみる。
優しめのシャンプーって何?の問いに答えるなら、
配合されている界面活性剤が地肌に優しいものを。
それがよく分からない人も多いと思う。
よくある洗浄力が強い界面活性剤としては以下の3つを避ければだいたい大丈夫かなと。
製品裏の成分表示を見て、
✖️ラウリル硫酸ナトリウム
✖️ラウレス硫酸ナトリウム
✖️オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム
が含まれていないものをチョイス。
スルホン酸ナトリウムは、オーガニック認証を受けてるシャンプーに配合されていることもあるから、デリケートな方は気を付けて欲しい。
こうして、優しいシャンプーを使って少ないシャンプー量の生活を1ヶ月くらいは続けてみる。
問題がなければ湯シャンの日を設けてみる。
はじめは週に1日だけは湯シャンの日にしてみて。例えば「土曜日は湯シャン」みたいに。それを少なくとも1か月以上続ける。
その後、「水曜と土曜は湯シャン」にしてまた1ヶ月以上続ける。問題なさそうなら、「2日に1度は湯シャン」をまた1ヶ月以上続けて、「3日に1度は湯シャン」をまた1ヶ月、、との具合で徐々にシャンプーと接する機会を減らしていく感じ。
4日目の壁を乗り越える秘技
シャンプーしない日は基本的には湯シャン。
ごくぬるめのちょっと冷たいかも、、くらいの温度のシャワーを頭に当てながら、根元を起こすように、指先で優しく毛穴を小さく丸く円を描いてなぞっていくイメージをすると汚れが落ち易い。
徐々にゆっくりシャンプーの頻度を減らしていくと、ニオイや痒み、ベタつきのトラブルが起きにくいはず。
早く進めたい場合でも、2週間は同じペースを続けること。
肌の恒常性の観点からそのくらいの時間をかけて状況を変化させ、あなたのベストなシャンプーペースを見つけて欲しいな。
おそらくはシャンプーしてから4日目辺りに不快感が出やすいかなと。
それはシャンプー後に分泌された皮脂が酸化してニオイを発し始める頃。痒く感じる人もいるかもしれない。
もしそこで、シャンプーしたいなとなったら我慢せずペースを乱さない程度にシャンプーすればいいと思う。ストレスはデメリット。
それが、あなたのベストなペースかもしれない。
100%の湯シャン生活でなくても、3日に1度に減るだけでもメリットの何割かは享受出来るし、頭皮の負担もかなり減る。
ただここで、一つ必殺技があって。
それは、「塩化マグネシウム」を使うというもの。
塩化マグネシウムは液体状だと「にがり」と一般的には言われてるもの。食品添加物で、お豆腐を固めるのに使われてたりする。
濃縮されたタイプの液体の塩化マグネシウムを精製水に1%ほど混ぜてスプレーボトルにいれて化粧水を作り、それを頭皮にスプレーするとニオイが全然気にならなくなるから凄い。
もしくは塩化マグネシウムフレークを買って、それを洗面器に小さじ1ほど入れ溶かし、頭にかけて頭皮に馴染ませてもいい。
(但し、塩化マグネシウムの濃度を高くしないこと。濃度が濃くなるとPHがアルカリに寄り過ぎて髪がダメージし易くなったり頭皮が乾燥し易くなる可能性があるのでご注意を。)
これで4日目の壁はかなり越えやすくなるはず☆
私は塩化マグネシウムオタク的なところがあって。書籍を読んだりノウハウを実践してみて色々な活用をしてるけど、これはその活用法のひとつ。
他の活用法はまた別の投稿でお伝えしたい!
湯シャン成功への5ステップ
進め方をまとめると、
①シャンプーの使用量を減らす
②優しいシャンプー剤を使う
③日数をかけてシャンプー頻度を減らす
④無理しないペースを見つける
⑤人によっては必殺技を使う
これを守れば、失敗の確率はかなり減ると思う。
ただ、湯シャンは相性もあるのであまり無理はしない方がよい場合もそれなりにあると思う。
自分の頭皮の変化や気持ちの負荷を丁寧に観察するようにして欲しいかな。
「洗うより流す」が大切
シャンプーを使った時は、よく流すことが本当に大事。
洗う時間の3倍は流して欲しい。
寧ろ、よく流すのがメイン。
シャンプーの成分が頭皮、また背中などに残ることで起こる皮膚トラブルは、少なくないと感じる。
実際、私はシャンプーを使ってた頃は背中のニキビが絶えなくてかなり悩みの種だったけど、オーガニックシャンプーに変えてからかなり良くなり、湯シャンにしてからは全く(一つも!)出来なくなった。
離れてみて分かることがある
シャンプーから離れる生活がベースになると、たまにシャンプーした後って髪質がパサッとしてちょっと荒れるのを感じる。
フワッとはするんだけど。
あぁ、やっぱり乾燥するんだなと。。
あと、うねうねする毛が出やすくなるし、艶が出にくくなる感覚があるかな。
もちろん、使ってるシャンプーは良質なもの。
どんなに優しい成分のシャンプーであっても、洗浄剤で洗うってことは洗われる肌や髪は乾燥する現実があるんだろうな。
こんな感じで、シャンプーから離れてみて初めて感じられる変化がきっとある。
それは実際にやってみて初めて実感できたこと。
大事なのは、自分の地肌にとってちょうど良いシャンプー負荷を探ってみること。週1シャンプーくらいが難なく感じられる頃には、シャンプー使いたくなくなる人もいるかもしれない。
それは肌感覚で本能的に、「本来は使わない方がいい」ときっと納得するからなんじゃないかな。実際やってみて成功すると、多分湯シャンをやめられなくなっちゃうと思う。
「シャンプーって本当に必要なのかな」っていうのが正直なところ。
シャンプーすることが特別なイベントになる
でも、シャンプーって気持ちいいのも事実。
だから今の私にとってはたまのシャンプーは贅沢で楽しみな時間でもある。
たまにしか使わないから、良質なお高いシャンプーでも実際には経済的負担はあまりなくて、躊躇なくいいシャンプーを買えるのもメリット。
良質なオーガニックのシャンプーは香りもいいし、最高に気分よいリラックスタイムに。
何気ない日常に、幸せが一つ増えたような感覚に。
当たり前過ぎるほどに身近なシャンプー。
いつの間にか、あって当然と思い込んでいないかな。当たり前過ぎて見えなくなってるけど、本当に人間に必要なものなんて、そんなに多くはないんじゃないかな。
色んなものが必要なものとして溢れかえっている今の世界。この現実が、恵まれ過ぎた時代の一種の病のように思えてしまうのは、間違った感覚なんだろうか。
あなたは、どう思うかな。
湯シャンは一定数合わない人もいるようです。
シャンプーしなくなって、頭皮が異様に荒れていくようならマラセチア菌が多いタイプの頭皮なのかもしれません。
そのタイプの人は、シャンプーの防腐剤がマラセチア菌の繁殖を抑えていることがあるみたいです。
そういう人は、優しいシャンプーをほどほどに使っていく方がベストかもしれません。
どのタイプにしても一つ言えることは、
「シャンプーで洗い過ぎはよくない」ということ。
頭皮は思っているよりデリケート。
熱いお湯や強い摩擦、引っ掻きなどもNGです。
髪は基本的に生え変わりますが、頭皮は一つしかありません。
生まれてから死ぬまで、ただ一つです。
少しでも長く健やかな髪を育んでもらえるように、大切に守っていきましょう!