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ホロスコープで解読、じぶんの小説

唐突な企画だけど、今回は自分の書いた小説を、ホロスコープを使って読み解いてみようと思う。

今までこのブログでホロスコープについて話題にすることはなかったのだけど、自分のネイタル(出生時)のホロスコープは割とちょくちょく気にしていて、チャートを何となく眺めているうちに、「この性質ってじぶんの小説に投影しているなあ」と気づくものが色々あったのだ。
でも、ぼくはプロの占い師でも何でもない素人なので、ホロスコープに詳しい人が読んだら変なことを書いていると思う。それは大目に見てもらいたいし、正しいことを教えてくれる人がいたらうれしい。
ちなみに。
以下の文章ではサビアンシンボルでの解読もしているので、惑星の度数は端数切り上げで統一してある(射手座5.01度なら6度みたいに)。

解読につかう小説はこれにする。

あらすじは、あるような、ないような、大した事件が起こる訳ではない。
最初の数行で退屈と思う人もいるだろう。
と、書いた本人が言うのだけど。
青年と少年のあいだ年頃の自意識過剰で健康的な肉体の(という書き方ですでにスケベである)な男子が、親戚一同に居心地の悪さを感じる叔母の縁で、枯れた中年男性と知り合う。じつは遠縁の叔父だか伯父だかに当たる出どころ不明の血縁者なのだが、そのオジサンが好みのタイプだった主人公男子は彼のいる前でいやらしい妄想をフル稼働で膨らませる、という他愛もない話が、ちょっと気取った、つまり古臭めの文体で書いてある。


1・まずは2ハウス // 書くって僕にとっての何?


舟のネイタル。興味ある人おるか知らんけど。


僕の書く文章の傾向をネイタルのホロスコープで見てみると、2ハウス射手座の6度に水星があって、5度にある海王星とオーブ1度で合になっている。
知性をあらわす水星と、イマジネージョンをあらわす海王星の組み合わせは、嘘つきだとか、つい事実と違う事を言っちゃう・書いちゃう性質を現わすらしいのだけど、だから僕はfiction(作りごと) を書いている訳か、と納得。

ついでに言うと射手座3度に太陽がある。
太陽も水星・海王星とは合。
射手座3度のサビアンシンボルは「チェスをする二人の男」。
この度数の人は、頭の中で自分Aと自分Bが会話をしているそうだ。
言われてみれば、まぁ確かに、そんな感じで小説の素になるような・ならないような妄想会話しとるわな。いい年してコイツ(俺)しょっちゅうそんな事しとるんか、恥ずかしいわ。
ちなみに太陽は「人生の目的・方向性」を意味する惑星である。
格好つけた言い方をすると、無意識からくるイメージ(海王星)を言語化すること(水星)を目的として(太陽)人生を送りたい、となるわな。
でも適度に距離をおいたオポジション(180度)やトライン(120度)ではないから、星の力に振り回されている気がする。
うん、合ってそんな感じ、体感的に頭の中がごちゃごちゃ。
平たく言えば文章を書くのが下手なのである。ちなみに水星は逆行。だから文章書くの遅いんだ。
なお、3惑星がある射手座の意味するものは「距離」「遠く」。身辺周囲の出来事より、現実から離れたうそっぱちを書きたいから、こういう話を書いているのね。

2・12ハウスはむずかしい // これ、どうやって使おう?


もうちょっと、細かく見ていくことにする。
水星にはオーブ0度で小惑星カリスが合。
カリスはギリシャ神話の美の女神で、知性を現わす水星と組み合わさると、美しい文章を書きたがると読める。だから気取った文章になりがちなのね、俺。とまた納得。

太陽、海王星、水星の3惑星の合は、12ハウス天秤座4度の冥王星とセキスタイル、つまり60度でアスペクトを取っている。
12ハウスは無意識の部屋と呼ばれていて、まあ表には出ないモンがとぐろを巻いているわな。
そこに破壊と再生を意味する冥王星があるから(文字どおり冥界の王様ですからな、パワー凄そうっすね)、僕の無意識世界の闇はどのくらい深いの?とか思うのだ。
セキスタイルは自分でうまく使おうと思えば能力が開花するアスペクトだと言われているけど、無意識の惑星ってそもそも使いこなせるのか。
文章書きたい系でごちゃごちゃ絡まり合っている3惑星が、無意識世界の冥王星からよう分からんパワーで操られている。
これはけっこう面倒くさい星の配置だな。

3・4ハウスから1ハウスへ // どうしてそれ書くの?


その天秤座4度の冥王星に、6ハウス牡羊座3度に位置する小惑星DNAというのがオーブ1度でオポジションになっている。
小惑星DNAの意味するところは、その名前のとおり「核となる特性、遺伝、自己認識、ルーツ」なんだとか。
小惑星と惑星のアスペクトを見る場合、時代天体(天王星・海王星・冥王星)は外す場合が多いらしいけど、僕は素人だし面白いから解読しちゃう。
それぞれのサビアンシンボルは、
DNA「彼の祖国の形をした男の横顔の浮き彫り」
なんのこっちゃという感じだけど、生まれ育った環境や周囲の空気を読んで似せる、同化したがる心理的傾向を意味するそうで、そう読み解くと何だか窮屈だよな。
それとオポジションで対峙する冥王星は「キャンプファイヤーを囲むグループ」
こっちは、キャンプファイヤーをしたくて集まってきた人たちの集団。類は友を呼ぶとか読み解けるらしい。血縁や地縁が理由で集まっている訳ではない、共通の好きな物があるとか、心理的・精神的な部分で人との縁・グループができる。

DNAには言ってみれば、生まれた時の環境の中にいる間は空気を読んでその中のルールを守らなくちゃいけないという「圧」の部分があったのだけど、僕の自我は、冥王星の力を借りてそこからホロスコープ上で一番遠い地点(180度)に出て行き、気の合う仲間と同じ時間をすごす。というか、すごしたい。

DNAは太陽ともトラインでこっちはソフトアスペクトだから、僕という人間の人生の方向性(太陽)は環境への同化に仲良く取り込まれそうになるけれど、そこに破壊と再生の冥王星から「何やってんだよ!」とラディカルな抵抗が出てくる設計になっている。

「桜をマニアに愉しむ方法」に出てくる叔母は、親戚連中とは気が合わない。
これは血縁というものに対する僕の心象の投影で、僕のネイタルで居場所・安らげる場所を現わす4ハウスは山羊座。
4ハウス山羊座の場合、厳格で保守的な家庭環境でそだち、家に居心地の悪さを感じると書いてある本やサイトもあるのだけど、まんま自分じゃんという感じ。
ハウスの性質を見る場合、通常カプスにかかったサイン(星座)を重視するのだけど、西洋占星術の泰斗・松村潔先生によると、ハウス後半のサインも大事なのだそうだ。ハウス前半のサインが原因だとすると、その結果がハウス後半のサインの意味するものとなる、だとか、ハウス後半のサインにも注目することで面白い解釈ができる。
僕の場合、4ハウス後半は水瓶座。
天王星をルーラーに持つ水瓶座は「変わり者」のサインとか言われちゃうのだが、居場所を意味する4ハウスにある場合、一人でいる方が寛げる性格になるそう。厳格で窮屈な家(原因)だから、ぼっちが好き(結果)となったのだな。
それで僕ときたら天王星がASCに合だから、一人で浮いている変人なのね。あ~傍から見て痛い人。でもその自覚がないのがASC(キッパリ)。
まあ、それは横に置いておくとして、4ハウスから1ハウスへのエネルギーの流れを見ると、家を出たくなるのが体質に染み込んでいるんだな。
家に背く。というのが、この小説の叔母です。

主人公は叔母と馬が合うという設定にしてあるけれど、要は主人公の男子が自分の中の女性性を叔母に投影している。自分の中にある自由奔放な存在への希求を彼女の上に乗せている。特に、たぶん、男性との関係の持ち方なんだろう。
血縁集団という、生まれた時から少年期までの自分を縛り付けていた環境にいた主人公。
今、少年期を抜け出ようとしている彼は、叔母(彼の中のアニマ)を橋とも船ともにして、気の合う仲間の集いの中へと入る。というのが、主人公が叔母たちと古民家カフェで甘いものを食べている場面なんだな。むずかしいお年頃だから、いとこ連中とは悪口の応酬をしているが。
そこにまた、キャンプファイヤーのメンバーとして、何だか不思議な遠縁のオジサンも加わるという話の流れになっている。
血縁から逃れようとしながら、また血縁者かい。とツッコミを入れるが、これについては下に続く。

4・また太陽のお話を // それで事は解決した?


プリアポスという感受点がある。
これは惑星ではなく月の近地点のことで、月の遠地点であるリリスと相対関係にある感受点であり、傷ついた男性性を現わすそうだ。
ただ、astrodinstさんで出したプリアポスの度数は、ミーン(平均値)のリリス(トゥルーリリスじゃない方)から割り出したようだし、詳しい人のサイトによると、月の近地点はリリスの真向かいから最大30度のズレがあるらしい。精度にゃ欠けるが、面白いから不正確だろうとかまわず話を進める。

僕のネイタルではプリアポスが双子座2度。
射手座3度の太陽とオポジションである。
僕の場合、人生の方向性だとか自分らしい生き方を意味する太陽の男性性には、傷がある訳だ。
と、ひどい言葉を平気で自分に投げる。

話は小説に戻る。
小説の中では書かれていないが、主人公男子はたぶん、遠縁の枯れたオジサンと性交するでしょう。小説の時間が終わった外にある未来形の話です。
主人公の置かれている「家」というのは、旧い時間軸に片足を置いている。
「本家」みたいな所で葬式があった時に、わざわざ他県から顔も知らない者達が集まるべくして集まる圧力が残っているという設定だ。
今そんな「家」が本当にあるのか知らんけど、そこはまぁフィクションですので。
そこへ、主人公は普段使いのスポーツバッグで乗り込んでいく。
旧さという時間の膨大な堆積に動じる素振りは、表面上?ないように見える。
彼は、旧い時間軸と今という時間軸が交差している地点に立っていると思ってもらいたい。

旧さというのは面倒くさくて、生きている連中が自分の狭い見聞の中で馴染んだだけのもの、ほんの数十年程度の長さでしか存在していないものを、何百年という旧さに載せて、由緒があるなんて曲がった主張を通したりする。
そんな時空間でなら、血縁者の男同士の性交は男女のそれよりスキャンダラスだろうなあ。
この性交は、妙に制度化した自己増殖集団を拡張・延長できる訳がないからだ。

二人が親密な関係になったとして「あら、いいじゃない?」なんて〝素直に〟喜ぶのは叔母くらいで、それはパンダと同じ立ち位置。いや、その喜びはスティグマがあってこその好奇だから、パンダを見るみたいには〝素直〟じゃない。
もちろん現実の近親者の男性カップルがどう、ということではなく、現実のあれこれとは関係ないところで作った虚構の言語空間での出来事だから、あくまでも頭の中の遊び、つまりイメージを追う行為で生まれた澱みたいなものとして言っている。
ちなみに従姉は顔には出さず、暗い喜びに浸りそう。←性格悪いよ君。
そんなんですら「俺たち、やってます」と顔に書かないと、出してもらえない歓迎である。
主人公男子が草臥れたオジサンを求める行為は、自身の男性性に傷をつけながらその傷を確認する回遊運動、なんて格好つけた言い方をしてみる。
二人の現実での性行為は小説に書いていないのだけど、性行為を通して彼らは自身を血縁集団のへりに追いやり、追いやることでさらに自らに傷をつけていく、なんて未来があってもいい。

この章の副題に「それで事は解決した?」と書いたけれど、主人公はおじさんに陶然としているあいだ、出口なんて探していない。むしろより迷う方の道を選んでいる。
僕は解決しないものを書いていたいのだろう。
業が深いね。
これって冥王星12ハウスだよな?
と、こんな感じで今回の自作の読み解きを終える。ちょっとマニアックだったかな。

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