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来る日も来る日も連絡を待っている女の話。


わたしはiPhoneとずっと一緒にいる。


本当の意味で、肌身離さない。
トイレにもお風呂にも持って行く。


仕事以外の時間、わたしはiPhoneと離れない。



愛する男からの連絡を待って、空き時間のほとんどの時間を四角い画面を見て過ごすわたし。



どれほど人生の時間を無駄にしてきたかなんて、ゾッとするから絶対考えない。




付き合いたての頃のわたし、彼が四六時中何してるかを教えてほしかった。
でも初彼氏だから、LINEの頻度の世の相場がわからなかった。
彼はその当時実家暮らし大学生。コロナ禍だったのでほとんど家にいたのに、今思えばすごい要求をしていた。


起きたよ、〇〇するよ、ご飯食べるよ、食べ終わったよ、ちょっと寝てたよ、〇〇観るよ、お風呂入るよ、お風呂あがったよ、今電話できる?


この連絡が一つでもないと機嫌を損ねる恐ろしい彼女をやってた時期がありました(恥ずかしい)。


でもわたしにとって、連絡は愛。

起きたらまずわたしのことを思い出して。

日常の中でわたしのことを思い出さないなんて許さない。



わたしのことをとっても愛してくれていた彼は、そんな生活にしばらく付き合ってくれていました。


彼が何も悪いことをしていなくても、連絡がちょっと少なかっただけでキレる女だったわたし。
さすがの彼も途中で根を上げ、わたしもしぶしぶ受け入れ、前よりは要求しないように気をつけるようになった。
はやめに気づかせてくれてよかったなあと思うけど、今だってやっぱり連絡をたくさん欲しい気持ちは変わらない。



彼が社会人になった。
彼からの連絡がさらに減ることはわかっていたはずなのに、やっぱり連絡を返してくれないのがつらい。
仕事中は仕方がないけど、帰ったら連絡くれてもいいんじゃない?
電車で携帯みるよね?
彼が帰りそうな時間になると、またブルーライトを自ら浴びにいくわたし。

わたしはわたしで生活していればいいだけなのに
それでも期待は止まらない。

もしかしたらわたしを喜ばせるために突然会いに来てくれるかもしれない!
彼が電話したいときには絶対出たい!


連絡がくる時はくるし、どんなに待ったってこない時はこないのに、彼が疲れて寝ているであろうとき、わたしは画面の前にずっといる。不毛な時間。


実際連絡が返ってこないとき、わたしは本当に泣いていたりする。

どうしてそんなに放置できるんだろう。
どうしてわたしをこんなに悲しませるんだろう。
普通、好きな人のこと苦しめたくなるかな…?
ってことはわたしのこともう好きじゃないってこと…?


被害妄想激しく、本気で涙を流すわたし。

彼はそれを申し訳なく思いながらも、連絡の頻度をあげられないことに悩んでいた。

というか、自分の習慣を変えるほどにはがんばれない人間なのだ。
付き合いたての頃だけすごくすごくがんばってくれていたのだ。

わたしは彼のためならいくらでも変われる女だから、その気持ちがわからず、さらに苦しんだ。



でもわたしも途中で気づいた。

彼は連絡をくれなくたってわたしを愛してくれている。

元々連絡不精なのに、すごく合わせてくれていたじゃないか。

そうだ、自分から連絡するから、返事が無いのがつらいんじゃないか。連絡するのをやめよう。


こうして、今こちらからはまったく連絡しないということで落ち着いた。

彼がわたしに用がある時だけ送る。
わたしはいつでもiPhoneと一緒にいるからすぐ返事ができて、電話したりもできる。


でもわたしが話したいときには話せない。

こうして都合のいい彼女ができあがるのだが、それはこちらの記事で。



実際、ほっといたほうが連絡は来るように感じた。

わたしはわたしで趣味を楽しんだり、友だちとの時間を楽しんだり、よろしくやっている。





でも、落ち着いたなんて、完全に建前。
ほんとはもっともっともっと溺れるほどのラインが欲しい。

暇さえあれば電話したい。


でも、何度も破局危機を重ねていて、今もお互いどっちつかずの関係なわたしたち。

要求し続けてもまたうまくいかないことになるから、言ってもしょうがないことはわかってる。



じゃあ、もっと連絡くれる人を彼氏にすればいいじゃないか。
わたしの相談に乗ってくれる優しい友人たちは皆んな口を揃えてそう言う。



でもわたしが愛してるのは今の彼ただ一人。


彼に、変わってほしいのに。


わたしの恋愛、替えが効かなくて苦しい。

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