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取引先の女性からの挑発に乗るとき~でもこうするしかなかったと思う(上から目線の書き方ですみません。以前のお話)前篇

先日書いた1より、少し前の出来事です。

お相手は、取引先の女性。くっきりした顔立ち。一見して目を引く美貌。賀来千香子に似ていると思ったので、そう言うと「そうですかねー」とあまり気にいっていない感じ。この頃から、女性に対して、誰に似ている、と感想を言うのはやめることにした。美人女優を口にしたのは、相手を褒める趣旨だったのだが、効果がないどころか、気分を害した感じである。賀来さんは大変な美人女優である。だが、一時期、外見はきれいではあるが意地悪な女性を演じていた時期があり、それが影響している可能性もある。

昔、別の女性に「石川ひとみに似ているね」とドライブの時に言った時も「え、一度も言われたことがない」とそっけなく言われた。ひとみさんは、自分は好きなタイプ。石川ひとみに似ている女性なんて、まずいないし、ほめる趣旨だったのだが、なかなか難しい。

それからは、「誰かタレントに似ていると思うけれど、誰だったかな?」と言うようにしている。そう聞くと、女性も自分が言われてうれしかったタレントの名をあげてくるので、「あ、そうそう、似てる」と言うと、だいたい「そうかなー」と言いながらも喜ぶのである。

その(賀来千香子似の)女性と飲みに行くことになった。知り合って3か月くらいだろうか。きっかけは忘却の彼方だが、終業後の雑談だろうか。

その日は、終業少し前に会社を出て取引先へ。デスクに座る彼女のところへ行き、「先に行って待ってるから」と周囲に聞こえないように言って立ち去ろうとする と、「あ、待って。私、今日20分くらい残業」と言う。

自分は立ち止まって「どうして今、そのことを言う? 自分がここに立ち寄ったのは、御社に届けるものがあって偶然、立ち寄ったんだけれど、待ち合わせ場所に直行すれば、20分待ちぼうけじゃないか。会社に電話をくれよ」と少し強く言うと、小さな声で「だって、私が御社に電話をして、呼び出すと変に思われるじゃない」(この頃は、携帯電話がなかったので、デートの予定変更の時は、相手の会社に電話で連絡をかけるしかなかった)「取引先から電話が来て、変に思う人んていないよ」と言うと、「でもかけずらい」

「俺、残業を攻めてるんじゃないから。事前に連絡をしてくれと言っているだけなので」と一応言って「時間を30分遅らせて、同じ場所で待ってる。その時間に遅れたら、もう会うことはないから」彼女は驚くようにこちらを見てきたので、聞こえているのだろう。帰ろうと思って前を見ると、取引先の先輩女性が真っ赤になってこっちを見ている。

この2人のやり取りは、小さな声で言い合っているので、他には聞こえていないはず。ただ、何か少しもめている感じがして、2人が何らかの関係を持っていることを感づいたのだろう。

彼女は、交際してから、この先輩女性に対して、交際していることは絶対に黙っていて、と懇願していた。

この先輩女性は、とてもいい人で、自分も仲良く接していた。ただ、それは恋愛感情とは全く無縁である。こう言っていいか迷うが、女性的魅力では、彼女と比べるべくもない。

「先輩は、自分とも仲いいし、交際を知っても邪魔したりしないよ」と言うと。「先輩は、あなたと1年以上前に知り合っているんだよ」

「知り合った順に交際するわけじゃないだろう」

「私とあなたが知り合って3か月。1年以上も前にあなたを知っている先輩は面白くないよ。だからこの交際は秘密にしてね」と念押ししてきた。「もう気付いていると思うよ」とは言わなかった。

さすがに強く言っていたので、彼女は時間前に待ち合わせ場所に来た。以降も彼女は、デートのたびに、しばらくは「今日残業になって、あなたとの待ち合わせ時間に遅れるんじゃないかと、気が気じゃなかった」と言っていた。連絡がなく、遅れることを注意しただけなのだが、時間にとても厳しい人間だと思われたようだ。面倒なので、否定しなかったが。

第1回目のデートは、たぶん海への夜のドライブ。仕事の後、ドライブしているのは、彼女に魅力を感じていたのだろう。スピード違反で切符を切られた記憶もある。

ドライブを終えて、車を自宅の駐車場に戻し、タクシーで食事のできるバーへ。この時、彼女が「私、最初のデートで、あなたとホテルには行かないから」と言う。そんなことを口にする女性は初めてだったので驚いて「いや、そこまで考えていないけれど」と話すと、彼女はこちらを見て「フーン」とだけ言った。少し圧倒されたかもしれない。この最初のデートのことはほとんど覚えていない。最初に見た時から好意を持っていたと言ってくれたのはかすかに覚えている。ただし、彼女は恋多き女性であることは間違いない。

本題につながっていくのは、2回目のデートの時。このときは盛り上がったこともあるし、記憶が鮮明。

始終、彼女は男性の誘いを受けるという話。つまり彼女のモテ話。一般に好まれる話題ではないと思われるのだが、自分は嫌いではない。単純にすごいと感嘆してしまう。自社の社員だけではなく、当社の先輩社員Mさんも誘っているという。

「私、一度Mさんのファッションをほめたことがあって、それを人づてに聞いていたんだと思う。御社との親睦会で一緒になったとき、横に来て、『君が好きな人も、実は君を好きかもしれないよ。告白してみれば』と話してくる。私がファッションを褒めたことを聞いていたのは間違いないと思う。だから自信を持っちゃって、告白してみろなんて。私に告白させるつもり?何様なの」とモスコミュールを飲みながら饒舌に話してくる。

AさんもKさんも私に誘いをかけてくる。飲みに行ってあげると、今度は自分と関係を持ちたがる。

「どうして、私が飲みの誘いに応じただけで、みんな私とホテルに行きたがるの?」と聞いてくる。

「え、さあ?」

この辺は答えようがなかったし、返答しなかったが、圧倒されている感じもする。それだけ彼女の美貌が人目を惹くということなのだろう(言わなかったけれど)

以下、続く

#デート #賀来千香子 #石川ひとみ #電話


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