ご婦人の絵本
マンションの同じ階に住む御婦人が、時々 絵本を貸してくださいます。
その貸し方が いつも、とてもさりげなくて、家へ 帰ると、数冊の絵本が 入った 袋が、ドアノブに ちょこんと かけてあったりするのです。
次男はライオン好きなので「ガオー読んで。」常にコレ。
きっと息子達の様子をみて、選んでくださっているんでしょう。
ご自身の子供達は とうに成人して居るのですが、当時 読んであげていた本が、まだ沢山残って居るとのことです。
貸してくださる本を、手に取ると大事に 大事に 読まれていた事が、よぉくわかります。
「きかんしゃえもん」は、私が真剣に読んでしまいました。
初めて お借りした時は大変、恐縮しましたが、
『沢山あるんですもの。好きな時に、沢山読んでくださいな。』
と言っていただき、それからは、ありがたく お借りしてます。
また、子供達が本を返しに行く時は、きまって
お礼と共に 大騒ぎなんですが、
『いいのよ。子供はみんなで、育てるものなんですから、
ウチも皆様に お世話になりました』
『羨ましいわ、大変だけど、もうこんな楽しい時は
二度と戻れないもの』
と、おっしゃいます。素敵な先輩奥様です。
今はなき「ちびくろ・さんぼ」思わず「懐かしいっ」。
新品の傘、上着、ずぼん、靴が嬉しい さんぼ。
青いずぼんをあげる、このシーンを、
私は幼稚園のお遊戯会でやりました（三十年前のこと）
子供の劇だから、このシーンのさんぼ を三人で演じました。
青い短パンをはいて、とても鮮明に覚えています。
お借りした絵本ですが、読んで居るとたちまち子供だった頃の自分へ タイムスリップしてしまいます。
絵本の世界の素晴らしいことを再確認して居る今日この頃、
２０～３０年後の時代の子供に、
自信をもって、お貸しできる絵本が、うちには何冊あるかと、本棚へ、目を走らせてみれば、
『ウルトラヒーローベスト大図鑑』
『スーパーせんたい全ヒーロー図鑑！』
『全スーパー戦隊入門超百科』…etc
うん。 無いな…。
半分はこんな、ヒーローものばかりです。
こんなのばかりを、見てる場合じゃない…ぞ
と、絵本をよんであげながら、思いました。
やはり良い本は、時間を超えて不滅です。
とは言え、15年以上も前のウルトラマンフィギュアも
大喜びされるので、スーパーヒーローも、
男児にとっては若干永遠の不滅なのかもしれません。
トラがグルグル回るとバターになるのかと、本当に思っていた。
ちびくろ・さんぼに、双子の妹弟が居たのは知らなかった。
うーふ と むーふ。
子供達は 絵本を卒業したら 児童分学書にも行くのかな？。
そしたらまた、子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれそうです。
江戸川乱歩シリーズ（怪人二十面相）に、怪盗ルパンシリーズ
ズッコケ三人トリオシリーズ…. やはり育児をしながら、
常に “子供の頃の自分” が隣にいるような気がします。
面白いものです。