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【振り付けの無いダンス♡】

四十歳を過ぎてから、ある女性との出会いで、ダンスにのめり込むこととなる。

アルゼンチン出身の彼女は、旦那様と二人の息子さんがいらっしゃり、妻として、母として、女性として、全てを楽しんでいる情熱の塊のような人だ。同性の私から見ても、とてもチャーミングで、ぐっと周りを惹きつける魅力がある。
こんな風に素敵に年を重ねてたいと思って、彼女のワークショップに通うようになりダンスに夢中なった。

振り付けの無いダンスは、あらゆるジャンルの音楽、原始的な太鼓だけの音楽から、お洒落な映画音楽やクラッシック音楽まで、を使ってプログラムが組まれている。

宇宙の共通言語である「音楽」をシャワーのように全身に浴びて、内側から起こってくる情動を止めずに、そのまま身体を自由に動かしてゆく。

難しい振り付けやステップは一切無い。自分の姿を映す鏡も無く、ただひたすら自分の内側と繋がって、感性のまま動く。やることはとてもシンプルだが、シンプルが故に生身の自分自身が浮き上がってくる。

スルスルと動きが出てくる得意な音楽もあれば、動きがスムーズに出てこない苦手な音楽もある。それも全て良し。ありのままの自分の感覚や反応を楽しむだけ。いい・悪いのジャッジはしない。いかに自分の感覚に素直に従って身体を動かすか、そのプロセス全てが自分であり、自分を表す表現となる。

※鎌倉の海の波の音を聞きながら。音楽は編集時に付けたものです。⬆️⬆️⬆️

ある時、ワークショップのプログラムで、参加者を2つのグループに分けて、1つのグループが踊っているのをもう一つのグループが見守るというのがあった。参加者は老若男女(まぁ、女性の方が圧倒的に多かったが)様々で、会場の真ん中で、同じ音楽を聴いて思い思いの動きをして踊っていた。

その様子を外側の円で、ボーッと眺めていた時のこと、全身がゾワっとして涙が出てくるほど感動したのだ。自分でも予想外の事で驚いたが、それぞれの動きはバラバラなのだが、全体で見ると、見事に調和していた。まるで、一幅の名画を見ているようで、金子みすゞさんの詩にある「みんなちがって、みんないい」はまさしくこの光景のことだと思った。

一人一人の魅了の陰影がくっきりと浮き彫りとなり、その各々の美しさが、全体の調和を美しく創り上げていた。

人に合わせなくても、個々の魅力が光り輝くと、不思議とお互いを邪魔することはなく、引き立て合い調和する世界があることをこの振り付けの無いダンスを通して、体感することになる。忘れられない体験だ。

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