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【音読道場体験会♡】

本日は、音読道場体験会@さいたま支部の第3回目。こちらの案内の手違いがあり、予定では参加者がお二人のところお一人だった。

彼は、バイタルダンスのワークショップに良く顔を出してくれるお馴染みさんで、世の中では知的障がい者とされる成人男性だ。まめにPCでSNSをチェックしては、臆することなくいろいろなイベントに出掛けて行き、友だちも多い。みんなからは「ぷーちゃん」の愛称で呼ばれている。

正直、ぷーちゃんに「日本語音読」をどのようお伝えしたら楽しんでもらえるのか?初めての事であまり自信がなく、共同開催者の旬子さんにも事情をお伝えして相談していた。

ぷーちゃんは時間通りに、汗を掻きながらいつものくしゃっとした可愛らしい笑顔で登場した。遠路はるばる埼玉まで来てくれたのだ。彼はスマホを持っていないので電車の乗換案内や地図が無い。それでも家で経路を全部頭の中に入れて、初めての場所でもきちんと時間通りに到着する。これも彼の才能だ。

「ぷーちゃん、埼玉までよく来たね〜。ありがとう!」と二人でお迎えする。

ぷーちゃんは、朗読が好きで仲間と一緒に10年程活動していて、来月には発表会があるとのこと。なので「日本語音読」にも興味があって今回申込みをしましたと、大きな目をクリクリさせながら話してくれる。
こうして和やかな雰囲氣で雑談を交えながら、なぜ「日本語音読」が大切なのか、松永暢史先生の本を紹介して、音読メソッドの成り立ちや、効果などをわかりやすくお伝えする。
ぷーちゃんは伏し目がちな目をクリクリさせながら聴いていたが、早く音読がやりたくて仕方ない様子だった。(笑)

「じゃあ、さっそく母音と子音の発音からやってみようか。」と言うと、目を輝かせてくしゃっと笑う。

ぷーちゃんと日本語音読指導者の旬子さん

口の開け方、「音」の響かせ方を一つ一つやっていくが、苦手な「音」になると、どうしても口の開け方が曖昧になって発音も怪しくなってしまう。その度に「ぷーちゃん、口の開け方はこうするの。縦に大きく開けて。」とやって見せて、何回も繰り返しやり直してもらうこととなる。彼は嫌な顔ひとつせず「あっ、すみません。」とニコッと笑って何度も何度も一生懸命真似をしようとするので、こちらも熱が入って来る。旬子さんと二人でがかりで、一時間半以上の格闘。カタカムナの音読をいつもよりたくさんすることが出来た。途中集中力を切らすことなくやり切った感のある充実した時間だ。最初の心配はどこへやら、蓋を開けてみれば彼の粘り強さと熱意に私たちが引っ張られた感じだった。

最後に「本を買って練習します。」と言ってかなり氣に入ってくれたご様子。実践していただけたらこれほど嬉しいことはない。

家に帰って来たら思いの外ぐったりで、スポーツをした後のような心地よい疲労感だった。今日も一つ良い経験をさせて頂いた体験会だった。

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