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新刊を待ちわびる小学生――鬼滅からフルバ、わた婚へ――

こんにちは。
フリー編集の元塚Bです。
先日、雨の降りしきる休日に、間もなく小学5年生になる娘と本屋へ行きました。
娘の目当ては顎木(あぎとぎ)あくみさんによる「わたしの幸せな結婚」シリーズの最新刊。

何か月も前から待ちわびていた新刊を手にする娘の姿を眺めながら、私は子どもの成長の速さを実感しました。

ディズニーアニメから『鬼滅の刃』へ

娘に絵本の読み聞かせをしていたのは、つい先日のことのようです。
あの頃の娘はディズニーアニメが大好きで、自分もプリンセスのドレスをあれこれ着てはその世界に夢中になっていました。
そんな娘にとって転機となったのが、『鬼滅の刃』の登場でした。
鬼滅の大ブームは、娘がちょうど小学校に上がる頃と重なりました。
実は初めにハマったのは私のほうで、娘にアニメを一緒に観ようと誘っても、「怖い」といって観ようとはしませんでした。
それが、禰豆子の可愛さやギャグシーンから徐々に興味を持ち始め、あっという間に娘もその世界の虜に。
原作マンガも全巻読破し(音や演出が派手なアニメより、マンガのほうが親しみやすかったらしい)、漢字が多い文章を読むことにも抵抗がなくなったようでした。

最大のヒロイン・本田透

続いて転機になった作品が、高屋奈月さんの少女マンガ『フルーツバスケット』です。
小3になった娘は、そのアニメ(2019年に再アニメ化されたバージョン)の世界観に魅了されました。

ファンタジー要素はあるものの、娘がこれまで観ていたディズニーアニメや鬼滅と比べるとグッとリアルな物語。
現代を舞台にした、高校生たちの心の葛藤を丹念に描いた青春群像劇に夢中になっていることに、「娘もこういう作品を見るようになったのかぁ」と、感慨にふけってしまいました。
実は私も、娘がアニメにハマるまでこの『フルーツバスケット』という作品を知らなかったのですが、なんと全世界で累計3000万部も売れているという名作
娘と一緒になって、私もその世界観にハマり、我が家に『フルーツバスケット』の一大ブームが訪れました。
そしてこの頃には、ディズニープリンセスへの憧れはすっかり褪せてしまい、『フルーツバスケット』の主人公・本田透(ほんだ・とおる)こそが、娘にとって最大のヒロインとなったのです。

ライト文芸の世界へ

そんなこんなで、娘は日本のアニメ作品にどっぷりと浸かるように。
そして次に娘が夢中になった作品が、昨年(2023年)アニメ放送された『わたしの幸せな結婚』でした。
第1シーズンが終わってしまい気落ちしている娘は、「どうやら原作本では、すでに続きがあるらしい」と気が付きます。
おそらくは読めない漢字、難しい文章もあっただろうに、アニメの世界観で馴染んでいたようであっという間に既刊全巻を読了。
それを機に、いわゆるライト文芸に夢中になり、巻末に載っていた別シリーズや、書店のライト文芸コーナーで「ジャケ買い」をするようになりました。

私は職業柄、出来れば娘も本を好きになってくれたら嬉しい、とは思っていました。
ですがそれを強要したくはなかったし、まして「本を読む子のほうが賢い」とか「お利口」といった価値観・思想は持っていません
それがまさか、マンガ・アニメをきっかけに、ライト文芸にハマるようになるとは予想外でした。
急成長する娘の姿に戸惑い、一抹の寂しさを感じつつ……しかし、多感な時期に出会った作品の数々が、大人になっていく娘にとってどんな思い出になるのか、楽しみでもあります。

(イラスト・文◎元塚B)

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